調剤薬局

服用薬剤調整支援料2について

こんにちは!あんでぃです。

今回は服用薬剤調整支援料2について紹介したいと思います。

服用薬剤調整支援料2とは

服用薬剤調整支援料は平成30年4月に新設されたもので、令和2年度の調剤報酬改定により、現行の「服用薬剤調整支援料1」と新設の「服用薬剤調整支援料2」の2つに分けられた。

令和2年度に新設された服用薬剤調整支援料2は複数の保健医療機関から6種類以上の内服薬(特に規定するものを除く。)が処方されていたものについて、患者又はその家族等の求めに応じ、当該患者が服用中の薬剤について、一元的に把握した結果、重複投薬等が確認された場合であって、処方医に対して、保険薬剤師が当該重複投薬等の解消に係る提案を文章を用いて行った場合に、3月に1回に限り所定点数を算定する。

服用薬剤調整支援料2点数
イ 別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険薬局において行った場合110点
ロ イ以外の場合90点

イ別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険薬局:過去1年に1回以上、服用薬剤調整支援料1に該当する実績がある薬局(服用薬剤調整支援料を算定していなくても薬歴で相当の業務を行ったことがわかれば算定可能

服用薬剤調整支援料2の算定要件

服用薬剤調整支援料2の算定要件になります。

ア 服用薬剤調整支援料2は、複数の保険医療機関から内服薬が合計で6種類以上処方されている患者に対して、患者若しくはその家族等の求めに応じて、保険薬局の保険薬剤師が、重複投薬等の解消のために以下の取組を全て行った場合に算定する。なお、詳細な施設基準については、「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)」を参照すること。

 (イ)患者の服用薬について、手帳の確認、患者への聞き取り又は他の保険薬局若しくは保険医療機関への聞き取り等により、一元的に把握すること。なお、同種・同効薬が処方されている場合は、必要に応じて処方の背景を処方医又は患者若しくはその家族等にかくにんすること。

 (ロ)重複投薬等のおそれがある場合には、重複投薬等の解消に係る提案を検討し、当該提案及び(イ)の内容を記載した報告書を作成し、処方医に対して送付すること。

イ 内服薬の種類数の考え方は、服用薬剤調整支援料1に準ずる。また、6種類以上の内服薬について、少なくとも1種類は当該保険薬局で調剤されている必要がある。

ウ アの(ロ)の報告書は以下の内容を含む別紙様式3又はこれに準ずるものをいう。

 (イ)受診中の保険医療機関、診療料等に関する情報

 (ロ)服用中の薬剤の一覧

 (ハ)重複投薬等に関する状況

 (ニ)副作用のおそれがある患者の症状及び関連する薬剤

 (ホ)その他(残薬、その他患者への聞き取り状況等)

エ 「重複投薬等の解消に係る提案」とは、重複投薬の状況や副作用の可能性等を踏まえ、患者に処方される薬剤の種類数の減少に係る提案をいう。この場合において、当該文書の写しを薬剤服用歴等に添付する等の方法により保存しておくこと。

オ 重複投薬等の解消に係る提案を行う場合、患者の希望、かかりつけ医の有無及び処方開始日等について十分な聞き取りを行った上で、処方内容の見直しを依頼する処方医に対して報告書を送付すること。

カ 処方内容の見直し状況について患者の次回以降の来局時に確認すること。

キ 当該加算の算定に係る保健医療機関、患者又はその家族等への情報提供については、服薬情報等提供料を別途算定できない。

別添3 調剤報酬点数表に関する事項|厚生労働省

服用薬剤調整支援料2のポイント

服用薬剤調整支援料2のポイントについてです。

算定のポイント

・患者若しくはその家族等の求めである。

複数の保険医療機関から内服薬が合計で6種類以上処方されている

・患者の服用薬を一元的に把握する。

・重複投薬等の解消に係る提案を作成し、報告書を処方医に対して送付する。

・種類数・・・屯服薬、浸煎薬、湯薬は含めない。錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤及び液剤については、1銘柄ごとに1種類。

