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「ご無沙汰する」はどう使う? よく使う日本語の正しい使い方と間違った使い方を解説

2021/12/14

日常生活やビジネスで使う日本語、正しく使えているか不安なことってありませんか?よく調べないまま使っていると、間違った使い方をしているかもしれません。

多くの人が意味をよく理解せずに使っている言葉がけっこうあるので、注意が必要です。

意味を間違えやすい日本語の言葉や言い回しについて、国語科教員免許を持つ ライターのdanngoさんが解説します。

国語科教員免許と漢検準一級を持つ、アラフォーの主婦でライター。二児の母で、子育て関連の記事を書くのが得意です...

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「ご無沙汰する」の意味とは?

元々は"選り分ける"という意味を持つ「沙汰」という言葉に「無」がついた「無沙汰」には、指図や処置をしないこと、関心を持たないこと、いいかげんにすることなどの意味があります。

現在では、訪問や文通などを長い間していないことを指すことが多いです。

「ご無沙汰する」だと、しばらく音信がとだえていたことを申し訳なく思うというニュアンスが含まれます。

「ご無沙汰する」の正しい使い方、例文は?

「ご無沙汰する」という言葉は、久しく連絡が途絶えていた相手にコンタクトをとるときに使われることが多い表現です。

具体的には、こんなふうに使うといいでしょう。

・ご無沙汰しております。先々月の式典では大変お世話になりました。
・年末年始のあわただしさに気を取られ、すっかりご無沙汰してしまいました。

目上の人に使ってもいい?だめ?

maroke/gettyimages

「ご無沙汰する」は相手へのおわびの気持ちを含む丁寧な表現であるため、目上の人に使うことは全く問題ありません。

あまりにも長く連絡していなくて相手が自分のことを忘れていそうなときは、「ご無沙汰しております」の後に自分の名前や役職などを告げるといいでしょう。

また、メールや手紙で連絡するため相手の状況が気にかかる場合は、「お変わりありませんか」という言葉を添えると効果的です。

注意したい「ご無沙汰する」の使い方

「ご無沙汰しています」は「お久しぶりです」とよく似ている言葉ですが、微妙にニュアンスが違っています。

「お久しぶりです」は前に会ったときから長く時間が経過した状態を表現する言葉で、そのことをわびる気持ちは含まれていません。

「ご無沙汰する」はしばらく音信が途絶えていたときに使いますが、「お久しぶりです」は定期的に音信があったとしても長い間会っていなければ使うことができます。

さらに言うと、「お久しぶりです」は友人などの親しい間柄で使うのが一般的で、ビジネスでは「ご無沙汰しています」をよく使います。

したがって、次のように「お久しぶりです」のかわりに「ご無沙汰しています」を使うと状況にそぐわない言い方になってしまうので気をつけてください。

・ご無沙汰しております。メールでは毎週やりとりしていますが、会うのは3か月ぶりですね。
・ご無沙汰しています!○○ちゃんに会うのは同窓会以来だね。たまにはうちに遊びに来てくれたらいいのに。

みなさんは「ご無沙汰する」という言葉を正しく使えていましたか?

世代間で理解度に差があることも多いので、年の離れた人に対して使うときは特に気をつけましょう。

ただ、間違って使われているうちに言葉の意味が少しずつ変わっていく可能性もあります。

正しい意味を理解したうえで、相手が間違って使っているときは柔軟に受け入れるのが大人の対応かもしれませんね。


◆記事を書いたのは・・・danngo
国語科教員免許と漢検準一級を持つ、アラフォーの専業主婦。二児の母で、子育て関連の記事を書くのが得意です。本を読むのが大好きですが、一度読み始めると家事がおろそかになってしまうのが悩み。子どもの遊び相手をすると本気になりすぎて怒られ、家事は手抜きになる一方です。甘いもの、日本の古いものをこよなく愛しています。

 
 

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