今日の1枚のアート(←勝手に名付けた)
東京国立博物館の本館常設展にあった、池大雅の作品。
●《寿星・此君・隠逸図》三幅対
寿星は長寿を象徴した中央の老人。
此君は中国の有名な書家、王羲之が好んだ竹のこと。
隠逸はやっぱり中国の詩人、陶淵明が愛した菊の別名。
日本の江戸時代の文人画の名手。
池大雅の作品。
■池大雅(1723ー76)とは
江戸中期の京都画壇の作家。
幼い頃から神童と謳われた絵の名手。
中国の文人画の影響を受けますが、それに止まらず、日本の文人画を作り上げた人って感じでしょうか? 知らんけどw
とても絵がお上手ですよね。
2月10日から東京、有楽町の出光美術館で池大雅の生誕300年記念展を開催予定です。
与謝蕪村とコラボした国宝の《十便十宜図》も展示替えをしますが、公開されるようです。
チョー楽しみ。
●《寿星》
中央にある長い頭の老人。寿星。
迷いもなく引かれた老人の頭の線がとっても印象的(笑)
右側で一旦筆つぎがありますね。
それから衣の抽象的な表現。なんかとっても新しい感じがします。
そして、老人の愛らしい顔。
どうしてこんなに罪のない顔を、池大雅は作り出すことができたのでしょうね。
●《此君》
右側にある此君。
竹の図です。
スパッと切り取られたような、鋭角な感じのする竹の図。
こちらは構図が斬新。
縦長の画面によく似合う題材ですよね。
●《隠逸》
こちらも構図がとても気に入っています。
上部に十分に余白がありますね。
そして、菊が一輪。
右側の竹の直線を使った絵に比べて、曲線のみを使った作品ですね。
右下に伸びる線がとっても効いていますね。
三幅が、それだけでも面白い絵なのですが、
それぞれが別々の技法で描かれているので、並べてみるともっと楽しく見られる作品。
キャプションにも大雅の良品みたいなことが書いてありました。
2月18日まで、東京国立博物館の本館常設展で展示予定だそうです。
池大雅の作品は他にもこんな記事がありますので、
よかったら読んでください。
■池大雅 国宝《楼閣山水図》