Oracle Manufacturing: 有償支給(日本, 韓国, 台湾)ユーザーズ・ガイド リリース12 E05615-01 | 目次 | 前へ | 次へ |
この章では、次の内容について説明します。
次のセクションでは、有償支給計画プロセスについて説明します。
アドバンスト・サプライ・チェーン計画(ASCP)では、OEM組織とMP組織の両方で支給品所要量を計画し、有償支給設定で定義された組織定義(顧客仕入先関連)とソース・ルールを使用します。ASCPでは需要と供給をネッティングし、OEM組織とMP組織の両方で支給品と組立品の計画オーダーを作成します。ASCPの設定は品目の標準計画設定と同じであり、有償支給のための特別な設定は必要ありません。
次に、ASCPの設定および実行に必要なステップの概要を示します。
OEM組織とMP組織を計画インスタンスに追加します。
収集を実行し、データ(品目、ソース・ルール、需要、供給など)を計画インスタンスに転送します。
OEM組織とMP組織に対して、計画を実行するための組織セキュリティを定義します。
品目外注品が独立需要品目の場合は、品目外注品の需要予測セットを定義します。独立需要品目でない場合、需要予測セットの定義は必要ありません。
サプライ・チェーン計画を作成および実行します。
プランナ・ワークベンチを使用して、新しく作成した計画オーダーを表示します。
計画設定の詳細は、『Oracle Advanced Supply Chain PlanningおよびOracle Global ATP Serverユーザーズ・ガイド』を参照してください。
このシナリオでは、品目外注品がAで、その支給品BとCは同期支給品です。
計画プロセスは次のようになります。
品目外注品Aが独立需要品目の場合、OEM組織で品目外注品の需要予測が定義されます。品目外注品Aが依存需要品目の場合、需要は親組立品によって決定されます。
計画実行ではAの予測需要または依存需要が考慮され、OEM組織でAの正味所要量が計算され、OEM組織で組立品Aの購買計画オーダーが作成されます。Aは購買品目で、ソース・ルールと組織仕入先/顧客関連に基づいてMP組織から調達されます。したがって、OEM組織でのAの計画オーダー需要が、Aの需要としてMP組織に転送されます。
MP組織ではAは製造品目であり、需要がネッティングされて、組立品Aの製造計画オーダーが作成されます。BOMの展開時に支給品BとCの所要量が計算され、ネッティングされて、購買計画オーダーが作成されます。これらの支給品は(OEM組織のソース・ルール、仕入先/サイト関連に基づいて)OEM組織から調達されるため、支給品BとCの購買計画オーダー需要はOEM組織に転送されます。
OEM組織では、支給品BとCの所要量がネッティングされます。これらの支給品は(ソース・ルールに基づいて)RMSから調達したためです。このため、OEM組織でこれらの支給品の購買計画オーダーが作成されます。
OEM組織では、購買計画オーダーを計画から購買に購買依頼として転送できます。(組織品目では、品目外注品A、支給品BとCのリリース・タイム・フェンスはNullに設定されます。)これらの購買依頼から発注と包括購買リリースが作成されます。品目外注品に対して作成される発注と包括購買リリースは、品目外注オーダーと呼ばれます。
MP組織で、品目外注品Aと支給品BとCの製造および購買計画オーダーをWIP製造オーダーまたは購買依頼として転送することはできません。MP組織のすべての品目のリリース・タイム・フェンスが「リリースしない(自動または手動)」に設定されているためです。これらの計画オーダーの属性処理は「なし」に設定されているため、計画オーダーはリリースされません。
注意: プランナ・ワークベンチを使用して、計画作業指示を表示できます。
連動マネージャ・コンカレント要求により、シミュレーション実行時に組立品AのWIP製造オーダーと支給品BとCの発注が作成されます。このトピックについては、実行セクションで詳しく説明します。これらのWIP製造オーダーと発注は供給を表しており、後続の計画実行で考慮されます。
このシナリオでは、品目外注品がAで、その支給品BとCは同期支給品です。
計画プロセスは、同期支給品を使用する品目外注品のプロセスと同じです。唯一の例外は、事前支給品BとCの計画オーダーを購買依頼として購買に転送できる点です。
