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「尹大統領夫人招請」リストは秘密?…一貫性のない就任式の釈明

登録:2022-08-31 10:59 修正:2022-08-31 11:25
「各界の代表の名簿は公文書として残っている」 
「夫人招請」とはかけ離れた釈明ばかり
5月10日、尹錫悦大統領とキム・ゴンヒ夫人がソウル汝矣島の国会で開かれた就任式に参加し、市民たちと挨拶している=共同取材写真//ハンギョレ新聞社

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領就任式(5月10日)の招待リストの存在について、大統領室の一貫性のない釈明が続き、これをめぐる疑惑が高まっている。尹大統領と夫人のキム・ゴンヒ女史が就任式に招待した人物の公開を避けるために、大統領室の釈明がこじれているのではないかという指摘もある。

 30日、国会で開かれた運営委員会全体会議に出席したイ・グァンソプ大統領室政策企画首席は、就任式の招待リストに関する質問に対し「(各省庁などから就任準備委員会に送った出席対象者名簿が入っている)公文書が残っているのは事実であり、個人情報が含まれた電子メール(で来た名簿返信内容)は破棄したと聞いている」と説明した。

 これに先立ち、本紙は就任式の招待者リストを確保し、尹大統領の義母C氏の私文書偽造共犯や、大統領官邸改築工事を随意契約で受けたキム女史の知人などが、「女史招請」で就任式参加名簿に載っていたことを16日および19日に報道した。すると大統領室は「就任式の招待者リストは残っていない」と反論し、行政安全部も「招待者リストは一括削除した」と明らかにした。問題になる人物が就任式に出席したかどうかは確認すること自体ができないという話だった。

 しかし、大統領記録物法に違反するという論議が起きると、行政安全部は29日、名簿の一部が残っていると回答を翻し、偽り釈明の議論へと広がった。イ・グァンソプ首席の同日の国会答弁は「名簿の一部が残っている」という行政安全部の説明の繰り返しだった。政権引継ぎ委員会で働いていたある関係者は、「キム・ゴンヒ女史の就任式招待者リストが報道された当時は『すべて破棄した』と主張していたが、(野党が)法的に問題視したため言葉を変えたようだ」と話した。

8月30日、大統領秘書室のイ・グァンソプ政策企画首席秘書官が国会で開かれた運営委員会全体会議で議員の質疑に答えている=共同取材写真//ハンギョレ新聞社

 これまでの大統領室と行政安全部の釈明は、就任式に出席した「各界代表」リストにのみ焦点を合わせている。今年の大統領就任式の招待者は、大きく分けて「特別招請」(尹錫悦大統領とキム・ゴンヒ夫人の招請)、「各界代表」、「一般国民招請」などに分類される。行政安全部がこの日、説明資料を通じて明らかにした「行政府・立法府・司法府の要人、国会議員、駐韓外交団、地方自治体代表」などは「各界代表」に含まれる。また、行政安全部が「電子メールなどで受け付けた名簿とインターネットの申込名簿は、個人情報保護法により破棄した」と説明した部分は、「一般国民招請」対象者を指すものとみられる。大統領室と行政安全部は、尹大統領と夫人が招待したVIP名簿をどのように処理したのかについては、説明を避けているわけだ。当時、引継ぎ委では尹大統領夫妻が招待を希望する人物の名前・連絡先・職責が書かれたリストを就任準備委に渡し、就任準備委はその人たちに直接電話をかけ、出席の意思を確認した。

 大統領室と行政安全部は、最終集約された就任式出席者リストは個人情報保護法によってすべて破棄したというが、違法の論議は依然として残っている。ソウル新聞は同日、朴槿恵(パク・クネ)政権時代には個人情報が含まれた就任式招待者リストを大統領記録物として保管しているという事実を、情報公開請求を通じて確認したと報じた。共に民主党のオ・ヨンファン議員は国会運営委員会で、就任式招待者リストの破棄は大統領記録物管理法違反だとし、「大統領室は『5部要人など主要機関長(の招待名簿)だけが残っている』などとし事実隠しを試みている」と指摘した。

ペ・ジヒョン、キム・ミナ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1056843.html韓国語原文入力:2022-08-31 02:44
訳C.M

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