ペギー葉山「学生時代」 | ささやかな暮らしDAISUKI!

ペギー葉山「学生時代」


拙者が古い歌しか知らないように、最近の若い人は昔の名曲を知りません。

このままでは時の流れとともに忘れられてしまうという危機感から、当ブログでは時々昔の名曲を紹介しているわけですが、この「学生時代」も心にしみる名曲と言えましょう。



「学生時代」は、1964年にキングレコードから発売されたペギー葉山さんのシングル曲で、作詞・作曲は平岡精二さん。

当時「平岡精二クインテット」(平岡精二とブルー・シャンデリア)というジャズバンドを率いていた平岡さんの作詞・作曲により、ペギー葉山さんのオリジナル曲として当初「大学時代」というタイトルで制作されましたが、「みんな大学に行く時代じゃないから」という理由により「学生時代」とタイトルを変更し、アルバム「平岡精二の作品集」のうちの一曲として完成しました。


平岡さん、ペギーさんとも青山学院出身で、この曲は青山学院が舞台となっています。青山学院では平岡さんはペギーさんの2級先輩にあたりますが、タイトルを決める際にはすったもんだがあった挙句、結局はペギーの主張が通って「学生時代」に決定したそうです。

累計売上はミリオンセラーを記録。 1965年「第16回NHK紅白歌合戦」で歌われました。


歌詞では、始業ベルに間に合うようにキャンパスを走り回っていた姿や憧れの上級生との友情などペギー葉山さんの学生時代がモデルになっています。


♪蔦のからまるチャペルで 祈りを捧げた日♪

のチャペルとは、青山学院青山キャンパス(東京都渋谷区)にある、ベリーホール(国の登録有形文化財)内の「チャールズ・オスカー・ミラー記念礼拝堂」のことで、青山学院内では「学生時代」が『第二の学園歌』と呼ばれているそうです。

2009年には、青山学院創立135周年を記念し、歌碑が同礼拝堂前に建てられました。除幕式にはペギー葉山さんと、故人となった平岡さんの遺族が出席し、記念にペギーさんが歌いました。

夢多かりしあの頃の 想い出をたどれば
なつかしい友の顔が 一人一人浮かぶ
重いカバンをかかえて 通ったあの道
秋の日の図書館の ノートとインクのにおい
枯葉の散る窓辺 学生時代

讃美歌を歌いながら 清い死を夢みた
何のよそおいもせずに 口数も少なく
胸の中に秘めていた 恋への憧れは
いつもはかなくやぶれて 一人書いた日記
本棚に目をやれば あの頃読んだ小説
過ぎし日よ わたしの学生時代

ロウソクの灯に輝く 十字架をみつめて
白い指を組みながら うつむいていた友
その美しい横顔 姉のように慕い
いつまでも変わらずにと 願った幸せ
テニス・コート キャンプ・ファイヤー
なつかしい 日々は帰らず
すばらしいあの頃 学生時代 ♪


当然ですが、読んでも歌っても調子がいいですね。

そして歌詞がきれい。まさに青春です。

しかも場所が東京の青山、ミッション系の学校ということで、ステキな要素が揃っています。1964年当時は憧れのシチュエーション、今聞くと当時が偲ばれます。

なお東京を知らない方のために補足しますと、青山は渋谷、明治神宮外苑、原宿、表参道に近い素敵な場所。過去にテレビドラマで何度も舞台になりました。国道246号線・青山通りは六本木に通じており、骨董通りや紀ノ国屋など歩いてみたいスポットがたくさんあります。


ペギー葉山さん(80)は未だに現役でお元気。社団法人日本歌手協会7代目会長で、現在は名誉会長として活躍され、たまに大相撲を観戦する姿がテレビに映ります。

ちなみに歴代会長は、初代が東海林太郎、二代が藤山一郎、その後がディック・ミネ、林伊佐緒、田端義夫、青木光一、ペギー葉山、田辺靖雄とそうそうたる顔ぶれで、権威を感じます。


ちなみにペギーさんは『切手のないおくりもの』という、チューリップの財津和夫さんが作詞・作曲した曲を歌ったことでも有名です。

1977年にNHKの音楽番組「歌はともだち」でペギー葉山の歌により発表され、その年に数社の競作でシングルレコードが発売されました。

好評のため1978年6月に、歌番組「みんなのうた」で放送。1982年10月と、1996年6月に2回リメイクされ、カバー盤を含むレコードの総売上は100万枚を超えるそうです。


『切手のないおくりもの』も『学生時代』も一部の音楽の教科書や補助教材に掲載されています。どうかたくさんの人に歌われ、後世に歌い継がれていってほしいものです。