「嬉しい」と「楽しい」の使い分け
学生にとっては「嬉しい」と「楽しい」の使い分けが難しいようで、会話でも作文でも「嬉しい」を使うべきところに「楽しい」を使ったり、逆に「楽しい」を使うべきところに「嬉しい」を使ったりしてしまいます。
日本人は使い間違いはしないと思いますが、ただ、日本語教育に携わっていない者にとっては、日本語学習者に「嬉しい」と「楽しい」の使い分けを説明するのは難しいのではないかと思います。
中国に戻れて、嬉しいです。〇 中国に戻れて、楽しいです。×
中国での生活は楽しいです。〇 中国での生活は嬉しいです。×
「嬉しい」と「楽しい」の使い分けは以下のようになります。
①「嬉しい」は「(心の中で感じる)一時の瞬間的な喜びの感情」
「楽しい」は「(体全体で感じる)持続的な愉快な感情」
②「嬉しい」の反対語は「悲しい」
「楽しい」の反対語は「つまらない」
「中国に戻れて、嬉しいです」は(心の中で感じる)一時の瞬間的な喜びの感情、つまり、中国の空港に降り立ったときのあの感情です。
そのときの(心の中で感じる)一時の瞬間的な喜びの感情はこのガッツポーズで表せます(笑)。ですから、「嬉しい」という単語を教えるときはこのガッツポーズの絵を使って導入すると良いと思います。
「中国に戻れて、嬉しいです」の反対は「中国に戻れなくて、悲しいです」です。「嬉しい」と「悲しい」をセットで覚えておくと、「嬉しい」と「楽しい」のどちらを使えば良いのか迷ったときに役立ちます。
「中国での生活は楽しいです」は(体全体で感じる)持続的な愉快な感情、つまり、中国で学生たちと一緒に遊んだり、中華料理を食べたり、青島ビールを飲んだりするときのあの感情です。
そのときの(体全体で感じる)持続的な愉快な感情はこのイラストで表せます(笑)
「中国での生活は楽しいです」の反対は「日本での生活はつまらないです」です。こちらも「楽しい」と「つまらない」をセットで覚えておくと、「嬉しい」と「楽しい」のどちらを使えば良いのか迷ったときに役立ちます。
練習問題
「嬉しい」と「楽しい」の使い分けができるようになるために、実際にたくさんの練習問題を解かせて、「嬉しい」と「楽しい」の使い分けを心にも体にも染み渡らせると良いです。
①N1に合格できて、とても「 」です。
②日本語の勉強はとても「 」です。
③日本語が上手になったので、とても「 」です。
④今日は休講になったので、とても「 」です。
⑤日本語コーナーはとても「 」です。
⑥告白が成功して、とても「 」です。
⑦恋人とデートするのはとても「 」です。
⑧給料がアップしたので、とても「 」です。
⑨日系企業に就職できて、とても「 」です。
⑩通訳の仕事はとても「 」です。
⑪宝くじが当たったので、とても「 」です。
⑫久しぶりに先生に会えて、とても「 」です。
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