品目外注品Aが独立需要品目の場合、OEM組織で品目外注品の需要予測が定義されます。品目外注品Aが依存需要品目の場合、需要は親組立品によって決定されます。
計画実行ではAの予測需要または依存需要が考慮され、OEM組織でAの正味所要量が計算され、OEM組織で組立品Aの購買計画オーダーが作成されます。組立品Aは購買品目でMP組織から調達されるため、OEM組織でのAの計画オーダー需要が、Aの需要としてMP組織に転送されます。
MP組織では、Aは組織に基づく製造品目であり、需要がネッティングされて、組立品Aの製造計画オーダーが作成されます。BOMの展開時に支給品BとCの所要量が計算され、ネッティングされて、購買計画オーダーが作成されます。これらの支給品はOEM組織から調達されるため、支給品BとCの購買計画オーダー需要はOEM組織に転送されます。
OEM組織では、支給品BとCの所要量がネッティングされます。これらの支給品は(ソース・ルールに基づいて)RMSから調達したためです。このため、OEM組織でこれらの支給品の購買計画オーダーが作成されます。
OEM組織では、購買計画オーダーを計画から購買に購買依頼として転送できます。(組織品目では、品目外注品A、支給品BとCのリリース・タイム・フェンスはNullに設定されます。)これらの購買依頼から発注と包括購買リリースが作成されます。品目外注品に対して作成される発注と包括購買リリースは、品目外注オーダーと呼ばれます。
MP組織では、品目外注品Aの製造計画オーダーをWIP製造オーダーとして転送できます。MP組織では品目外注品のリリース・タイム・フェンスが「リリースしない(自動または手動)」に設定されているためです。製造計画オーダーの属性処理は「なし」に設定されているため(計画ワークベンチで確認できます)、計画オーダーはリリースされません。
MP組織では支給品BとC両方のリリース・タイム・フェンスが「NULL」に設定されているため、支給品BとCの購買計画オーダーを購買に購買依頼として転送できます。
連動マネージャ・コンカレント要求により、連動実行時に組立品AのWIP製造オーダーが作成されます。これらのWIP製造オーダーは供給を表しており、後続の計画実行で考慮されます。
このシナリオでは、品目外注品がAで、その支給品BとCはそれぞれ事前支給品と同期支給品です。
計画プロセスには、同期支給品を使用する品目外注品と事前支給品を使用する品目外注品が混在しています。
品目外注品Aが独立需要品目の場合、OEM組織で品目外注品の需要予測が定義されます。品目外注品Aが依存需要品目の場合、需要は親組立品によって決定されます。
計画実行ではAの予測需要または依存需要が考慮され、OEM組織でAの正味所要量が計算され、OEM組織で組立品Aの購買計画オーダーが作成されます。Aは購買品目でMP組織から調達されるため、OEM組織でのAの計画オーダー需要が、Aの需要としてMP組織に転送されます。
MP組織では、Aは製造品目であり、需要がネッティングされて、組立品Aの製造計画オーダーが作成されます。BOMの展開時に支給品BとCの所要量が計算され、ネッティングされて、購買計画オーダーが作成されます。これらの支給品はOEM組織から調達されるため、支給品BとCの購買計画オーダー需要はOEM組織に転送されます。
OEM組織では、支給品BとCの所要量がネッティングされます。これらの支給品は(ソース・ルールに基づいて)RMSから調達したためです。このため、OEM組織でこれらの支給品の購買計画オーダーが作成されます。
OEM組織では、購買計画オーダーを計画から購買に購買依頼として転送できます。これらの購買依頼から発注と包括購買リリースが作成されます。品目外注品に対して作成される発注と包括購買リリースは、品目外注オーダーと呼ばれます。
MP組織で、品目外注品Aの製造計画オーダーと支給品Cの購買計画オーダーをWIP製造オーダーまたは購買依頼として転送することはできません。MP組織でリリース・タイム・フェンスが「リリースしない(自動または手動)」に設定されているためです。製造計画オーダーの属性処理は「なし」に設定されているため、計画オーダーはリリースされません。プランナ・ワークベンチを使用して、計画オーダーを表示できます。
MP組織では両方の支給品のリリース・タイム・フェンスが「NULL」に設定されているため、支給品Bの購買計画オーダーを購買に購買依頼として転送できます。