・内服薬について、少なくとも1種類は当該保険薬局で調剤されている。

・過去1年の服用薬剤調整支援料1の実績で点数が変わる。(算定していなくても相当の業務を行ったことがわかれば算定可能)

レセプト摘要欄のコメント記載

提案を行った全ての保険医療機関の名称を記載すること。

レセプト電算処理システム用コード左記コードによるレセプト表示文言
830100444提案を行った保健医療機関名;✱✱✱✱✱✱

レセプト請求時に忘れずにコメント記載をして請求しましょう。返戻対象になります。

服用薬剤調整支援料1と2の違いについて

服用薬剤調整支援料には、「服用薬剤調整支援料1」と「服用薬剤調整支援料2」があります。

服用薬剤調整支援料1服用薬剤調整支援料2
点数125点110点(実績あり)、90点(実績なし)
算定間隔月1回3月に1回
算定要件・当該患者の意向。
・服用期間4週間以上、内服薬が6種類以上。
・2種類以上減薬し、4週間以上継続。
・結果が必要。
・患者若しくはその家族等の求め。
・複数の保険医療機関から6種類以上。
・提案による算定。

服用薬剤調整支援料1について詳しくはこちらをご覧ください。

疑義解釈(Q&A)

Q 重複投薬等の解消に係る提案を行い、服用薬剤調整支援料2を算定した後に、当該提案により2種類の薬剤が減少して服用薬剤調整支援料1の要件をみたした場合には、服用薬剤調整支援料1も算定できるか。

A 算定できない。

(令2.3.31 医療課事務連絡「調剤」問15)

Q 同一患者について、同一月内に複数の医療機関に対して重複投薬等の解消に係る提案を行った場合、提案を行った医療機関ごとに服用薬剤調整支援料2を算定できるか。

A 同一月内に複数の医療機関に対して提案を行った場合でも、同一患者について算定できるのは1回までである。

(令2.3.31 医療課事務連絡「調剤」問16)

Q 医療機関Aに重複投薬等の解消に係る提案を行って服用薬剤調整支援料2を算定し、その翌月に医療機関Bに他の重複投薬等の解消に係る提案を行った場合、服用薬剤調整支援料2を算定できるか。

A 服用薬剤調整支援料2の算定は患者ごとに3月に1回までであり、算定できない。

(令2.3.31 医療課事務連絡「調剤」問17)

Q 保険薬局が重複投薬等の解消に係る提案に係る提案を行ったものの状況に変更がなく、3月後に同一内容で再度提案を行った場合に服用薬剤調整支援料2を算定できるか。

A 同一内容の場合は算定できない。

(令2.3.31 医療課事務連絡「調剤」問18)

Q 医療機関に提供する患者の重複投薬等に係る報告書における「現在服用中の薬剤の一覧」については、一覧表に記載することに代えて手帳の写しを添付することで差し支えないか。

A 患者が服用中の全ての薬剤を容易に把握できる一覧を作成することが目的であることから、手帳の写しの添付では不十分である。このため、要件は満たさない。

(令2.4.16 医療課事務連絡(その5) 別添 問5)

最後に

今回は服用薬剤調整支援料の「服用薬剤調整支援料2」についてでした。

服用薬剤調整支援料2は服用薬剤調整支援料1に比べると比較的算定しやすい方だと思います。ただし、私の働く薬局では重複投薬等の提案の前に「重複投薬・相互作用等防止加算」で算定してしまうケースが多く、「算定するのは少し難しいかもしれない。」という薬剤師さんの話でした。

2022年の調剤報酬改定で新設された「調剤管理加算」は、服用薬剤調整支援料を1回以上算定する必要があります。服用薬剤調整支援料1、2は算定するのが少し難しいと思いますが、算定できた時の恩恵は非常に大きいと思います。

薬局や会社によって、加算への考え方や解釈が異なったりすると思いますが、少しでも皆さんのお役に立てれば嬉しいです。

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皆さんを調剤事務員としてステップアップできればと思います。

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