毎年から見て何かを表す時、「例年」「平年」「毎年」などを使いますね。
しかし、どんな時にどの言葉を使うのが最も適しているかについては、あまり知られていません。
ビジネスの場などで間違って使ってしまい、恥をかくのは大人として避けたいところですよね。
そこで、今回は例年・平年・通年の使い分けについてご紹介します。
「例年」の意味
- 例年=いつもの年の同じ時期を表す
例年は、いつもの年の同時期を表します。使う時はいつもの年と比べることが多く、「例年は●●なのに今年は○○だね」などと使います。
例)
- 例年は雪が多いのに、今年は雪が少ない
- 例年行われるこの地方の祭
- 例年にない人出
- 例年2月3日に神社で行われる豆まき
- 例年より早い収穫
- 例年以上にがんばります
例年は、毎年恒例のこと、毎年同じように起こることを言うときに使います。また、同じ文章で「毎年」と入れ替えてもおかしくない文章もありますが、慣用句のように使うことが多く、「毎年にない人出」「毎年より早い収穫」とは使いません。
「毎年(まいねん)」
- 毎年=いつもの年の同じ事柄を表す
例年と同じでいつもの年を表しますが、例年よりは少し言葉としては柔らかく、ビジネスシーンよりプライベートシーンで使われることが多いでしょう。
例)
- 毎年花粉症になる
- 毎年桜が咲く
- 毎年カルガモ親子が来る
- 毎年お雛様を飾る
- 毎年少しずつ貯蓄をしている
「毎年」は時期を特定すると捉える人もいますが、もう少し広い意味として使います。例えば花粉症は、人によってまだ冬が明けない時期からかかる人もいれば、GWの前後にかかる人、秋にかかる人など様々。ただ、共通しているのは「毎年同じような事象がやってくる」ということだけです。
また、お雛様を飾る本番は3月3日ですが、1週間前に飾るのか3週間前に飾るのかはまちまちですね。もし、恒例のことを示したい時は、「毎年恒例の〜」などと「恒例」を付け足します。
「平年」の意味
- 平年=毎年の平均
- 特別なことがない状態
平年は、2つの意味があります。ひとつは、毎年の事柄を平均して考えるデータを示す時に使います。平年の「平」は平均の平です。毎年観測している天気や気温、作物など収穫物の大きさ、量などを表します。
例)
- 平年より雨量が多い
- 平年に比べて白菜の値段が高い
- 平年より夏の気温が高い
もう一つの意味は、毎年と同じで何も特別なことがない状態の時に使います。
例)
- 今年の水揚げ量も平年並みだ
- 不景気を回復して一刻も早く平年度化しなければ
- 今年の冬も平年並みの厳しさとなるでしょう
どちらにも共通しているのは、「平均的で通常の状態」ということです。まいとしの平均に比べて考えるような時に使います。
おまけ*「通年」は意味が異なる
例年や平年と似たような言葉で「通年」がありますが、通年はまったく意味が異なります。
- 通年=一年を通して
毎年同じ時期にすることは例年、毎年と変わらないことは平年ですが、通年は一年を通じて行うことなので、意味が違ってしまいます。
「通年バレンタインにはチョコが店先に並ぶ」
とは言いませんよね。
例年・毎年・平年の使い分けのまとめ
例年、平均、毎年の使い方がお分かりになったでしょうか。
似ているようですが、使う目的や内容が異なるので、間違えて使うと違和感を与えます。
- 例年・・・いつもの年の同じ時期
- 毎年・・・いつもの年の同じ事柄
- 平年・・・いつもの年の平均、ふつう
これさえ押さえておけば、間違えることはありませんね。
言葉は正しく使い、恥ずかしくない大人になりましょう。