ろぐろぐ音楽ブログ

a-kiという人間の手による、J-POPあたりをメインに色々好き勝手書いてる適当ブログ。

椎名へきる全アルバム感想②「Baby blue eyes」「Face to Face」「RIGHT BESIDE YOU」「PRECIOUS GARDEN」

2020年04月18日 16時57分37秒 | 感想・レビュー(アルバム)
5th〜8thまで。ロックに目覚めて本領発揮して、色々チャレンジしている頃ですね。
この辺の全盛期に、自分の進みたい方向性を見つけて実現できる環境にいて、そこで大きな成果を得たのが、へきる姉さんの息の長い歌手活動につながっていると思う。

1998.02.01 お気に入り度:★9
1. 風が吹く丘  2. Distance  3. 風の行方  4. 届けたい想い (Remix Version)  5. あなたの名前  6. それっていいね  7. 誰のせいでもない  8. 246  9. 純  10. Graduater  11. Infinity
青文字はお気に入り楽曲、青太文字は超お気に入りの楽曲
へきるロック、ここに確立。へきる史の中では最も重要なアルバム。ロックファンが唸るほどのトラックがおさめられているわけではないし(むしろどっちかというとポップス寄り)、歌がものすごく上手くなったわけでもないけれど、これまでのアイドルポップス感を大幅に払拭、さらには90年代前半ガールポップ感もけっこう払拭してポップスロックで統一、そしてそれがへきるボーカルとナイスな化学変化を起こしています。この、決して押しの強いわけではない声質でロックをやってくれている、その化学反応が楽しめる点だけでも個人的にはハナマルをあげたい。(まぁ、ファン以外の人からすればいろいろ意見はあるとは思いますが、ね)

前作の段階ですでにロックをやりたくて仕方なかったという へきる姉さんを満足させるロック要素も多く含みつつ(ギターの音に特にこだわっている印象)、全体的にはすごく聞きやすい仕上がりになっていて、さじ加減が絶妙。このナイスなサウンドメイキングは主に大坪稔明さん・高橋圭一さんの手腕によるもの。大坪さんは以後、ランティスに移籍するまで椎名へきるサウンドの要に。
他、編曲では亀田誠司さんの名前もあったり、演奏にはDAITAさん(ex.SIAM SHADE)も参加しています。へきる姉さん、SIAM SHADEがブレイク前から気になっていたそうで、これ以降もDAITAさんにはちょいちょいお世話になることに。
 
楽曲的にも大充実。爽やかポップ・ロック「風が吹く丘」「Graduater」、荒野の風に吹かれるイメージのシリアスロック「風の行方」、ライブの定番となったポップな人気曲「届けたい想い」もいいし、バラードの「あなたの名前」「Inifinity」もいい差し色になっているし、哀愁の出し方が絶妙に効いててかっこいい「246」「誰のせいでもない」などなど。 特に「246」は涙出るくらいの名曲。これシングルにすればよかったのに。
 
歌手としての自意識が芽生えて自分の進みたい方向性に進むことのできたへきる姉さん、気合入ってるのが歌声からもわかります。伸びとハリがでてきているというか。「Distance」のラップ?はちょっと変な方向に気合入っちゃってますがw
 
ちなみに記載はないですが、「246」はアウトロが追加されたアルバムバージョン(オリジナルは真矢with椎名へきる「漂流者」のカップリング)。この余韻がたまらないです。完成形はこっち。


1999.01.21 お気に入り度:★8.5
1. This Moment  2. fly away  3. Let me sing with soul  4. Tears  5. この世で一番大切なもの  6. あいたい  7. invisible  8. 抱きしめて  9. わからない男  10. 新しい風  11. ROLLING STONE  12. ずっと…
青文字はお気に入り楽曲、青太文字は超お気に入りの楽曲
さらにロックを追求した6th。基本的な作風はそのままに、さらに進化させていった感じのアルバム。ZARDでいえば「揺れる想い」と「OH MY LOVE」の関係と一緒。前作から続投のDAITAさんは演奏だけでなく楽曲提供でも参加するようになったのに加え、新たにLUNA SEA真矢さんも演奏に参加。へきる姉さんのボーカルスタイルも多彩になり、前作からさらにロック色を強めてます。前作では「それっていいね」みたいなアイドルっぽい曲も少しだけ混じってましたがそれも消滅して、代わりにハードさをプラスしたり激しさをプラスした曲が入っております。
ただ、個人的にはちょっとポップス要素を忘れてる曲がたまーにあるのが気になって、トータルでは前作の方が好きかなぁ。「わからない男」「invisible」あたりは、ポップスリスナーにはちょっとつかみが弱い気がするし、激しいギターがかっこよく鳴り響いたりするけど トータルではそこまで重くないのでロックリスナーには軽く思われてしまいそうな気もする。
とはいえそれでも「抱きしめて」「Tears」「新しい風」「この世で一番大切なもの」「fly away」とか名曲盛りだくさんで充実した内容なのも間違いないのです。前作よりシリアスだったり切なくメロディアスな曲調に名曲が多いのが特徴。そしてその影響で「ROLLING STONE」みたいな解放感ある曲がより映えてる。
 
