阪神は「余程のことがない限り」リーグ制覇 16年ぶり10連勝…専門家が見る強さの理由

阪神・岡田彰布監督【写真:小林靖】
阪神・岡田彰布監督【写真:小林靖】

5番に抜擢された小野寺が3回に逆転の2点適時打

■阪神 5ー3 ヤクルト(13日・京セラドーム)

 阪神は13日、京セラドームで行われたヤクルト戦に5-3で勝利し、16年ぶりの10連勝をマークした。2位・広島とのゲーム差は今季最大の「8」に広がった。野球評論家の新井宏昌氏は「余程のことがない限り、このままペナントを突き進む」と、独走態勢に入った猛虎を分析した。

 阪神は1点を追う3回、1死満塁から5番に抜擢された小野寺が右前へ2点適時打、梅野の右犠飛でこの回3点を奪い逆転に成功した。さらに4回には無死一、二塁から中野の左前適時打でリードを広げ、1点差に詰め寄られた7回は途中出場の坂本が中前適時打を放って貴重な追加点をあげた。

 前夜は今季両リーグ最長となる5時間16分の死闘を制し、サヨナラ勝ち。ヤクルトも広島に3連勝して勢いに乗る相手だったが、阪神はそれを上回るチーム力で怒涛の10連勝。新井氏は「連勝中のヤクルトが一泡吹かせるかと思ったが、チーム力の差がはっきりと出た3試合。岡田監督が選手たちに良い結果を“出させて”あげている」と、指揮官の采配に注目した。

 まずはこの日、5番に抜擢した小野寺。前日は延長11回に犠打を失敗していたが、逆転適時打を含む2安打2打点の活躍を見せ、期待に応えた。2軍で結果を残して昇格したホープに「元々はバット振って、良さを生かしていくタイプ。バントの失敗はある程度、ベンチも本人も自覚している。あれだけアウトステップしているのにも関わらずに逆方向へしっかり強い打球を打つ。4打席もらえるなかで勝負強さを発揮した」と賛辞を送った。

四球数は今季104試合目…昨季の358個を超え12球団最多の366個

 1点リードの7回1死一、三塁の場面では、坂本が2球目にスクイズを失敗。何とか追加点が欲しい場面でカウント2-1からエンドランを仕掛けたことで、中前適時打が生まれた。「併殺でもいい。恐れずに思い切って行け。打席に立つプレーヤーが気楽にいける。選手の能力を引き出すのが上手い。こういった采配がことごとく成功する。それが強さの理由の1つなのではないでしょうか」と新井氏。

 ここまでチーム本塁打53本は、リーグトップの巨人の127本に比べ半分以下。だが、四球数は今季104試合目で昨季の358個を超えて12球団最多の366個をマーク。401得点も両リーグ最多。新井氏はこの部分にチームの強さがあるという。

「チームアベレージは決して良い訳ではない。本塁打も巨人の半分以下だが、四球や相手のミスを生かして得点している。セーフティスクイズ、エンドランなどを駆使しながら、うまく選手を使っています」

 これで2位・広島とのゲーム差は今季最大の「8」に広がった。早ければ15日にも優勝マジックが点灯する。死球を受けて途中交代した正捕手・梅野の離脱は痛いが「リード面で定評のある坂本に頑張ってもらうしかない」とし、「普通に考えると、残り試合は5割で十分に優勝できる。今のチーム力からすれば、選手がプレッシャーを感じることなく特徴を出していく。それほど大きなミスもない」と、18年ぶりのリーグ制覇に太鼓判を押した。

【実際の動画】「アウトステップしているのに」新井氏称賛…起用に応える適時打を放った小野寺

RECOMMEND

CATEGORY