狭まる境界

系統地理

はじめに

点線はプレート境界、青い太線は狭まる境界

プレートの境界は広がる境界狭まる境界ずれる境界に分けられますが、今回は狭まる境界を紹介します。
広がる境界がプレートの生成される場所とすれば、狭まる境界はプレートとプレートがぶつかり合い、消滅していく境界です。

大陸プレートと海洋プレートの衝突

大陸プレートと海洋プレートが衝突する狭まる境界では、重い海洋プレートが軽い大陸プレートの下に沈み込み、海底が6000m以上深くなった海溝が形成されます。最も深い海溝であるマリアナ海溝のチャレンジャー海淵では深さが-10920mになります。エベレストが標高8848mなのですっぽりと入ってしまう深さです。ちなみに海溝よりも沈み込みの浅く、幅の広い場所はトラフとよばれます。
 一方、大陸プレート側では、プレートの衝突により上へと盛り上がり、海溝と並行して弧状列島や大山脈が形成されます。海溝よりさらに沈み込んだ場所ではマグマが生み出され、弧状列島には火山前線(火山フロント)ができあがります。

日本の東北地方を一例として取り上げると、南北に走る奥羽山脈が火山前線となり、沖合に位置する日本海溝と並行しています。奥羽山脈より東側では沈み込みが浅いため、活火山を見ることはできません。(図中の緑の矢印間では活火山はない)
 また、2011年に発生した東日本大震災の震源地はプレートの衝突帯に位置していることがわかります。このように狭まる境界ではプレートが衝突し、大きな力が働くため、地震や火山活動が活発です。特に日本は、北アメリカプレートユーラシアプレート太平洋プレートフィリピン海プレートの4つのプレートがひしめき合う世界的にも珍しい場所です。

大陸プレート同士の衝突

軽い大陸プレート同士が衝突する狭まる境界では、地層が上へと押し曲げられ、高く険しい褶曲山脈が見られます。代表的なものがヒマラヤ山脈です。大陸プレートであるユーラシアプレートとインド・オーストラリアプレートのぶつかりによって年々少しずつ標高が高くなっています。ヒマラヤ山脈はかつて海の底に位置していたので、山頂付近から海でくらしていた生物の化石も発見されています。

大陸プレート同士が衝突する境界では地震はよく発生しますが、火山活動はほぼ見られません。プレートの境界全ての場所で火山があるわけではありません。(火山活動がない理由としては火山に必要な水が得られない、プレートの沈み込みが浅いことなどが考えられます。)

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