連動マネージャ・コンカレント要求により、連動実行時に組立品AのWIP製造オーダーと支給品Bの支給品補充発注が作成されます。これらのWIP製造オーダーと支給品補充発注は供給を表しており、後続の計画実行で考慮されます。
有償支給の実行プロセスは、品目外注品の品目外注オーダーと支給品の支給品補充発注によって開始されます。次のセクションで、各シナリオのプロセス・ステップについて詳しく説明します。
このシナリオでは、品目外注オーダーがASCPから転送されることによって実行が開始されます。品目外注オーダーを手動で作成することもできます。
実行プロセスは、組立品Aの品目外注オーダーによって開始されます。これらの品目外注オーダーとは、標準発注と包括購買リリースであり、出荷の品目外注品属性が「Yes」に設定されます。これは、品目外注品に発注が作成されることを示します。
連動マネージャは前回の品目外注オーダーの実行で処理されなかった品目外注オーダーを受け取って、次の処理を行います。
2.1. MP組織で製造シミュレーションのために品目外注オーダー数量のショップ型製造オーダーを作成します。
2.2. この組立品を製造するために、MP組織では支給品BとCが必要であり、OEMはこれらの原材料をMP組織に供給する必要があります。BとCは同期支給品であるため(支給品をオーダーとともに出荷する必要があります)、連動マネージャはOEM組織に関連する仕入先を使用する支給品の支給品補充発注を作成します。MP組織で作成される支給品補充発注は供給を表し、ASCPで供給として考慮されます。
2.3. 連動マネージャは、MP組織の対応する支給品補充発注に対して、OEMで支給品を出荷するための支給品補充受注も作成します。OEMで作成される支給品補充受注は、常にMP組織の対応する発注への参照があります。受注タイプは(OEM組織からMP組織への)出荷ネットワークから取得されます。有償支給デフォルト受注タイプと支給品価格は、受注の顧客サイトに関連する価格表(価格表設定で定義された)から取り込まれます。受注は常に記帳済ステータスで作成され、出荷可能な状態です。これらの支給品補充受注は品目外注オーダー所要量(WIP製造オーダーの支給品所要量)にハード・ペギングされており、このハード・ペギングを割当と呼びます。(追跡のために、有償支給データ・モデルの割当表にこの情報が保持されます。)
支給品に対して作成される支給品補充受注は、他の受注と同様に出荷日に出荷されます。
支給品の自動受入コンカレント要求は、OEM組織でこれらの出荷を受け取って、MP組織で対応する発注に対する受入を作成します。出荷日に移動中リード・タイムを加えた日付(出荷ネットワークのデフォルト出荷方法で定義された)が現在日付と同じか現在日付より前の受注は、自動的に受け入れられ、MP組織で受入がシミュレートされます。
MPは支給品を使用して製造した組立品をOEMに出荷し、OEMは他の発注受入と同様にこれらを受け入れます。
受入取引の処理コンカレント要求はOEM組織でこれらの受入を受け取って、次の処理を行います。
6.1. 組立品のWIP製造オーダーを完了します。WIP製造オーダーが完了すると、支給品がMPからバックフラッシュされ、MP組織で在庫が削減されます。ただし、MPで完成した組立品は在庫に残ります。
6.2. MPが組立品を製造してOEMに発送した後は、組立品の品目外注オーダーはOEMでのみ受け入れることができます。WIPはMPで完了済であるとみなされ、組立品はOEMに出荷されます。ただし、これによってMP組織の組立品手持数量が増加します。MP組織の完成組立品在庫がその他の出庫によって削減され、これによりMP組織の在庫数量が正確になります。その他の出庫の作成には、出荷ネットワークで定義されている相殺勘定が使用されます。
MPに出荷される支給品のための、AR請求書が作成されます。
MPから受け入れる品目外注オーダーのための、AP請求書が作成されます。
Payablesで、ネッティング契約に基づいてAP請求書とAR請求書がネッティングされ、MPに対する支払が行われます。
このシナリオでは、プロセス実行は品目外注品の品目外注オーダーと、ASCPから転送された事前支給品の支給品補充発注によって開始されます。品目外注品の品目外注オーダーと事前支給品の支給品補充発注を手動で作成することもできます。
