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問題解決手法「問題の明確化」とは?

2016年1月1日

問題解決手法「問題の明確化」とは?

本日は『問題解決手法「問題の明確化」』をお伝えいたします。

問題の明確化とは?

 問題の明確化とは、「あるべき姿、ありたい姿と現状の差(問題)を明確にし、どの問題を改善するのかを決定する」こと。決して「問題ありき」「対策ありき」ではない。本当の問題を明確にしないと問題は解決しない。

問題の明確化

問題とは何か?

「問題とは◯◯である」ときちんと定義することが重要です。

なぜなら、問題を定義しておかないと、、、

  • 解決策がとんでもない方向に行くことがある
  • 問題は、期待される状態ではないし、現状の問題点をそのまま記述することではない
  • 問題の定義は、特定の原因を選択することではない
悩んでる人物像

問題の定義は『ありたい姿と現状とのギャップのこと』である。

それは想いなど目に見えない「やりたいこと」ではなく、具体的な数値で表現される「やるべき問題」を選ぶべきである。そもそも問題解決というのは、経営から見て、売上や利益など業績が伸びてない問題を解決することが目的であるはず。重要度も緊急度も優先順位が高いので、本来やりたいことをやることではありません。

問題を明確化する基本3ステップ

①:「望まれる状態(基準・目標)と現状の差(ギャップ)を明確にする」

  • 【基準・目標水準がある場合、現在の基準水準を明確にする】
    ・現在の目標値・・・売上・利益・納期 など
    ・基準・・・規格・品質基準・原価基準 など
  • 【基準・目標水準がない場合は、次の観点から設定する】
    ・組織の方針・・・戦略・施策・方針 など
    ・周囲との比較・・・他社との比較・他部門からの指摘 など
    ・自分の役割・使命・・・達成すべき仕事・商品知識・仕事の能力 など
    ・顧客満足・・・顧客ニーズ
    ・将来の必要性・・・変化に対応する為の資源(ヒト・モノ・カネ・知識・情報)

②「ありたい姿・あるべき姿と現状との差(ギャップ)を明確にする」

現状把握の為に、ありたい姿と現状とを比較して差異をつかみ、「現状の問題」を明らかにする。

③:「取り組む問題テーマを決める」

会社方針・目標や期待効果、実現性などの観点から、明確にした問題を評価し、取り組むべきテーマを決定しましょう。基本的には、ブレインストーミングなど他人の意見を否定せずに、様々な視点から自由な意見をぶつけましょう。このタイミングでは、できる限りたくさんの意見を出すことが重要です。

多くの意見の中から一番困っている問題や経営に直結する問題などを取り上げますが、上司ともしっかり話し合ってテーマを決めていきましょう。チームだけで行う物ではなく、どのような問題解決であれ、多くの関係者を巻き込みますので、上司や関係者とはコミュニケーション取りながら進めていきましょう。

問題を見つけ出す7つのポイント

 作業者自身に「問題意識」がないと「問題点」が見つかることはありません。与えられた仕事を漠然と言われた通りにこなしているだけでは、何も見えてきません。日頃から、自分が楽になる方法や後工程に良い品質の製品を渡す事を意識して仕事をすれば、自然に「問題」は見えてきます。

  1. 「やりにくい作業はないか?」
    普段の業務で、困っていることや悩んでいることはないかを書き出します。4M(人・機械・方法・材料)という4つの視点で見ると整理しやすくなります。
  2. 今の方法はベストなのか?
    基準との比較は、正常であることの判断基準にもなります。基準は数値化ができるので目に見えることで整理しやすくなります。
  3. よい状態と現状の差はどうなのか?
    過去と比較して、現状はどうなのか?という視点で問題を見つけることもできます。
  4. 現状と標準との差を知っているか?
    標準は現時点で持っtも良いやり方とされるやり方や条件のことです。基準と違い数値化するのが難しいですが、標準が守られてない場合はそこを問題として捉えることができます。
  5. 他工場、他工程との比較をして、現状を見てみるとどうか?
    他部署との比較をして、何が問題かを探っていくこともできます。
  6. 後工程からの苦情を知っているか?
    次の工程やお客さまからクレームや苦情がきている場合は、問題が起きていることは明白です。需要な問題として受け止めましょう。
  7. 社方針・課方針など、チームの方針を把握しているか?
    普段、自分がやっていることや自部署で起きていることを会社の上位方針との比較してみると問題が見つけやすくなります。

