ものづくり補助金の採択成果事例集|採択例から学んで採択率を上げよう!

category :  EC売上UP

update :  2023/02/06(月)

staff :  nakahara

ものづくり補助金は、設備投資を通じて生産性アップを目指す、中小企業・小規模事業者向けの補助金です。すでに14回の公募が実施され、製造業をはじめ、様々な業種の事業者が申請しています。

そんなものづくり補助金は「応募者の40%が採択されない」ことをご存知ですか。

そこで今回は、ものづくり補助金の成功事例を業種別にご紹介。成功事例から学び、採択率アップを目指しましょう。

ものづくり補助金に採択されるには過去の事例を読み込んで学ぶ

新商品・新サービスの開発や、生産プロセスの改善をサポートする「ものづくり補助金」。毎回、数千件の応募がある人気制度です。

一方、近年の採択率は60%前後のため「10件のうち4件は不採択」になっています。

不採択を避ける方法は複数ありますが、その1つが「実際に採択された事例を知ること」です。

ものづくり補助金の採択事例

ものづくり補助金の採択事例

新商品・新サービス・生産プロセスの改善方法で、良いアイデアが浮かんだとしても「補助金の対象として認められるか」は、不安になることでしょう。

もし過去に類似の事例が採択されていれば、 採択の望みがあると判断できます。

一方、過去に類似の採択事例が全くなければ、より慎重に事業計画を立てなければなりません。

確信を持って、より良い事業計画を立案するためにも、具体的な採択事例や評価されたポイントを知ることは不可欠といえるでしょう。

採択結果で採択一覧を確認できる

ものづくり補助金の採択一覧は、制度の公式ホームページである「ものづくり補助金総合サイト」の「もの補助補助実例検索」から閲覧することができます。

キーワード検索ほか、詳細検索では「都道府県、業種、技術分野、年度」が細かく設定できるため、自身のアイデアと類似する採択事例を調べるのに便利です。

グッドプラクティス集で具体的な事例を確認できる

さらに、制度の公式ホームページである「ものづくり補助金総合サイト」では「グッドプラクティス集」を公開しています。

採択結果には、事業概要のみの記載ですが「グッドプラクティス集」には、より詳しい事業内容が記載されています。

「グッドプラクティス集」は採択された事業の中から「優れた取組」だけを集めた資料で、どのような点が高く評価されたかがよくわかるため、参考になる部分も多いです。

ものづくり補助金を申請する事業者であれば「一読の価値がある資料」と言えるでしょう。

 事例

ここからは、ものづくり補助金に採択された実際の事例を、業種別にご紹介します。

ものづくり補助金は、製造業者からの申請が非常に多いものの、製造業以外の様々な業種も、多様な事業計画で採択されていることがお分かりいただけるでしょう。

飲食店の事例

北海道の「料理宿 宮寿司」は平成11年に開業し、寿司店や民宿を営みながら惣菜などを販売しています。

地域振興の一環で開発を進めていた、地元名産のアスパラガスを使った「アスパラドレッシング」の販売促進と、原料であるアスパラガスの安定供給を目的に制度を活用しました。

制度を活用し、設備環境を整えた結果、収穫したアスパラガスの鮮度を保った状態での保存が可能となったことで、保存料のいらない安全・高品質な「アスパラドレッシング」の生産が通年で行えるようになり、売り上げ増につながりました。

この他にも「地域資源循環型ビジネスにつながる、そば殻由来のバイオコークス燃料の開発・販売」「安定的に旬の寿司ネタを提供するための、氷温熟成解凍システムづくり」などの活用事例があります。

スーパーの事例

岡山県の「まからずやストアー」は昭和48年に創業した食料品店です。平成5年より惣菜専門店を立ち上げ、お弁当や惣菜も販売しています。

自社のブランド力強化と売上向上のため、地域の名産である牡蠣を使った「お好み焼き」などを冷凍食品として製造・販売するため、制度を活用しました。

その結果「牡蠣入りお好み焼き」「寄島牡蠣めし」などの商品開発につながり、大手百貨店やアンテナショップとの取引も増加。岡山県商工連合会より地域ブランド認定を受けることもできました。