実行プロセスは、組立品Aの品目外注オーダーと事前支給品の支給品補充発注によって開始されます。品目外注オーダーとは標準発注と包括購買リリースであり、品目外注品の出荷が「Yes」に設定されている場合、品目外注品の発注が作成されます。支給品補充発注は、MPがOEMからの支給品の調達方法をシミュレートするために作成する標準発注または包括購買リリースです。
連動マネージャ・コンカレント要求は次の処理を行います。
2.1. MPで支給品の支給品補充発注を受け取って、OEMでMPに出荷する支給品に対して対応する支給品補充受注を作成します。OEMで作成される支給品補充受注は、常にMP組織の関連する発注を参照します。受注タイプは(OEM組織からMP組織への)出荷ネットワークのデフォルト受注タイプから取得され、支給品価格は受注の顧客サイトに関連する価格表から取得されます。受注は常に記帳済ステータスで作成され、出荷可能な状態です。
2.2. その後、連動マネージャは品目外注オーダーの前回の実行で処理されなかった品目外注オーダーを受け取り、MP組織での製造シミュレーションのために品目外注オーダー数量のショップ型製造オーダーを作成します。この組立品を製造するために、MP組織では支給品BとCが必要であり、OEMはこれらの原材料をMPに供給する必要があります。BとCは事前支給品であり、所要量に先立って支給品が出荷されることがあるため、連動マネージャはこれらの支給品に対して支給品補充発注または受注を作成しません。かわりに、前に作成された未割当の受注を検索し、これらの所要量への割当を行います。未割当の支給品補充受注が品目外注オーダー所要量には不十分の場合、連動マネージャは使用可能な数量に対して割当を行って、残りの数量を未割当のままにします。(支給品補充が使用可能な場合、この状況が起こらないようにする必要があります。)支給品補充が使用可能な場合、連動マネージャはその後の連動実行で割当を試行します。
支給品に対して作成された支給品補充受注は、標準受注と同様に出荷されます。
支給品の自動受入コンカレント要求は、OEMでこれらの出荷を受け取って、MP組織で関連発注に対する受入を作成します。出荷日に移動中リード・タイムを加えた日付(出荷ネットワークのデフォルト出荷方法で定義された)が現在日付と同じか現在日付より前の受注は、自動的に受け入れられ、MP組織で受入がシミュレートされます。
MPは支給品を使用して製造した組立品をOEMに出荷し、OEMは他の発注受入と同様にこれらを受け入れます。
受入取引コンカレント要求はOEM組織でこれらの受入を受け取って、次の処理を行います。
6.1. 組立品のWIP製造オーダーを完了します。WIP製造オーダーが完了すると、支給品がMPからバックフラッシュされ、MP組織で在庫が削減されます。ただし、MPで完成した組立品は在庫に残ります。
6.2. MPが組立品を製造してOEMに発送した後にのみ、組立品の品目外注オーダーを受け入れます。WIPはMPで完了済であるとみなされ、組立品はOEMに出荷されます。ただし、これによってMP組織の組立品手持数量が増加します。MP組織の完了した組立品在庫はその他の出庫によって削減され、MP組織の在庫数量が正確になります。その他の出庫は、出荷ネットワークで定義されている相殺勘定を使用して作成されます。
MPに出荷される支給品のための、売掛/未収金請求書が作成されます。
MPから受け入れる品目外注オーダーのための、買掛/未払金請求書が作成されます。
売掛/未収金と買掛/未払金の請求書がネッティングされ、MPに支払が行われます。
注意: 買掛/未払金では、ネッティングはネッティング契約に基づいて行われます。
このシナリオでは、実行は品目外注品の品目外注オーダーと、ASCPから転送された事前支給品の支給品補充発注によって開始されます。品目外注品の品目外注オーダーと事前支給品の支給品補充発注を手動で作成することもできます。
実行プロセスは、組立品Aの品目外注オーダーと事前支給品Bの支給品補充発注によって開始されます。
連動マネージャ・コンカレント要求は次の処理を行います。
2.1 MPで支給品Bの支給品補充発注を受け取って、OEMでMPに出荷するための関連する支給品補充受注を作成します。
