日本企業には、新しい製品を世界に先駆けて創り出す発明力がない――。ITや家電分野で海外企業の存在感が増したこの10年、そんな見方がすっかり定着した。
だが1990年代以降、世界を席巻した「世紀の発明」には、“日本発”が数多く含まれている。日経ビジネスは「この先、世界から絶対に必要とされる商品」などを紹介し、7月4日号で「本当は凄い ニッポンの発明力」として特集した。
大企業出身の技術者たちへの取材を通じ、日本の研究開発力が今まで真価を発揮できなかった理由や、この国に求められる「宝の種を育て上げる力」に改めて迫ってみた。
シリーズ
本当は凄い ニッポンの発明力 必ず作れる!世界が欲しがる商品18
完結
全3回 完結
3Dプリンターで特許を逃した僕の「失策と教訓」
日本が先行して発明していながら、重要性に気付かないまま放置し、他国に成長市場を握られた技術は少なくない。その中でも、特に将来性が期待されるのが3Dプリンターだ。発明者・小玉秀男氏は、自らの「失策」を次世代の研究者への「教訓」にしてほしいと話す。
宝の種を育て上げる同族企業の魅力
日本に不足する「宝の種を育て上げる力」。この力を比較的持つとされるのが、創業家などが歴代の経営トップを担う「同族企業」だ。2社を例に、その取り組みに迫った。
発明が好きすぎて大企業を飛び出した人たち
自ら考えたアイデアをもって大企業を飛び出し起業する人が増えている。なぜ社内にとどまり実現しなかったのか。その理由から日本企業内の発明を生み出す阻害要因が見えてきた。