この他にも「顧客満足度アップを目的とした、惣菜を設備の導入・惣菜センター開設」などの活用事例があります。

 食品加工の事例

新潟県の「有限会社笹川流れ観光汽船」は、遊覧船事業をメインに魚介類の加工・販売も手がけます。

観光ブランド力の強化と収益の安定を目的に「骨まで丸ごと食べてもらえる地魚の加工商品づくり」を目的に制度を活用しました。

その結果、 新商品「笹川流れ 秘伝スモーク・極み干し」の開発・販売につながり、売上も順調に伸び、さらなる地域ブランドの確立・地域活性化に乗り出しています。

この他にも「自社の健康食品の海外需要拡大を目的とする、素材開発に関する設備投資」「品質の安定・量産化と新商品の開発を目的とした、蜜漬け機の導入」などの活用事例があります。

 歯科医院の事例

埼玉県にある「むさしの歯科」は平成16年に開業した歯科医院です。

歯科治療をする中で、病巣部位をデジタル機器で見える化し、地域住民の健康増進を図る目的で制度を活用しました。

その結果、医院にCT装置を導入することができ、従来のレントゲンだけでは捉えきれなかった病巣の確認能力が向上。歯周病などの治療を格段に進歩させることに成功しました。同時に、患者の通院回数も減らすことができ、医療費削減にも寄与しています。

この他にも「地域歯科医療への貢献を目的とした先進医療の歯冠補綴物製作装置の導入」「インプラント治療時短化の実現を目的とした歯科用CT導入」などの活用事例があります。

 薬局の事例

福島県にある「有限会社フジ薬局」は平成3年に開業した調剤薬局です。

地域に住む高齢者の健康管理を行うために、かかりつけ薬局と介護・医療機関が連携した包括的サービスが提供できるよう、ICTインフラ環境整備を目的に制度を活用しました。

その結果、自社の調剤薬局部門と新たに立ち上げた介護部門で、パソコン・タブレットを通した情報共有が可能となり、異変があった際のスピーディーな対応が取れるようになりました。また、高齢者1人1人への適切なアドバイスや、服薬指導など、質の高いサービス提供が可能となっています。

この他にも「施設入所者の健康管理を目的とした漢方薬の煎じサービス及びハーブ入浴剤の開発機器の導入」などの活用事例があります。

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理容室の事例

神奈川県にある「ハッピーバーバー マツノ」は昭和23年に開業した老舗の理容室です。

大正時代に建てられた建物の老朽化が目立っていたため、店舗のリニューアルと新機器導入による「新規顧客獲得・利用者満足度の向上」を目的に制度を利用しました。

その結果、新たに「炭酸システム設備」の導入で理容メニュー内容が充実。理容メニューに付加価値が生まれ、5,000円以上の客単価を実現しています。

この他にも「過疎地に住む住民のコミュニティー作りを目的とする、移動福祉美容車の改造事業」「新たなビジネスモデルの展開を目的とする、訪問理美容における潜在的有資格者の活用」などの活用事例があります。

エステサロンの事例

沖縄県にある「株式会社アイリスエステサロン」は昭和63年に開業したエステサロンです。

ターゲットとしている中高年の利用者に向けて、健康維持のための新たなサービス提供を提供すべく、機器導入の目的で制度を活用しました。

その結果、使い勝手の良い最新機器の導入により、経験年数の浅いスタッフの技術習得スピードが向上。さらに、以前よりも施術時間が短縮され、生産性のアップとともに、低価格でのサービス提供を図ることができました。

この他にも「顧客満足度向上を目的とした、肌と環境に配慮した美容道具・化粧品の開発」などの活用事例があります。

農業の事例

静岡県にある「松下農園」はミニトマトのハウス液肥栽培農家です。

ミニトマトの品質向上・ブランディング強化と年間を通じた安定供給が行えるよう、環境制御のための機械導入目的で制度を利用しました。

その結果、ミニトマトの収穫量・品質が向上し、取引先のスーパーマーケットなどから取引量増加を提案されました。また、事業計画書作成を通して、自身の農園の強みや特色を深く理解し、第三者に対してさらに松下農園の魅力を発信することが可能となりました。