ジャケ写ではトレードマークだった黒髪ロングをばっさり切ったうえ、前作よりさらにロックを推し進めてアイドル声優時代のファンを振り落したにもかかわらず、オリコン週間6位と初のTOP10入り。いわゆる全盛期ってやつですな。(売り上げ的には、前2作と大差なかったりしますが)
前作・今作とアルバム2枚でへきるロックをしっかりと会得し、この後はへきるロックを軸にしつつ緩やかに音楽性を変化させていきます。


2000.03.08 お気に入り度:★7
1. REAL LOVE  2. BESIDE YOU  3. 恋  4. G線上ロマンス  5. One  6. 海になれるよ  7. my starship −夢の飛行船−  8. Thousands of stars  9. RIDE A WAVE  10. −赤い華− You're gonna change to the flower (Album Version)
青文字はお気に入り楽曲、青太文字は超お気に入りの楽曲
オリコン6位を獲得した前作の後、「Everlasting train~終わりなき旅人~」「赤い華 -You're gonna change to the flower-」とシングルでも自己最大ヒットを記録して勢いに乗った・・・と思いきや、その後に出した明石昌夫サウンドプロデュースの先行シングル「BESIDE YOU」でなぜか失速、続いてリリースされたアルバムの売り上げもちょっと低迷。リアルタイムで追っていないので その理由が何なのかはっきりとはわかりませんが、後追いでアルバム聞いた範囲で想像できるのは「方向性に迷いが出たから」。シングル展開は打ち込み色が強めになり、先行シングル「BESIDE YOU」でデジロックに移行、と思いきや「BESIDE YOU」がアルバム中では異色作になってしまっていて、ほかの曲は前アルバムでやっていたようなロックでもなく、かといってすごい新機軸でもなく、なんとなく迷いが見える。
 
作家陣はほぼ一新されていて、森高千里でおなじみ斉藤英夫さん、UCO+吉見=Funtaさん、TUBE前田さん・春畑さんのPIPELINE PROJECT、メロン記念日「This is 運命」でおなじみ新堂敦士さんらが参加。前作・前々作で大活躍の大坪稔明さんやDAITAさん、上野浩司さんらの登板はナシなので、印象が結構違います。割とシンセサウンドの飾り付け音色も多かった前作までと比べると シンプルなバンドサウンドがメインの曲が多くなってる感じ。でも一通り流し聞きして印象に残るのは、アルバムでは異色作のデジタルロックサウンド「BESIDE YOU」「赤い華(Album version)」という・・・。
この辺のちぐはぐ感のせいで最初あまり聞いてなかったんですが、改めて聞いてみると アルバムを象徴する1曲がないのと 統一感がないだけで、曲自体は粒ぞろいで結構いいのよね。ライブの定番「One」もあるし、終始鳴り響くギターサウンドが爽快でナイスな「RIDE A WAVE」もいいし、「海になれるよ」「Thousands of stars」みたいなゆったり余韻をかみしめるロックバラードもへきる姉さんには珍しいけど似合ってるし。
そして何より「BESIDE YOU」は高速デジタルサウンドに速弾きギターと勢いあるメロディがかっちょいい傑作なのです。全曲この路線でアルバム1枚作って欲しかったなぁ。
 
20周年記念本のインタビューによると、このアルバム製作時はソニーレコードの人事異動の都合でディレクターが入れ代わり立ち代わりだったという主旨のことを話していて、作風に統一感がない理由がわかってスッキリしましたw
・・・・けど、よくよく考えると、つまり、前作までにあった登り調子の全盛期がソニーレコードの人事異動の都合で終わってしまったとも、考えられるわけで。展開次第ではもうちょいうまくやれた気もするので、ちょっともったいなかったかもね。
 