2.2 その後、連動マネージャは前回の実行で処理されなかった品目外注オーダーを受け取って、品目外注オーダー数量のショップ型製造オーダーを作成します。この組立品を製造するために、MPでは支給品BとCが必要であり、OEMはこれらの原材料をMPに供給する必要があります。
支給品Bは事前支給品であるため、連動マネージャは使用可能な支給品補充受注を探して、品目外注オーダー所要量を満たすように割当を試行します。
2.3. 支給品Cは同期支給品であるため、連動マネージャはこの支給品に対して支給品補充発注を作成します。
2.4. 連動マネージャは、関連するMPの支給品補充発注を使用して支給品Cの支給品補充受注を作成し、受注を品目外注オーダー所要量に割り当てます。
注意: 支給品に対して作成された支給品補充受注は、他の受注と同様に出荷されます。
支給品の自動受入コンカレント要求は、OEMでこれらの出荷を受け取って、MPで関連する発注を使用して受入を作成します。出荷日に移動中リード・タイムを加えた日付(出荷ネットワークのデフォルト出荷方法で定義された)が現在日付と同じか現在日付より前の受注は、自動的に受け入れられ、MP組織で受入がシミュレートされます。
MPは支給品を使用して製造した組立品をOEMに出荷し、OEMは他の発注受入と同様にこれらを受け入れます。
受入取引の処理コンカレント要求はOEMでこれらの受入を受け取り、次の処理を行います。
組立品のWIP製造オーダーを完了します。WIP製造オーダーが完了すると、支給品がMPからバックフラッシュされ、MP組織で在庫が削減されます。MPで完成した組立品は在庫に残ります。
6.2. 組立品はOEMでのみ受け入れることができるため、組立品の品目外注オーダーをOEMに送信します。WIPはMPで完了済であるとみなされ、組立品はOEMに出荷されます。この取引によりMPの組立品手持数量が増加します。
MPの完成組立品在庫はその他の出庫によって削減され、それによりMP組織の在庫数量が正確になります。その他の出庫は、出荷ネットワークで定義されている相殺勘定を使用して作成されます。
MPに出荷される支給品のための、売掛/未収金請求書が作成されます。
MPから受け入れる品目外注オーダーのための、買掛/未払金請求書が作成されます。
売掛/未収金と買掛/未払金の請求書がネッティングされ、MP組織に支払が行われます。
注意: 買掛/未払金では、ネッティングはネッティング契約に基づいて行われます。
このセクションでは、有償支給コンカレント・プログラムについて説明します。
連動マネージャ
消込マネージャ
支給品の自動受入
受入取引の処理
連動マネージャは、ASCP計画を実行して品目外注品と品目外注支給品の計画オーダーを購買に転送した直後に実行すべきコンカレント要求です。連動マネージャは品目外注オーダーと支給品補充発注を受け取って、次の処理を実行します。
MP組織で組立品のショップ型製造オーダーおよび同期支給品の支給品補充発注を作成します。
OEM組織で事前および同期支給品の支給品補充受注を作成します。
品目外注オーダー所要量を満たすように支給品補充受注を割り当てます。
連動マネージャの属性
処理する品目外注オーダーの選択
連動マネージャは、次の条件が満たされる場合にのみ、品目外注オーダーを処理します。
MP組織でWMS、プロセス、EAMを使用できない場合。
品目外注品または品目外注支給品をMP組織でロットおよびシリアル管理できない場合。
在庫期間がMP組織でオープンされていない場合。
WIPパラメータがMP組織で定義されていない場合。
割当
割当は、品目外注品を製造するためにMPに出荷することが指定された支給品です。割当はMPサイトでの製造プロセスの計画、実行、シミュレーションの適正化のために必要とされます。有償支給プロセスでは、支給品が出荷された後もOEMがその所有権を保持します。OEMがMPから組立品を受け入れる際、MPから返送された支給品が消費されるのは組立品が製造されるときです。消費をサポートするために、組立品の購買価格には支給品の販売プロセスが組み込まれます。販売プロセスの組み込みが必要な理由は、支給品の販売価格によってMPでの支給品消費を追跡するためです。
連動マネージャが割当を行う際、次の2つの条件が検証されます。
組立品を製造できるようになったときに、出荷された支給品がMPで使用可能であること(支給品補充受注出荷日とOEMからMPへの移動中リード・タイムを加えた日付がショップ型製造オーダー開始日より前である)。
