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一般常識

「掛かる」「懸かる」「架かる」「係る」の意味と違い

「掛かる」「懸かる」「架かる」「係る」の意味と違い

「掛かる」「懸かる」「架かる」「係る」の意味と違い

「かかる」という言葉は日常で頻繁に使われますが、複数の漢字表記があることから、文章にする場合はどの漢字を当てるかで悩みやすくなっています。「掛かる」「懸かる」「架かる」「係る」の4つが代表的ですが、これらはどのように使い分けられるのでしょうか。具体的なポイントが知りたいところです。

今回は、「掛かる」「懸かる」「架かる」「係る」の意味や違いについて詳しく解説していきますので、これらの使い分けについて知りたい方は、参考にしてみてください。

「掛かる」

掛かる

「掛かる」とは、「上が固定された状態で、高い所からぶら下がる」という意味の言葉です。「壁に掛かっているのは、自作の油絵だ」「この部屋にはカーテンが掛かっていない」のように使われます。また、「高い所に位置する」の意味や、「高い所にかかげられる」の意味もあり、それぞれ「月が中天に掛かる」「高札が掛かる」のように使われます。このほかに、「他から作用・動作が及ぶ」「何かが心にしっかりと付いてその状態にとどまる」の意味などもあります。

「掛」の字は、「手で物をひっかける」や「心に留める」などの意味を表しています。

「懸かる」や「架かる」などとの違いは、「かかる」の漢字表記として一般的に用いられる点にあります。他の表記は使われる場面が限られますが、「掛かる」の場合は幅広く使える点が特徴となっています。ですので、使い分けに迷った場合は、「掛かる」かもしくはひらがなを使うのが無難です。

「懸かる」

懸かる

「懸かる」とは、「中空にある」という意味の言葉です。「夜空に月が懸かる」のように使われます。また、「重大な結果につながる」という意味もあり、「優勝の懸かったゲーム」「このテストに人生が懸かっていると言っても過言ではない」のように使われます。

「懸かる」の「懸」という字は、「つり下げる」「ひっかける」「かかげる」や、「(心に)とどめる」などの意味を表します。

「掛かる」との違いは、上で述べたように、使われ方が限定される点にあります。「掛かる」の用法は多様ですが、「懸かる」の場合は、「中空にある」や「重大な結果につながる」の意味でしか使われません。ですので、「期待が懸かる」と表現するのはOKですが、「腰を懸ける」と表現するのは、間違いということになります。

「架かる」

架かる

「架かる」とは、「一方から他方へわたす」という意味の言葉です。ある物が、一方から他方へまたぐようにわたされることを言います。「峡谷に吊り橋が架かる」「道路に架かった歩道橋を渡る」「ビルとビルの間に連絡通路が架かっている」のように使われます。

「架かる」の「架」という字は、「物をのせる平らな台」や「室内で衣類などをかけておく道具」の意味の他に、「物がこちら側の高い所から、向こう側の高い所へわたって固定される」の意味も持ちます。

「架かる」もまた使い方が限定されますが、「懸かる」とは使われる場面が違います。「架かる」の場合は、橋や通路などの物を、一方から他方へわたす際にのみ使われるようになっています。ですので、「はしごが架かる」という表現はされても、「高札が架かる」などといった表現はされません。

「係る」

係る

「係る」とは、「関係する」という意味の言葉です。物事がかかわることや、重要なところに関係を持つことを指します。「申請に係る事務」「人の生死に係る問題」などのように使われます。また、「文章中のある語句の文法上の働きが、あとの他の語句と関係を持つ」の意味もあり、この場合は「“青い空”の“青い”は、形容詞として“空”に係る」のように使われます。

「係」の字は、「かかわる」や「つながる」、「関係がある」などの意味を持ちます。

このように、「係る」も使われる場面が限定されます。主に「関係する」の意味で使われるのが、「掛かる」や「懸かる」との違いです。ですので、「人命に係る話」という表現はできますが、「橋が係る」などといった表現はできないことになります。

「掛かる」「懸かる」「架かる」「係る」の意味と違い

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