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東京都新宿区 産科事故を扱う谷直樹法律事務所

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子宮破裂

子宮破裂

弁護士谷直樹は、子宮破裂の事件を担当し、判決(福島地裁平成25年9月17日判決、東京地裁令和5年2月20日判決)で解決しました。


「標準産科婦人科学第5版」557頁より


子宮破裂は、妊娠子宮体部の破裂をいいます。多くは分娩中に発症します。
①帝王切開、子宮筋腫核出術など子宮に瘢痕部がある場合の子宮瘢痕破裂、②巨大児や多胎、胎位異常、回旋異常等に等によって子宮筋に過剰な負荷が加わっておきる自然子宮破裂、③子宮収縮薬による過強陣痛、吸引分娩や鉗子分娩、クリステレル胎児圧出法等による外傷性子宮破裂があります。


○「産科婦人科診療ガイドライン―産科編2023」
CQ403(205頁) 帝王切開既往妊婦が経腟分娩(TOLAC,trial of labor after cesarean delivery)を希望した場合は?

○産科医療補償
第4回報告書

再発防止委員会からの提言(子宮破裂について)
1)産科医療関係者に対する提言
(1)子宮破裂の危険因子の管理について
帝王切開術の既往、子宮手術の既往、子宮奇形、子宮筋腫合併等の子宮破裂の危険因子がある妊産婦については、連続的モニタリングによる母児の評価、訴えの丁寧な聴取、および超音波断層法の所見を参考にするなど、特に慎重に管理する。
(2)帝王切開術の既往がある妊産婦の管理について
帝王切開術既往妊産婦については、前回帝王切開術の術式等の情報を十分に把握するとともに、妊産婦への指導を含めて分娩徴候の管理を行い、また分娩方針および予定帝王切開術とする場合の時期を早めに決定する。
(3)TOLACの管理について
①妊産婦がTOLACを希望する場合は、適応や要約を慎重に判断し、事前に文書により有害事象およびその発生頻度(子宮破裂の発症頻度が1%程度など)等も含め、十分な説明を行う。また、その際には「緊急帝王切開術までにかかる時間の目安」等の自施設の緊急時の体制についても十分に説明し、十分な理解の上で文書により同意を得る。
② TOLACにあたっては、自然分娩待機とする時期、自然に陣痛発来しない場合の予定帝王切開術の時期等について十分に検討する。
③ 緊急帝王切開術がすぐに実施できる準備下で、連続的分娩監視のもと行う。TOLAC中に胎児心拍数異常が出現した場合、特に陣痛の度に一過性徐脈を認める場合はより厳しく評価して子宮破裂を疑い、急速遂娩などの対応を検討する。

○ 裁判例
福島地裁平成25年9月17日判決
帝王切開既往後の経腟分娩(VBAC)を試みたところ子宮破裂を起こし、産科脳性麻痺となった0歳児が死亡した事例
子宮破裂の徴候を捉える態勢を整える義務の違反、説明義務違反、子宮破裂の徴候がないかを継続監視する義務の違反を認めた判決

福島地裁平成20年5月20日判決
帝王切開既往後の経腟分娩(VBAC)を試みたところ子宮破裂を起こし、産科脳性麻痺となった4歳児が死亡した事例

高松高裁平成8年3月28日判決(判タ927号178頁)
子宮収縮剤オキシトシンの投与に関する医師の注意義務違反を認めた判決

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