出荷済または出荷予定の支給品の販売価格が、現在の価格表と同じであること。
両方の条件が満たされる場合、連動マネージャは支給品補充オーダーを品目外注オーダーに割り当てます。同期支給品の場合、支給品補充受注が作成され、同時に自動的に割り当てられます。事前支給品の場合、会計の適正化のために、出荷済支給品の販売価格が正しい価格で割り当てられるように、支給品は所要量に先立って出荷されます。
有償支給: 連動マネージャを実行する手順は、次のとおりです。
「有償支給」職責から「要求」ウィンドウにナビゲートします。
「名称」フィールドで「有償支給: 連動マネージャ」を選択します。
「OK」をクリックします。「パラメータ」ウィンドウが表示されます。
オプションのパラメータを入力します。
バッチ・サイズ
最大ワーカー数
支給元組織:自
支給元組織:至
「OK」をクリックします。
「有償支給要求」ウィンドウで「発行」をクリックして、連動マネージャを実行します。
消込マネージャ・コンカレント要求は、品目外注オーダーの変更管理を処理します。品目外注オーダーへの変更を識別して、ショップ型製造オーダー、支給品補充発注、および支給品補充受注を更新します。
次に、消込が考慮される品目外注オーダーの変更を示します。
品目外注オーダー数量
納期または希望入手日
数量と日付の両方
支給品補充受注
取消
品目外注オーダー数量の変更
消込マネージャは、品目外注オーダー数量の変更およびMP組織の品目外注オーダーに関連するショップ型製造オーダーの数量の増減を考慮します。
品目外注オーダーが増加した場合、次の処理が行われます。
同期支給品の場合、OEMからMPへの追加の原材料出荷数量に対して、新たに支給品補充発注および受注が作成され、品目外注オーダーに割り当てられます。
事前支給品の場合、現在、未割当補充数量が十分にある場合は、増加(追加)品目外注オーダー所要量に対して追加割当が行われます。未割当補充数量が十分にない場合、事前支給品は事前に保存され不足が生じない支給品として定義されているため、新たな支給品補充は作成されません。したがって消込処理は行われません。
品目外注オーダーが減少した場合、次の処理が行われます。
同期支給品の場合、割当が削減され、一部の未割当補充は残されたままになります。これらの未割当補充は他の所要量に割り当てられます。連動マネージャまたは消込マネージャは、こうした同期支給品の未割当補充を(事前支給品と同様に)考慮に入れて、新たな補充を作成します。
事前支給品の場合、割当が削減されます。
納期または希望入手日の変更
消込マネージャは、これらの納期または希望入手日の変更を考慮します。
日付を将来日付に変更する場合、次の処理が行われます。
品目外注オーダーに関連するショップ型製造オーダーは、将来日付に変更されます。
品目外注オーダー(支給品の補充発注と補充受注)と割当は変更されません。
日付を過去日付に変更する場合、次の処理が行われます。
品目外注オーダーに関連するショップ型製造オーダーは過去日付に変更されます。新しい日付が現在日付と同じまたは現在日付より前の場合、現在日付が新しい日付として設定されます。
同期支給品の場合、関連する支給品補充発注と支給品補充受注は過去日付に変更されます。新しい日付が現在日付より前の場合、日付は現在日付に戻されます。同期支給品は品目外注オーダーに割り当てられ、割当は変更されません。
事前支給品の場合、割当は削除され、新しい納期に基づいて新たに割当が作成されます。
数量と日付の同時変更
消込マネージャは次の処理を行います。
日付変更を消し込みます。
受注数量に変更を加えます。
支給品補充受注の変更
消込マネージャは、支給品補充受注の次の変更を考慮します。
支給品補充受注の不足出荷
支給品補充受注の返品
過剰出荷
受注のバックオーダー
支給品補充受注の取消し
連動マネージャは支給品補充受注の数量と日付の変更を考慮し、次の処理を行います。
品目外注オーダー所要量に新規出荷数量が反映されるように、割当を変更します。
新しい支給品補充受注を作成します(適用可能な場合)。
「有償支給: 支給品の自動受入」コンカレント要求は、次の処理を実行します。
事前定義された移動中リード・タイム後に、品目外注支給品を自動的に仕入先組織に受け入れます。