この他にも「ニーズに応じた供給体制の確立を目的とする、茨城特産の干し芋の加工技術開発」「完全無添加100%ジュースの試作・開発を目的とした、独自の加熱・冷却処理装置の導入」などの活用事例があります。

畜産業の事例

北海道にある「有限会社伊藤畜産」は平成10年に開業し、牧場運営ほか、肉や生乳の販売や牧場内にあるレストラン営業を通じて、酪農の魅力を伝えています。

レストランで提供する高品質な原料を、品質を下げずにストックできるよう、新たなストック設備(大型冷蔵庫)を導入する目的で制度を活用しました。

その結果、生産・加工体制の強化につながり、一部商品は根室市のふるさと納税の返礼品に選ばれました。アイデアを実現できる体制が整ったことで、新商品開発の実現がしやすくなり、事業の安定化を図ることができています。

この他にも「地域の子供たちに向けた地元酪農家による、自社生乳を使った新商品開発」などの事例があります。

金属加工の事例

大阪府にある「福地金属株式会社」は、冷間鍛造による金属部品加工をしている会社です。

金型内製化に必要なマシニングセンターの導入を目的として、制度を利用しました。

その結果、短納期での金属加工も対応可能となりました。現在は、短納期でより複雑かつ高度な加工を実現すべく、体制作りや技能継承チームも立ち上げ、技術力アップによる企業価値の向上を図っています。

この他にも「生産性と品質の向上を目的とする、高機能溶接ロボットの導入」「生産能力拡大と顧客ニーズ対応を目的とする、高精度両頭フライス盤導入」などの活用事例があります。

 整骨院の事例

大分県にある「やよい整骨院」は平成23年に開業した、スポーツ愛好者も多く通う整骨院です。

スポーツ障害リスクを科学的に診断するための、超音波スクリーニング機器導入を目的として、制度を利用しました。

その結果、組織の損傷度を可視化することができ、科学的エビデンスの高い治療技術の提供が可能となりました。大分県内に、同様の設備を持つ同業者は少なく、差別化を図ることにも成功しました。

 情報サービス業の事例

北海道にある「アイ・ティ・エス株式会社」は昭和62年に開業した医療機器向けシステムの販売・開発を主に行う会社です。

以前から新たな自社商品開発を目指していましたが「IT活用による病院の待ち時間短縮システム」を開発する目的で、制度を活用しました。

その結果、多様なOSに対応し、自社で提供している既存の電子カルテや医療会計システムとの連携も可能な商品開発をスタート。 新規顧客開拓が期待できる状況となっています。

この他にも「食品業界へ向けてIoT技術と自動制御を組込んだ撹拌装置の開発」「高齢者の外出支援目的のための、デイサービス送迎配車支援システムの開発」などの活用事例があります。

雑貨店の事例

京都府にある「株式会社アート・ラボ」は、平成3年に開業したルームフレグランスを中心とした雑貨の製造・販売を行う会社です。

自社の生産ライン確立を目的に、制度を活用しました。

その結果、需要の増減に合わせた対応もしやすくなり、新たに「個体香料」の製造・開発・加工・販売にもつながりました。

また、外部業者に生産を委託する必要がなくなったため、自社技術の模倣防止にも寄与しています。

この他にも「顧客ニーズに合わせた対応を可能にする、独自の在庫管理システムの開発・導入」などの活用事例があります。

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まとめ

採択事例を知ることは、採択率アップを目指す上で役立ちます。

ものづくり補助金の採択一覧は、公式ホームページ「ものづくり補助金総合サイト」の「もの補助補助実例検索」から閲覧することが可能です。

自身の事業計画と類似の採択事例があるか、調べることができます。

また、「ものづくり補助金総合サイト」では「グッドプラクティス集」も公開されており、高評価を受けた事例と、評価のポイントを知ることができるため、一読の価値があります。

本記事で紹介した事例ほか「もの補助補助実例検索」「グッドプラクティス集」から学びつつ、 審査員の心をつかむ事業計画の立案を目指してください。

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