数学校チャンネル『紙を折る』の台本です。

数学雑学

今回のタイトルは、「紙を折る」

「紙を何回折れば、月にたどり着くでしょうか?」

 

例えば、コピー用紙のようなペラペラの紙、

折ることで、少しずつですが厚さが増していきます。

言い換えれば、折ることで、高さが高くなっていきます。

 

例えば、はじめが0.1mmとすると

1回折ると0.2mm、

2回折ると0.4mmです。

では、何回折れば、月にたどり着くでしょうか。

 

まあ、そもそも、「紙はそんなに何回も折れるのか?」という問題点もあります。

10回以上は折れないとも言われています。

ということで、実際に、チャレンジしてみました。

A4用紙。

1回目。

2回目。

3回目。

4回目。

5回目。

6回目。

7回目。

 

大きさ的にも厚さ的にもこれが、限界でした。

なかなかやっぱり、紙を何回も何回も折るのは至難の業です。

ただ、今回は、紙を何回でも折れるものとして話を進めていきます。

 

例えば、東京スカイツリー。

高さは、634mです。

何回折ればこの高さを超えられるのかというと、23回です。

23回折れば、839mで、スカイツリーを超えられます。

 

では、月は。

月までは、384、400kmです。

これは、スカイツリーの高さの約61万倍。

さあ、何回くらい折ればいいんでしょう。

 

 

実際に、Excelを使って計算してみることにしました。

1回折るごとに高さは2倍に増えていくので、計算をすれば求められます。

 

初めは、0.1mm。

1回折ると、それに×2をすればいい。

そこに、どんどん×2をしていくので、セルの右下をドラッグしてコピー。

 

7回で12.8mm。

10mmで1cmなので、ここからcmに変えます。

mmを÷10。

これで1.28cm。

 

そして、また、2倍。

どんどん2倍。

14回で163.84cm。

100cmで1mなので、ここからはmに変えます。

Cmを÷100。

これで、1.6384m。

 

また2倍。

どんどん2倍。

24回で1677m。

このあたりから高さがどんどんググッと高くなっていってますね。

スカイツリーの高さも超えました。

さあ、1000mで1kmなので、ここからはkmに変えます。

mを÷1000。

 

また、2倍する。

さらに、小数点以下が増えてきました。

おおよその値がわかればいいので、小数点以下少し消しますよ~。

そして、どんどん2倍。

 

すると、42回。

何と、42回で439804km。

これで月までの384,400kmを超えるんです。

不思議な感じですよね。

たった、42回の作業で月までたどり着いてしまうんです。

 

実は、この回数と高さの関係は指数関数と呼ばれる関係で、回数が増えれば増えるほど高さが爆発的に伸びていきます。

 

今、黄色いテープはどんどん2倍に伸びていっています。すると、あっという間に全部を表示できないくらいの長さになりました。

縮小して、その続きを考えようと思っても、あっという間に表示できなくなります。

これが、指数関数の伸びの凄さです。

だから、遠~い月までを考えようと思っても、42回程度でたどり着いてしまうわけでした。

 

 

この指数関数の関係をいかした、有名なおもしろクイズもあります。

クイズ、ある博士は、1分ごとに~・・・。

 

答えは・・・、

 

29分後です。

半分だったら、30分の半分の15分と思いがちですよね。

でも、1分ごとに2倍に増えると言うことは、逆に考えると1分前は2倍の逆なので、半分です。

ということで、1分前の29分後が、半分になる時でした。

 

このように、倍々に増えていく関係は、いろんな不思議やおもしろさを持っているのでした。

以上、今回はこれでおしまい。

ありがとうございました。