通信会社からビジョン・ファンドを核とする投資会社に姿を変えたソフトバンクグループ。2020年度に5兆円という空前の利益をたたき出し、いよいよ軌道に乗るかと思われたが、中国経済の統制強化、金融緩和の正常化など、逆風がにわかに激しくなってきた。それでも「資本家・孫正義」が見つめる未来は変わらない。世界中のユニコーンを束ね、人工知能(AI)がもたらす情報革命の担い手になることを目指す。巨大ファンドをどう運営し、世界をどう変えようとしているのか。知られざる内幕に迫った。(写真:村田 和聡)
シリーズ
孫正義の「資本論」 巨大ファンドの内幕
全9回
「まだ1合目」 資本家・孫正義の見る未来
数々の逆境を大胆な決断と事業の変身で乗り越えてきた孫正義氏とソフトバンクグループ。米中対立、さらには金融緩和の正常化という逆風が吹く中、「投資会社」に転機が訪れている。孫正義会長兼社長の胸中はいかに。
孫正義vs起業家「深夜の30分1本勝負」 判断間違えば数百億円失う
世界が注目するソフトバンク・ビジョン・ファンドはどのようにして出資先を決めているのか。これまで謎に包まれていたそのプロセスに迫る。
門外不出の15カ年計画 孫正義氏は「本気だから毎週見直す」
ソフトバンクグループには、外部に公開していない「15カ年計画」がある。その内容は秘密だが、驚くべきことにその内容を、孫正義会長兼社長ら幹部が集まり、毎週見直しているという。
ドバイとボストンで見た金の卵 孫正義氏が描く「群戦略」の主役たち
AIユニコーンへを束ねる「資本家」として孫正義氏が思い描く理想像が、出資先の企業ががゆるやかに連携しながら価値を高めあう「群戦略」だ。その担い手となるスタートアップの現場では、何が起こっているのか。
PayPayの源流はインドに 現地で見つけた「Yahoo!BB方式」
日本国内のスマホ決済市場で頭一つ抜け出した「PayPay」を、孫正義氏はシナジーが生まれた先行事例として挙げる。その原点はインドにあった。
ビジョン・ファンド日本上陸の余波 起業家の目を覚ますか
ソフトバンク・ビジョン・ファンドの投資先のポートフォリオが大きく変わりつつある。2021年10月に国内で初めてとなる案件を決め、いよいよ投資活動を本格化させる。世界へといざなう水先案内人の登場で、起業家の目は覚めるのか。
孫正義氏インタビュー「未来をつくるため、いかがわしくあり続ける」
ソフトバンク起業から40年、300年企業への道のりはまだ始まったばかりという。業績は「冬の嵐」の真っただ中だが、資本家として人類の未来をつくる決意は揺るがない。「60代引退宣言」も撤回し、当面は最前線に立ち続ける。
ビジョン・ファンド運営責任者ミスラ氏「私は孫さんより悲観的」
孫正義氏と二人三脚で巨大ファンドを立ち上げた投資戦略のキーマンが、ロンドンでの単独取材に応じた。表舞台にはほとんど姿を見せないミスラ氏は、ソフトバンクグループとファンドの未来をどう描いているのか。
「今は自由演技。撃ち方やめもできる」 ソフトバンクG・後藤CFO
ソフトバンクGの世界で類を見ない巨大ユニコーン投資ファンドの「財布」をどう切り盛りするか。ファンドからの分配が増え、流動性の高い資産を抱えることで「自走」できるようになることがポイントという。
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