世界を席巻する若き天才指揮者 クラウス・マケラ
2022年 日本公演の模様を期間限定配信&特別上映

文:林 昌英

 「2022年のベスト・コンサートは?」と問われたら、「マケラ&パリ管!」と答える方は多いはず。その感動と興奮が、1月末、期間限定の配信と特別上映会で再び味わえる。

 20代半ばにして世界の名門楽団のポストに次々に就任。前代未聞の活躍を見せる若き天才指揮者クラウス・マケラが、現在芸術顧問&音楽監督を務めるパリ管弦楽団と共に、昨年10月、日本ツアーを実現した。鮮烈で瑞々しいマケラの指揮ぶりと、パリ管の魅力が全開になった快演・名演の連続で、各公演とも大評判になったことは記憶に新しい。

 そのツアーの際の映像が配信されることになった。会場で夢中になった方も、残念ながら行けなかった方も、ここで新たに体験できる好機となる。本プログラムの3曲は、1曲ごとに違う日程・会場での演奏が採用されており、3つの会場での空気感も感じられる。さらに、編集された通常のオーケストラ映像(メイン映像カメラ)に加えて、指揮者カメラ、オーケストラ全景カメラ、それら3つを切り替えながら観られるマルチアングルと4つの視聴方法が用意されているのも嬉しい。また、26日にはサントリーホール・ブルーローズで特別上映会が行われる。趣きのある環境、万全の設備による音響で臨場感あるライヴ追体験ができるわけで、これも大いに耳目を集めるはず。

 それにしても、マケラの指揮姿のカッコいいことといったら!鋭い動き、鮮やかな表現、巧みな指揮ぶり……改めて映像で観ても、とにかく観る者を惹きつけてやまない。しかも、パリ管という気難しいところのある名門楽団の楽員が、マケラのことが好きでたまらないという様子がわかるし、その前向きなムードがパリ管持ち前の音色やセンスを最大限に引き出すことにもつながっている。しっかり髪を整えて登場するマケラが、曲の途中から髪を振り乱して夢中になる様も見惚れてしまう。指揮者カメラを視聴する方も多いことだろう。

 また、実際の会場ではカメラの数が気になることは特になかったが、メイン映像を観ると驚くほど多彩な角度から撮られていて、遠めの引きのカットから「そんなところまで?!」というミクロなカットも織り交ぜてある。しかも万全かつ巧みな編集で、どの瞬間も不足なく必要なパートが映り、カットも気が利いていて飽きることがない。音質もバランスもすばらしく良好。この撮影・録音技法と編集の仕方は、ぜひ今後もスタンダードになってほしいと思うほど見事。マケラとパリ管の魅力を様々な形で味わえる機会、29時間限定の配信は絶対に見逃せない。

《有料配信》
配信期間:2023.1/28(土)19:00~1/29(日)23:59


配信内容・曲目:
ドビュッシー:交響詩「海」(収録:10月20日愛知県芸術劇場 コンサートホール)
ラヴェル:ボレロ(収録:10月15日東京芸術劇場 コンサートホール)
ストラヴィンスキー:春の祭典(収録:10月17日サントリーホール)
グリンカ:歌劇『ルスランとリュドミラ』序曲〔アンコール演奏〕 (収録:10月18日サントリーホール)

出演(映像内):
クラウス・マケラ 指揮 パリ管弦楽団

配信料金:¥2,000(税込)
※マルチアングル配信
※投げ銭サービス「Doneru」を利用可能

《特別上映会》
2023.1/26(木)19:00 サントリーホール ブルーローズ


上映内容・曲目予定:
ドビュッシー:交響詩「海」(収録:10月20日愛知県芸術劇場 コンサートホール)
ラヴェル:ボレロ(収録:10月15日東京芸術劇場 コンサートホール)
ストラヴィンスキー:春の祭典(収録:10月17日サントリーホール)
グリンカ:歌劇『ルスランとリュドミラ』序曲〔アンコール演奏〕 (収録:10月18日サントリーホール)

出演(映像内):
クラウス・マケラ 指揮 パリ管弦楽団

チケット料金:¥2,000(税込・自由席)
※公演ツアープログラム付き
※未就学児入場不可
※上映時間:1時間50分(途中休憩含む)
※スタジオモニターBowers&Wilkins 801D4 とClasse セパレートアンプによるHiFi音響再生を予定

Bowers & Wilkins:https://www.bowerswilkins.com/ja-jp/
Classé Audio:https://www.classeaudio.com/ja/

協賛:Bowers &Wilkins、Classe
https://avex.jp/classics/odp2022/special/