爆風スランプ デビュー40周年に25年ぶり再始動、26年ぶり新曲&10月末ライブツアー決定

スポーツ報知
【右】再始動する爆風スランプの(左から)バーベQ和佐田、サンプラザ中野くん、パッパラー河合、ファンキー末吉【左】1992年のアーティスト写真

 8月にデビュー40周年を迎える4人組バンド・爆風スランプが25年ぶりに再始動することが29日、分かった。節目の年を前に、サンプラザ中野くん(63)がメンバーに呼びかけて実現。「IKIGAI(生きがい)」をテーマにした26年ぶりの新曲(タイトル未定)のリリースと、ライブツアー(10月31日から3都市4公演)の開催が決まった。4人は本紙などの取材に応じ、再始動への思いを語った。(加茂 伸太郎)

 「かなり久々」という新しいアーティスト写真の撮影だったが、雰囲気は当時と変わらないまま。和気あいあいと進んだ。

 4人そろって写るアルバム「アジポン」(1992年)のアー写を再現。当時のものと見比べ、ファンキー末吉(64)は「2人(サンプラザ中野くん、パッパラー河合=63)は変わっていない。それがすごい」と感心。中野くんから「河合さんは弁髪がなくなった。末吉は肌を出すと思ったけど、出さなかった」とツッコまれると「俺(おなか)ブヨブヨやもの(笑い)」と照れた。

 爆風スランプは99年に活動休止した。2005年、07年、10年に一夜限りの復活を遂げたが、本格的な再始動は四半世紀ぶり。中野くんが「40周年だし、いいバンドだからやろう」と節目の年を前に提案。3人も「大歓迎」(末吉)、「待ってくれている人がいる。ケジメをつけないといけない」(河合)と呼応し、実現に至った。

 「暖かい日々」(98年)以来26年ぶりの新曲は「IKIGAI(生きがい)」をテーマに制作する。これまでは末吉、河合、バーベQ和佐田(64)が選曲会議にメロディーを持ち寄り、そこから中野くんが詞をつけていたが、末吉は「やり方を変えて、3人が作ったメロディーをつなぎ合わせて曲にする。作詞は中野、作曲は(残りの)3人でやる」と示唆。中野くんは「俺の中では『Runner』『旅人よ~The Longest Journey』に続くイメージ」と話し、新たなヒット曲の誕生を期待した。

 ツアーは10月31日の愛知公演(名古屋E.L.L.)からスタート。11月4日の兵庫公演、同7日の東京公演には、中国を拠点に活動する末吉が現地でドラムを務めるバンド「BuYi」が来日し参加予定。中野くんは「集まってライブをするだけじゃなく、意味を持たせられれば」と話した。

 和佐田は「バンドって奇跡だと思う。うまい人たちが集まったから、いいバンドになる訳じゃない。気が合うから、いいものができるわけでもない。今回、集まって奇跡の続きをやる。活動期間よりも、休んでいる期間の方が長いバンドが動き出すんだから。すごいこと」と意義を強調。4人が再び輝きを放つ。

 ◆爆風スランプ 「爆風銃」「スーパースランプ」のメンバーにより、1982年結成。84年CDデビュー。89年江川ほーじん(ベース)が脱退。現在はサンプラザ中野くん(ボーカル)、パッパラー河合(ギター)、ファンキー末吉(ドラム)、バーベQ和佐田(ベース)の4人組。88、89年に紅白歌合戦出場。ヒット曲は「大きな玉ねぎの下で~はるかなる想い~」「リゾ・ラバ―Resort Lovers―」など。

 〇…新曲のテーマを決めた中野くんは「IKIGAI」をローマ字表記した理由に「『生きがい』ってすごい言葉。最近、日本ではあまり使われていないけど、ワールドワイドな言葉になっているから」と説明。自身の生きがいには「歌を歌うこと。自分がメロディー、リズムに乗れた時に感じます。もう一つは阪神タイガース」と話した。河合は「健康に生きること。それが(生きがいというか)楽しいね。4人が健康で、そろって活動できるのはありがたいこと。天の恵みですよ」としみじみ。末吉も「爆風スランプは青春時代を一緒に過ごした仲間。同朋のような感じだね」と振り返った。

芸能

×