コンカレント要求パラメータ・ウィンドウで指定されたMP組織に基づいて、OEM組織で出荷済の支給品補充受注を選択します。
MP組織の対応する発注に対して、支給品受入を作成します。
出荷ネットワークで定義されている移動中リード・タイムを考慮した後、MP組織で受け入れる出荷済の受注を選択します。
出荷ネットワークで定義されている移動中リード・タイムを考慮した後、OEM組織の有償支給支給品補充受注に対して出荷済取引を選択します。
仕入先組織の対応する支給品補充発注に対して、受入を作成します。
この要求を日次、週次、または定期的に実行して、仕入先組織で品目外注支給品の受入を作成できます。
注意: 有償支給ワークベンチを使用して、ステータスを追跡できます。
支給品の自動受入コンカレント要求を実行する手順は、次のとおりです。
「有償支給」職責から「有償支給要求」ウィンドウにナビゲートします。
「名称」フィールドで「有償支給: 支給品の自動受入」を選択します。
「OK」をクリックします。「パラメータ」ウィンドウが表示されます。
「外注先組織」に入力して「OK」をクリックします。
「発行」をクリックして要求を実行します。
「有償支給: 受入取引の処理」コンカレント要求では、次の処理が実行されます。
OEM組織で組立品受入を選択し、WIP製造オーダー完了とその他の出庫を開始して、MP組織の在庫を調整します。
OEM組織で組立返品、受入、組立品の返品修正、支給品のRMA受入を処理します。
「有償支給: 受入取引の処理」コンカレント要求を実行する手順は、次のとおりです。
「有償支給」職責から「有償支給要求」ウィンドウにナビゲートします。
「名称」フィールドで「有償支給: 受入取引の処理」を選択します。
「OK」をクリックします。「パラメータ」ウィンドウが表示されます。
オプションで「要求ID」に入力します。有効な文字数は0から9文字です。
オプションで「グループID」に入力します。有効な文字数は0から9文字です。
「OK」をクリックします。
「発行」をクリックして要求を実行します。
受入取引の処理マネージャは、OEMで品目外注オーダー受入と支給品補充受注のRMA受入を受け取ります。その後、MP組織で対応する取引を作成します。
品目外注オーダー受入
受入は、次の条件が満たされる場合にのみ処理されます。
品目外注オーダーが全量割当されている
品目外注が過剰受入されていない
ヒント: 過剰受入されないように、品目外注オーダー受入許容範囲はゼロに設定する必要があります。
上記の条件が満たされている場合、連動マネージャで次の処理が実行されます。
MP組織で関連する品目外注オーダーのWIP製造オーダーを完了し、次の処理を実行します。
支給品をバックフラッシュして、MP組織の支給品在庫を削減します。
完成組立品を在庫に移動します。
MP組織で組立品のその他の出庫を行って、前のステップの完了済WIP製造オーダー数量を削減します。その他の出庫は、出荷ネットワークの有償支給オプションで定義されている相殺勘定を使用して行われます。
品目外注オーダー返品(RTV)
荷積RTVプログラムにより、OEM組織で品目外注オーダー取引が処理され、MP組織で次の取引が作成されます。
MP組織でその他の受入(これは、OEMからの組立返品を表します)を使用して、品目外注品の在庫が増加されます。
MP組織で関連するショップ型製造オーダーの組立返品(WIP返品)が作成されます。これにより、次のようになります。
MP組織で製造現場に返品する組立品在庫が削減されます。
バックフラッシュされた支給品が戻されます。
品目外注オーダー受入とRTV修正
受入取引の処理コンカレント要求により、OEMで品目外注オーダーの受入および返品の修正が行われます。修正は、MP組織でのWIP完了またはWIP返品として処理されます。
支給品補充受注の返品(RMA返品)
受入取引の処理コンカレント要求では、支給品補充受注に関連する次のRMA返品が実行されます。
MP組織に出荷された当初支給品補充受注を参照してRMAが作成されます。作成されない場合、処理においてRMAは考慮されません。
支給品補充受注にリンクされているRMAを選択し、MP組織の対応する支給品補充発注用のRTV取引を作成します。
これらのステップは、MPサイトでのシミュレーションと在庫の正確性を確保するために実行されます。