１９７０年（昭和４５年）3月2日

 

 

卒業式を終えてクラスに戻ってから

 

 

福岡県立八幡工業高校での三年間の皆勤賞を貰った

 

この間に一度も欠課、欠席、遅刻をしなかった

 

という理由で

 

 

担任の先生から貰った訳ですが、

 

私はホントは一度遅刻をしているんで皆勤賞はもらえない

 

とその時言えなかった

 

 

それは三年生のどの学期だったか覚えてないが

 

始業式か終業式の日に寝坊をして遅れて登校した

 

「三年間の皆勤賞もこれでダメになったな」　　

 

いささか、がっかりしながらクラスに来ると

 

まだホームルームが始まる前だった

 

同級生が掃除をしている時間にたどり着いた訳です

 

という事で担任の先生には私が遅刻した事に気付かれなかった

 

そのおかげで公式には、私は定刻に登校してきた事になった訳です

 

 

皆んなの前で皆勤賞を貰う時にその件を思い出しながらも

 

同級生たちも、あの時私が遅刻してきた事などおそらく覚えていないだろう

 

若干、うしろめたさは残ったが、休んだ訳じゃないし、

 

この程度なら許されるだろうと自分に好都合に考えて

 

あえて、その遅刻については担任のO先生には申告しなかった

 

 

あと、T君は一度休んだので正式には三年間の皆勤賞は出ないけれど

 

担任のO先生はT君にも皆勤賞を渡していた

 

たった一日の欠席で皆勤賞を渡さないというのも杓子定規過ぎる、O先生もそう思った

 

担任の先生が出欠の記録を見れば直ぐに分かる

 

という事は担任の判断によって、T君が休んでない事にして

 

学校の事務方に皆勤賞を請求すればOKになった

 

 

T君も皆勤賞を貰えた事で私もホッとしたんですね

 

自分の疑惑の皆勤賞が許された気分になった

 

O先生の粋な計らいに心の中ではT君よりも私の方が大きく感謝しなければ　　　と思ったな