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人々に共感を巻き起こすための心のスイッチ

目的に賛成し、理屈に納得しても、人は行動や習慣を変えません。
新商品やサービス、プロモーションを成功させるには、人々の共感を巻き起こすことが必要です。
では、どうすれば人々の共感を呼ぶことができるのでしょうか。

それを明らかにすべく、TwitterやWebサーベイで膨大なn=1の共感に関する定性情報を収集し、共感スイッチとも言えるインサイトを分析しました。そして、明らかになった共感スイッチを11に体系化し“共感フラワー”としてビジュアライズしました。その内容を一部ご紹介します。

人々に共感を巻き起こすための心のスイッチ
共感フラワー

分析を通じて分かったことは、社会の変化で生まれた人々の願望が共感を呼び起こす要因となっていることです。いま自分が求めているが実現できていない願望が、共感を生みだす原動力になってます。
では、【純粋】という共感スイッチを取り上げてみましょう。

この共感スイッチにつながる願望としては「ありのままの姿を取り戻したい」「飾り気のない自分を表現したい」といったものが挙げられます。
この願望を生み出している社会背景としては「勝ち組or負け組に分けられる資本主義社会」というものです。

この社会背景におけるネガティブ感情として「社会一般的な妥協を強いられ、リスクを取れない自分に嫌気がさす」といったものがあります。
そして、この共感スイッチを押すヒントは「初心/初めての体験」「田舎暮らし」「子どもの活躍」「実家の安心感」「学生時代の部活・恋愛」などです。

“共感フラワー”を活用したインサイトリサーチ

“共感フラワー”を活用したインサイトリサーチをユニリーバ社のパーソナルケアブランド「ダヴ」を例に説明します。

ダヴが掲げているブランドパーパス(ブランドが社会に存在する意義)は、「あらゆる女性の“その人らしい美しさ”を称える」です。このパーパスを消費者の女性に共感を持って受け止めてもらい、製品の購買、使用に結び付けて行くには、どのようなターゲット理解が必要でしょうか?

理解すべきポイントは、「いまどきのターゲットの女性たちが求めている“その人らしい美しさ”とは何か?」 「少し前の女性たちが価値を感じていた“その人らしい美しさ”と今では、何が変わって来ているのか?」 「“その人らしい美しさ”が求められる場面は、どんな時か?」 「どんな感情になれるのか?それはどんな要因によってもたらされるのか?」 「その欲求の背景には、いまどきの女性たちの生活にどんな変化が起きているからなのか?」 「求められる“その人らしい美しさ”に対して、いまのパーソナルケアカテゴリーに対する不満は何か?」などです。

これらについての表面的ではない、深い消費者理解のために、共感フラワーも活用しながら、インサイトリサーチを行います。そしてはじめて共感を呼ぶ打ち手の切り口が得られるのです。
ターゲットの琴線に触れ、共感を巻き起こすには、“小手先の消費者理解”では通用しないのです。

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