人類の記念すべき日なのに……
2019年5月20日。
「キログラム」の新しい定義の時代が始まった。
私が特別館長をつとめる福井県年縞博物館でも、5月20日からこのキログラム新定義の特別展示を開始した。
福井県年縞博物館では7月29日までの期間限定でキログラムの新定義に重要な役割を果たした「シリコン単結晶球体」(レプリカ、協力・産総研)の展示を開始。5月20日で引退したキログラム原器(レプリカ・年縞博物館所蔵品)と並べている 写真:福井県年縞博物館
「年縞」と呼ぶ水月湖の7万年分の湖底堆積物は、それに含まれる放射性炭素(14C)による年代測定の世界標準(IntCal)に採用された。年代決定の「ものさし」がテーマゆえ、東洋計量史資料館(松本市)から提供された歴史的な天秤など数点も展示している。そこで、国立研究開発法人・産業技術総合研究所(産総研)の協力を得て、キログラムの新定義に貢献した「シリコン単結晶球体」のレプリカの特別公開を開始したのだ。
また、国立科学博物館も「さようならキログラム原器―「はかる」単位、130年ぶりの大改定」というNEWS展示を6月16日(日)まで行っている。
このキログラムの新定義、えらいことが始まったと私は熱くなっているのだが、大きく報じたメディアがなかったのには驚いた。