問題を見つける4つの視点

  1. 「お客さま視点で物事を考える」
    あなた自身が商品を購入して使う側の立場になると、分かりにくい・使いづらいといったことが見えてくるようになります。
  2. 「工場や会社内の汚れている部分を見る」
    工場の機械が汚れていれば油が漏れている可能性もありますし、机の上が書類で山積みになっていれば、何か問題が起きた可能性もあります。汚れている部分を見れば問題が起きている工程がよく分かります。
  3. 「慌てている人や急いでいる人を見る」
    だいたい、仕事ができる人は、常に余裕を感じさせる動きで仕事を行っています。しかし、仕事ができない人ほど、慌てて忙しいようにも見えますが段取りが悪かったりでいつも忙しいように見えてしまうのです。
  4. 「仕事の成果物を見る」
    期待していた仕事の成果が出ないときは、そのプロセスに問題が隠れています。成果が出てない仕事のプロセスを見える化していくと問題が見えてきます。

最も悪い影響を与えている問題点から解決しよう

①:すべての問題を同時に解決するのが理想

しかし、ことわざにもあるように「二兎追うものは一兎も得ず」と、限られた資源の中で最も効果を出すには、一度に多くのことは出来ません。ですので、自社にとって、どの問題点を優先的に解決しなければならないのか問題にフォーカスすることを考えなくてはなりません。これを“重点指向”と言います。

②:重点指向する6つのポイント

  1. 緊急度・・・この問題の緊急度は?影響範囲や被害の度合いがどれほど大きくなるのか?
  2. 効果・・・この問題の効果は?どの程度のコスト・品質・安全・保全の効果が予想されるか?
  3. 共通度・・・この問題を解決すると、どれだけの人が助かるのか ?
  4. 難易度・・・自分たちで解決できる のか?他社や他部署の力が必要か問題か ?
  5. 上位方針・・・会社の進むべき道と合致しているのか?
  6. 投資額・・・問題解決のために、お金がどの程度必要なのか?(なるべく費用を使わない改善を)  

まとめ

問題の明確化とは、「あるべき姿、ありたい姿と現状の差(問題)を明確にし、どの問題を改善するのかを決定する」ことです。まずは、この問題の定義をきちんとしておかないと、関わる人がみんなバラバラの方向に進むと、効果的な問題解決どころか、結果を出せないダメ会社となってしまいます。

「問題とは何か?」という言葉の定義を決めるだけで、何を今後どうするべきなのか?が分かってきます。ぜひ、あなたも問題の明確化を上手く活用してみてください。

【注意点】:ベテランであるほど問題に気付かないこともある?

私はトヨタ自動車を退職し、独立後、食べれない日が続きました。その時に、派遣社員として働いていた工場でのことです。その会社は、ダイハツ工業に自動車の車体部品を製作し納入していました。

私は、プレス工場のブランクライン(BL)にコイルをセットする仕事を任されました。しかし、コイル置き場には100本以上のコイルがありますので、「次にどのコイルをセットすればいいのか?」分からないため、一本のコイルを探すのに1〜2分かかる状態でした。

しかし、ベテランさんも同じようにコイルを探すのに時間はかかっているものの、何の疑問も持たずに作業しているのです。私はすぐに改善し、「次コイルがどこにあるか?」を一目で分かるようにしましたが、ベテランであるほど「今の作業が当たり前」になって、本当にこれでいいのか?と疑問を持てなくなってしまうのです。


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