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松たか子「踏み出す瞬間は自分一人、孤独であることを忘れないでいたい」
2021.04.11

“全部わかっている”自分にはなれない

松たか子「踏み出す瞬間は自分一人、孤独であることを忘れないでいたい」

4月13日にスタートするドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」(フジテレビ系列)で主演を務め、問題はあるが明るくてユーモラスでキュートなバツ3女性を演じる松たか子さん。

“日本が誇るほんもの”を意味する「JAXURY」をテーマにしたFRaU2021年5月号に、何気ないたたずまいからも、ほんものの生活、ほんものの人生が感じられるひとの代表としてご登場いただきました。

「悩んでいても、文句を言っていても、同じように時間は過ぎていくんだなぁと思ったら、とにかくコツコツ日々を過ごしていくしかない」

真っすぐにカメラを見る。あるいはフォトグラファーから指示された方向を見る。投げかけられた言葉を聞いて、その意図を汲み、心と身体を反映させていく――。撮影をしているあいだ、松さんは、一度もモニターを見なかった。その代わり、見るべきものをしっかり見据え、聞くべきことを聞き、それを自身の姿の中に投影した。

撮影のことを“フォトセッション”と呼ぶことがあるが、この日の撮影はまさにそれだった。対峙する人と人が、即興で何かを奏でているような。小さなかけあいの中で、その場の空気の色が鮮やかに変化していくような。

「(撮影を担当した)渞(みなもと)さんとお会いするのは久しぶりでしたが、とても楽しい撮影でした。短い時間で、ワンシチュエーションで……。ギュッと濃密な時間を過ごせました。渞さんは集中力の高い方だと思うので、私も周りのスタッフも皆、それなりの覚悟をもって臨まないと……。せっかくの限られたシューティングなので、頑張りました、という感じです。それが結果、『楽しかった』につながる、素敵なお仕事でした」感想を聞いたとき、短いコメントの中にも、松さんが持つ並々ならぬ集中力と、そこにいるチームへの上質な心遣いが感じられた。

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4月13日にスタートするドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」の収録の合間を縫ってのシューティング。今回は、3度の離婚を経験し、建設会社の社長に就任したばかりのバツ3・子持ちの大豆田とわ子を演じる。脚本の坂元裕二さんとは、17年の「カルテット」と昨年放送されたスペシャルドラマ「スイッチ」に続いて3度目のタッグ。第一話の脚本を読んだだけでも、一筋縄ではいかない、欠点だらけの登場人物たちが、厄介な日常を受け入れていく様子がたっぷりのユーモアと適度なペーソスを交えて描かれていて、傑作の予感しかない。

「とわ子は、三回結婚して三回離婚をしていますが、毎日を真剣に生きています。そんな中で、元夫たちとの関わりも続いていくのは、『失敗しても、間違ってもいいんだぞ』ということを、夫たちに教えてもらった人なのかな、と。1話には、『ひとりで生きられるけど』というセリフがあります。他人との関係を煩わしいからとシャットアウトして自分の世界に生きるのではなく、人と関わって、共犯者になれる。そして、失敗、過ちを許したり、受け入れることができる。とわ子はそんな女性です。失敗を繰り返しながら人と関わっていくのは、とても勇気のいること。これを観た人が少しでも勇気をもらえる作品になったらいいなぁ、と」

松さんが、坂元裕二さんと初めてタッグを組んだ「カルテット」では、「白黒はっきりしたわかりやすさではなく、多様性のあるドラマの楽しみを伝えたい」というコンセプトが前提としてあった。松さんが演じた巻真紀は、つらい過去を乗り越え普通の暮らしを手に入れようと努力する過程で夫に逃げられるという、孤独な女性だった。

苦労を経験しても、諦めずにしっかり人と関わっていこうとするひたむきさは、とわ子にも共通するところだ。ただ、「『カルテット』の巻真紀さんは、撮影中に台本をいただいてはじめて、“巻真紀”さんじゃなかった、ということを知る、衝撃的なキャラクターでした」と松さんが振り返るように、途中までは、真紀の不幸な生い立ちを知らぬまま役を演じていたというから驚きだ。

「でも、連続ドラマならではの面白さというか、物語が展開してゆくスピードや内容すべてにおいて、テレビドラマの力を存分に楽しんだ結果のように思い、私としては、何が起きても驚かない、面白がれる状態でいられました。それは、『カルテット』のメンバー、私たちを見守ってくれた監督やプロデューサーはじめ、現場のスタッフの皆さんの力によるものも大きかったと思います」

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