2001.02.07 お気に入り度:★9
1. be yourself  2. discovery  3. Love Graduation  4. live to love -もう少し早く逢えたなら-  5. Still  6. あなたも知らない恋の果てに  7. 裸のプリンセスマーメイド  8. MOON  9. Dive into you  10. Chance!  11. 大切なページ
青文字はお気に入り楽曲、青太文字は超お気に入りの楽曲
作風バラバラだった前作を反省して、狙いをきちんと定めて作ったアルバムがこれ。前作ではスポット参戦だった明石昌夫さんがサウンドプロデューサーとしてアルバムに全面参戦。そしてなんといっても注目は椎名へきる作曲6曲収録。それでいて傑作ときてるんだから、まぁ驚き。
サウンドとしては随所でエレキギターと音量大き目ドラムがずっしり鳴り響くロック、だけどビーイング的なキラキラ音色を適度にまぶしているからちゃんと聞きやすいという、明石さんさすがのナイスなプロデュースワークでございます。
椎名へきる作曲曲はどれも出色の出来栄え。「discovery」1曲だけでもこのアルバム大勝利。疾走感あふれるキャッチーで素敵なロックで、これは本当シングルでも余裕でいけた曲。他にも「Dive into you」「be yourself」などの耳を惹くアップテンポから、変則メロディがクセになる「Still」や、「MOON」みたいなミスティックなバラードまで作っております。「Chance!」だけちょっと落ちるかなーという気はしますが、トータル的には初期衝動にまかせて好きなように作ったのが結果いい方向に転んでるかなと。もちろん明石昌夫さんの手腕によるところも大きいとは思いますが。
 
へきる姉さん作曲以外にも、キラキラアレンジと綺麗なメロディのマッチングが最高な失恋ミディアム「Love Graduation」、疾走ロック「live to love-もう少し早く逢えたなら-」、大団円のじんわりくるバラード「大切なページ」(イントロがT-BOLAN「Bye for now」にそっくり!)のシングルたちがしっかりと要所要所で支えてくれています。特に「Love Graduation」はホントに名曲。せつなくて胸キュンキュンする。作曲はZARD「遠い日のNostalgia」と同じ人(望月衛介さん)。
 
へきる姉さんが好きに作ったところの多いアルバムにもかかわらず、アルバムの売り上げは前作より上昇。よかったねへきる姉さん。
 
このアルバムだけこんなに作曲:椎名へきるが多い理由は、いつもならスタッフがボツにしていたへきる姉さん作成のデモを、明石さんに聞かせてみたら全部いい感じに汲み取ってくれてアレンジしてくれたから、ということのようで。 
本当はもっと明石さんサウンドプロデュースでやりたかったらしいですが、スケジュール等いろいろ都合が合わなかったようで、結局アルバムはこれ1枚のみ。
もう1枚くらいこの路線あってもよかったなぁ。


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2 コメント

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Unknown (ゅぅゃ)
2020-04-19 18:50:06
今回も素敵なブログありがとうございます
まさか、この時代に2000年頃のへきるさんのCDの
レビューが読めるとは・・・感謝しかありません。
この頃、声優アイドルからアーティスト路線に
舵を切りライブでもPPPHやコールが少なくなり
離れていったファンもいましたね・・・。
確かに、空想メトロで「LOVEラブリーへきる!」って
叫ぶのは楽しかったですし・・・。
当時はもちろんSNSは無く、BBSが主力な情報源
だったけど荒れてたもんなぁ。
でも、へきるさんのやりたい音楽を突き進めた結果、
本当にへきるさんの音楽が好きなファンだけが残り
今も定期的にライブが出来てるんだと思う。
この4枚の頃の楽曲たちはホント魅力的! 

sadistic pink以降のブログも期待してます。
コメントありがとうございます! (a-ki)
2020-04-19 23:13:37
今でこそ初期曲をライブで振り付きでやるときもありますけど、当時は割とガラッと舵を切った感じだったんですね。
まぁ、若さゆえの頑固なところが強かったというのもあるんでしょうかね。
それゆえに去っていったファンもいたのでしょうが、結果的には息の長い歌手活動につながった感じはしますね。

そうか、当時はBBSがあったんですね。ファン同士の争いという意味ではSNSより荒れやすいのかもしれない…。

この時期は本当に全盛期かつやりたいことをできている感じがぴったりハマっていて、豪華ですよね。

次作以降も頑張って書くので、見ていただけると幸いですー。

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