「クーポンの期限は今日まで」「気に入らなければ全額返金」──。あまり興味関心がなかった商品にもかかわらず、つい買ってしまう。このようなエピソードの背景には、売り手の「計算」がある。人間は必ずしも合理的に考えたり、行動したりしない。こうした心理の仕組みは近年、「行動経済学」として理論化され、再現性の高いマーケティング手法として実用が進む。いわば本能に働きかけるマーケティングだ。公共分野にも応用され、社会の新たな常識になりつつある。ビジネスパーソンにとって必須の素養ともいえる進化する「本能マーケティング」を、今こそ学ぼう。(イラスト=DrAfter123/Getty Images)

(三田 敬大、佐藤 嘉彦、生田 弦己)

CONTENTS

PROLOGUE
NTTドコモ、三陽商会が挑む
「そっと後押し」が生む新サービス

PART1
「未完成のパン」が“謎ヒット”
読み解く鍵は「不便益」

COLUMN
ネタバレ上等!
タイガースファンも大爆笑のオモロイ「仕掛学」

PART2
行動経済学の基礎知識
本能をゆさぶる4つの法則

実践シミュレーションで体得しよう
今日から使える行動経済学

COLUMN
「ステマ」でイメージ悪化も……
本能マーケの失敗を防ぐ5カ条とは

PART3
国や自治体も活用
本能マーケティングは社会を変える礎に

日経ビジネス2022年5月23日号 8~9ページより目次