夫に一方的な別れを告げられ、幼い子ども2人とアパートで新生活を始めた由希子は、良き母であろうと努力し、日々の長時間労働、資格試験、家事、子育てなどに汗を流す しかし、学歴や職歴のないシングルマザーの由希子は社会から孤立し、孤独に追いつけられていく、、。

 

 

 

 

 

 

こちらは2013年制作の 日本映画 日本 です (95分)

 

2010年に大阪市の西区で発生した事件 「大阪2児餓死事件」 マンションの一室に

 

2児 ( 3歳女児と1歳と9ヶ月男児 ) が母親の育児放棄によって餓死した事件 をも

 

とに映画化したものです。 

 

 

 

 

8mm  何故この映画を観てしまったんだろう、、、と、やはり 後悔 してしまうような

 

内容でありました。 実話もの好きの性でございます 実際に起きた事件をそのまま

 

映画化した訳ではなく、そこに至る過程や子供達が死に至るまでは映画的に脚色が

 

されています。

 

本編は固定カメラで撮影され、ドキュメントタッチで描かれていますが、前半物語を

 

省略するために夫と母親の夫婦としてのすれ違いが最小限に描かれます。夫が家を

 

出て行き、シングルマザーとなった母親の所に同級生の友達が訪れます。 楽しそう

 

にシングルライフを楽しんでいる彼女との対比が露骨で、母親は生活の為もあり夜の

 

仕事に就く事に、、。 唇 口紅

 

 

 

 

客と、子供の待つ自宅へ帰って来る事もあり、徐々に母親の生活の主軸は男へと移行

 

していきます。 そこまでの生活の描写は中々見事で、食卓の微妙な変化 手作りだっ

 

た 家庭料理が消えて行き、スーパーで購入した惣菜がメインとなって行きます。 

 

同時に部屋の中にはゴミ袋が目立つようになり、母親の子供達に対する心情の変化が

 

そこに表現されています。 映画の前半には父親こそいませんが、子供を気遣った手

 

料理や、子供の好きなオムライスなどを一緒に食べる場面が多く登場していた事もあ

 

り 閑散としてすさんだ母親と家庭が上手く表現されています。   

 

ある日母親が娘に 「ご飯何が良い?」 と聞きます。 「オムライス!」 と答えます

 

が、母親が作ったのは大量のチャーハン。その山盛のチャーハンをテーブルに置き、

 

子供が 「早く帰ってきてね~」 という声が耳に届いたのか、、、母親は子供を残し

 

家を後にします。  ランニング

 

 

 

 

そこからは、部屋に残された幼い姉弟の行動だけが映される事となります。 まだ

 

2歳に満たない弟を泣きやまそうと、見様見真似にミルクを作ったり、ベッドを延々

 

と揺らしてあげる お姉ちゃんの幼気な気遣いが涙を誘いますあせる 何日も帰らない母親

 

を、繋がらない電話で呼ぶお姉ちゃん。   

 

遂には弟が動かなくなってしまいます 食料も尽き、パイナップルの缶詰を包丁で

 

開けようとしますが、当然開きません。 

 

マヨネーズを食べ、ゴミ袋の中のものまであさり食べようとします。 ゴミ  遂に姉も

 

果てそうになった時、母親が戻って来ます なんと、部屋のドアにはテープが貼ら

 

れ、外に出れないようにされていたのでした。 「お母さん遅いよ~」 と言う娘の声

 

は耳に入っていないように、母親は黙々と室内を片付け始めます。 

 

そして、、、。

 

 

 

 

最後の あやとり、マフラーに使っていた 赤い毛糸 毛糸 を血縁の揶揄とした表現は、

 

ややアート系の映画を思わせ、これは 「映画」 なんだと逆に安心させてくれますが、

 

いかんせん ここまでの描写があまりにも強烈だった為、かなり心的ダメージは大きい

 

ものがあります。

 

特にこの 幼い二人 演じているという概念もなく、そのままの子供ですが、めちゃく

 

ちゃ可愛いくて 赤ちゃん もう心底 凹まされてしまいます。  あのマヨネーズ マヨ 

 

中身も無くなり、そこに水を入れ何度か飲んだであろうと推測できる画 見ていて

 

いたたまれません。 ガーン 

 

Z級のグロイ映画や、ホラー作品を観るよりも胸糞が悪くなる映画です。 特にお子

 

さんがおられる方がご覧になるにはかなりの苦痛が伴います。  チーン

 

映画としての、メッセージや教訓めいたものはありません。 母親の心情や、同情を

 

誘うような演出もなされていませんし、解決策や哀れみもここにはありません。  

 

この閉鎖された部屋で起こった事だけを目にする事になり、それを観たこちらが個々

 

に判断するよう、あえて丸投げした作りになっています。それぞれでこの事実を考察

 

して下さいという

 

作品です。 ドクロ

 

 

 

 

内容の惨さに心が歪められますが、この事実を映像化した映画的手法は巧みだと思い

 

ます。

 

是枝監督の 「誰も知らない」 とはまた違ったリアリティがここにはあります。  この

 

映画表現に賛否はあると思いますが、最後の脚色はともかく 私は好意的に捉えました

 

興味があれば、実際に起きた事件の内容と比べてみるのも良いかもしれません。 事実

 

は母親に同情出来る部分もあり、複雑な気分になりますが、それでも全く許されない

 

のは事実なのですがね。 幼い子供が大人の都合で犠牲になるという事件や現実はい

 

たたまれません。 本件で実際の母親は最高裁で、実刑の懲役30年が言い渡されま

 

した。

 

母親は 「子供のことを今でも愛している」​​​ と語ったようです、、、ガーン

 

 

 

 

エンドロールで気付いた事ですが、本作に オレンジリボン e913 が協賛しています。 

 

知りませんでしたが、児童虐待防止運動のシンボル として使われているそうです。 

 

虐待によって死亡する子供は一週間で一人と言われております。 本作で悲惨さを

 

ご覧になって頂き、その意識を持つ事が本作の意義であると思いますので、「もし」 

 

興味がありましたらご覧になってみて下さいませ、です。  目

 

では、また次回ですよ~!  パー