2022.06.22 【洗濯機特集】ドラム式洗濯乾燥機が伸長

家事削減ニーズからドラム式洗濯乾燥機が見直されている

 共働き世帯の拡大やコロナ禍による在宅時間の増加で、近年家事負担の増加が悩みとなり、省家事ニーズは高まっている。洗濯に関しては、「干す手間を省きたい」という面も含め、洗濯乾燥機の中でも、ドラム式洗濯乾燥機が注目されている。

 家事負担軽減の視点から、コロナ禍の中で注目された白物家電は多いが、清潔・快適志向が高まり、関心が集まる洗濯の分野では、洗濯から乾燥まで一気に仕上げる洗濯乾燥機、中でも乾燥性能に優れたドラム式洗濯乾燥機が伸長している。

 洗濯乾燥機は、在宅時間が増えるとともに、家事負担軽減のニーズが高まったことから、2020年度は通期で前年比7.5%増となる123万6000台(日本電機工業会調べ)と大きく伸びた。

 21年度通期の出荷も前年比1.9%増の126万台となっており、好調だった20年度を上回るなど力強い推移となっている。

 洗濯乾燥機のうち、特に好調なのがドラム式で、18年下期以降、半期ごとに2ポイントずつ構成比が高まるなど、今では洗濯乾燥機の中で、約7割を占めている。

 ドラム式洗濯乾燥機が伸びているのは、縦型洗濯乾燥機に比べ、乾燥性能が優れている点だ。しっかり乾かせるため、洗濯物を干す・取り込む手間を省けることになり、省家事ニーズに合致する。

 ドラム式を購入したユーザーの多くは、乾燥機能を使用して「干す」「取り込む」の手間を省きたいからというもので(シャープ調べ)、また〝乾燥機能を日常的に使いたいから〟〝屋外に洗濯物を干さなくて済むから〟というニーズもあるという。いずれもドラム式の優れた乾燥性能を評価している。

 各社はドラム式洗濯乾燥機のメイン機能である乾燥性能については、ヒートポンプ乾燥方式を取り入れるなど省エネはもとより、仕上がり、速乾性など進化に力を入れる。

 パナソニックが実施した30~40代のライフスタイル調査(21年4月)によると、コロナ禍で以前より洗濯の回数、量は増える傾向にあり、家事省力化につながるドラム式洗濯乾燥機が見直されている。

 近年、家事省力化が大きなニーズとなり、若年シングル層でもドラム式洗濯乾燥機の購入が増えている。縦型からドラム式に移行するユーザーが増えているという。

 設置性の高いコンパクトサイズ(7キログラム/8キログラムタイプ)のドラム式もラインアップが増え、シングル層の需要活性化にも期待がかかる。

 ドラム式洗濯乾燥機をはじめ、洗濯乾燥機には、近年各社から液体洗剤・柔軟剤自動投入機能が搭載され、洗剤の投入量に悩む必要がなく、省家事にもつながると評価が高い。

 IoT対応を図る動きも加速している。リモートで洗濯の予約や洗剤の残量・運転状況のモニタリング、さらには洗剤の自動購入も実現するなど、より使い勝手が高まっている。

パナソニックの主力製品

ななめドラム洗濯乾燥機NA-LX129AL/R

「トリプル自動投入」機能を搭載家事シェアをサポート

家族の家事シェアをサポートするななめドラム洗濯乾燥機NA-LX129A

 パナソニックは、洗濯の手間を軽減し、家族の家事シェアをサポートするななめドラム洗濯乾燥機NA-LX129AL/Rの提案に力を入れる。

 同製品は、液体洗剤・柔軟剤に加え、おしゃれ着洗剤タンク搭載の「トリプル自動投入」機能を搭載する。同機能は、普段着洗いに加えておしゃれ着洗いまで、洗剤の計量・投入の手間を省けるほか、ボトルをなくせるので、サニタリー空間をすっきり保つことができる。

 タンクは大容量で、液体洗剤約1010ミリリットル、柔軟剤約890ミリリットル、おしゃれ着洗剤約730ミリリットルとたっぷり入る。タンク上部に取っ手を付けて出し入れしやすくし、タンクは自立式になっている。

 このほか、洗剤などを注ぎやすくするため注ぎ口の奥行きを広くするなど、細部にこだわり設計している。

 まとめ洗い・大物洗いに対応するため、洗濯容量は12キログラムへと大型化した。三つの低振動設計により、本体寸法は従来品とほぼ同じままの「コンパクトビッグ」を実現する。

 洗濯槽の前方だけなく、後方にも流体バランサ-を搭載した「W流体バランサー」と、特性の異なる2種類合計4本の「制振ダンパー」で洗濯槽をしっかり支えることで振動を吸収し、床への振動の伝わりを抑制した。「3D見張りセンサー」も搭載し、衣類の片寄りを補正し振動や運転音を抑制する。

 洗浄性能、乾燥性能など総合的に進化した。新たに「スゴ落ち泡洗浄」を採用し、繊維の奥の汚れまでしっかりと落とす。泡生成ボックスで洗剤液に空気を引き込みながら泡を生成するともに、シャワー循環量が従来品比約10%増の高浸透バブルシャワーで勢いよく噴射する。

 新形状バックフィルター採用で、衣類を前後に入れ替えるもみ洗いの機能も強化し、たたき洗い、押し洗いを加えた三つの洗い方でしっかり洗浄する。

 スピーディーかつ省エネで、シワを抑えてふんわり仕上げる「はやふわ乾燥 ヒートポンプ」も搭載。トップユニット方式のため、乾燥風路が短く、効率的かつスピーディーに乾燥でき、洗濯~乾燥まで電気代も1回約25円と省エネだ。

 低温(約65度)大風量でスピーディーに乾燥させることで、衣類の傷みや縮みを抑え、新形状バックフィルターにより、風を直接衣類に当てることで、シワを抑えふんわりと仕上げる。

 水洗いのできない衣類やアイテムの手入れができるコースとして、「ナノイーX」による衛生ケア(35分・60分・120分コース)も搭載する。120分コースでは、衣類の除菌、ウイルス抑制まで可能だ。

 「スマホで洗濯」アプリも拡充した。新たにコース検索、コース履歴、洗濯レポート、お手入れ通知を搭載して使いやすくなり、アプリを使って段取りよく洗濯するなど、家族間での家事シェアに役立つ。