私が音楽によく触れるようになったのは、ラジオの深夜放送を聴きながら勉強をした高校時代でした。
よく聴いたのは、ニッポン放送の「オールナイトニッポン」。
その頃の一番衝撃的な思い出の歌は、ザ・フォーク・クルセダーズ(フォークル)の「イムジン河」です。

 イムジン河水清く とうとうと流る
 水鳥自由に 群がり 飛び交うよ
 ・・・・・・・
 誰が祖国を二つに 分けてしまったの
 誰が祖国を分けてしまったの

1968(昭和43)年に発売されたこの歌は、朝鮮半島を北と南に分断する38度線を流れるイムジン河を題名にし、分断によって親兄弟も会えない悲しさを切実に歌っています。
ところが、このレコードが北朝鮮のクレームによって発売禁止になり、ほとんど聴くことがなくなってしまいました。
その後、「悲しくてやりきれない」「水虫の歌」や、音楽史上空前のヒット曲「帰って来たヨッパライ」を出すなど、漫画のようなふざけた3人のキャラクター、それでいてきれいなハーモニー、思いもつかないアイデアの連発。
メンバーは、加藤和彦、北山修、端田宜彦。
活動期間は、1968(昭和43)年の一年間だけで、自分たちで歌を作って、楽器を弾いて、歌って、旋風を巻き起こし、あっさりと解散してしまった。
もっとすごいのは、解散してからの彼らの活躍。

加藤和彦は、作曲家として大活躍、ベッツィ&クリスの「白い色は恋人の色」 トワエモアの「初恋の人に似ている」 北山修と歌った「あの素晴らしい愛をもう一度」など数えきれない。残念なことに、2009(平成21)年に自ら命を絶ってしまいました。
北山修は、作詞家として、はしだのりひことの「風」「花嫁」 ジローズの「戦争を知らない子供たち」「あの素晴らしい愛をもう一度」などのヒット曲を生み出すの一方、精神科医としても著名。
はしだのりひこは、シューベルツ、クライマックス、エンドレスのバンドを結成し、「風」「花嫁」などのヒット曲が有名。
私の音楽の原点は、「ザ・フォーク・クルセダーズ」にあります。

当時のフォークルのアルバム
 
それ以後、フォークソングに没頭し、毎日のようにギターを弾いたものでしたが、高校を卒業し、少林寺拳法を始めてからは、まったくギターを手にすることはなくなってしまいました。

(敬称略)