仕事の悩み

3秒で解ける力価計算|分かりやすく図解で解説!(確認問題10個あり)

超簡単!|3秒で解ける力価計算【現役薬局長が解説します】 仕事の悩み
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力価計算ってなんか苦手。
素早く答えを出す方法は無いの?
この際、しっかり理解しておきたい!

このような疑問にお答えします!

この記事の内容
  • 力価計算は公式で3秒で解けます
  • 力価計算の公式を理解しよう
  • 実際に問題を解いてみよう

力価計算って最初は誰でも戸惑うものです!
良く理解できていない方も大丈夫!

どこよりも分かりやすく図解で解説!
素早く回答できる公式を紹介!
公式理解⇒臨床現場でよくある力価計算の問題10個を用意!

この記事の信頼性

2015年入社で現役薬局長(管理薬剤師)
毎年教育担当も経験しております!

この記事を読めば

たった5分で力価計算をマスターできます!
もう「力価計算が出来ない…」なんて言わせません

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1.力価計算は公式で3秒で解けます

力価計算は公式で3秒で解けます(楽にしている人と大変そうな人の絵)

力価計算には以下の2種類あります。

以下より、2つの計算公式を見ていきましょう!

成分量から秤取量(製剤量)を求める計算

力価計算の公式(原薬量⇒秤取量)
公式を主に使うタイミングは?
  • 処方箋が成分量表記で記載されていた場合に、実際に秤量する重さを計算する時
  • 錠剤を散剤や水剤等へと剤形変更する際、等価の力価になるように秤取量を求める時

【公式】 秤取量(製剤量)=パーセントの数に10を掛けて、原薬量を割るだけ!

例題で解説すると以下の通りです。

実際に公式を当てはめて計算すると?

つまり、200÷200=1g/day(製剤量)

これで終わり!
3秒で解けたはずです!

次に、秤取量(製剤量)から成分量を求める力価計算の公式を見てみましょう!

秤取量(製剤量)から成分量を求める計算

力価計算の公式(秤取量⇒原薬量)
公式を主に使うタイミングは?
  • 秤取量で記載された薬剤が、添付文書上の適正範囲内の用量が確認する時
  • 散剤や水剤を等価の力価になるように別剤形の薬剤に変更する時

上記の公式は、前項の公式である

【公式】秤取量=成分量÷(10×%の数字)

を移項(いこう:方程式において左辺と右辺にある項を反対側へ移動すること。)
させると

【公式】成分量=秤取量×(10×%の数字)

という公式が出来上がります!

この公式を使えば、水剤や散剤もこの公式1つで簡単に解けます!

えっ、超簡単!
でも、騙された感じでスッキリしないなぁ…

そんな方のために、以下でこの公式が導かれる理由を解説します!
次に、例題を10問用意したので理解度チェックをしてみましょう。
これで10分後にはあなたも力価計算マスターです!

公式を覚えるだけでは、処方箋の記載方法が異なると解けなくなるので注意です!
次項で公式が組み立つ理由を理解し、力価計算を確認するのは今日で最後にしましょう!

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2.力価計算を理解しよう

力価計算を理解しよう

この項目では『言葉の定義』を理解した上で『公式の導き出し方』を解説しました。

「力価計算が理解できない!」という方には、そもそも言葉の定義を理解してない方も多いため、ここでしっかりおさらいしておきましょう!

言葉の定義を理解しよう

原薬量と秤取量の意味の理解

言葉の定義が分かっていないと次の説明が理解できないので、一度ここで整理しましょう。

  • 力価
    ⇒力の強さを表すもの。つまり、力価計算とは薬の強さを調べるための計算。
  • 秤取量(製剤量)
    ⇒秤量した際の製品自体の重さ。薬は有効成分のほかに、飲みやすさ等と工夫するための添加物が含まれている。そのため〈製剤量=原薬量+添加物等〉となる。
    アスピリン原末等の原末製剤はすべて有効成分となるため〈製剤量=原薬量〉となる。
  • 原薬量(成分量)
    ⇒有効成分量のこと。薬は原末でない限り、すべてが有効成分ではないので注意。原薬量と成分量は同じ意味。
  • 原末
    ⇒製品に添加物は一切含まれていない100%有効成分のもの。
     つまり、秤取量(製剤量)=原薬量となる。
  • %(パーセント)
    ⇒製剤量1g中に含まれる原薬量の割合い。
    20%は製剤量1g中に原薬量0.2g=200㎎(1g×0.2で算出)である。
    ⇒水剤の場合も同様に、製品量1mL中に含まれる原薬量(㎎)の割合である。
  • 単位変換
    ⇒1g=1000㎎
    ⇒1㎎=1000㎍

散剤および薬剤の「薬名」および「分量」については、従来「g(mL)記載は製剤量、mg記載は製剤量(原薬量)」のように、暗黙の了解として重量(容量)単位により判別・記載している例がありました。

しかし、ヒヤリハットの多発により
「薬名は製剤名」「分量は秤取量(製剤量)」を記載すること基本とすべきであり、例外的に分量を原薬量で記載した場合には、必ず【原薬量】と明記することとされています。

現在では、基本的に秤取量(製剤量)で記載されていますが、手書き処方箋の場合は㎎表記で原薬量とも記載されていない処方箋が来ることがあります。

その際、原薬量か製剤量かの判断が難しい場合は疑義紹介することをオススメします。

事前知識は以上です。

次項では公式の導き出し方を解説します。

公式の導き出し方を学ぼう

秤取量(製剤量)の求め方

「比の計算の方が分かりやすい!」という方向けに
以下では『求め方その2』を解説します。

秤取量(製剤量)の求め方~その2~

以上より、以下の公式が導き出せます。

【公式】製剤量=原薬量(成分量)÷(パーセントの数×10)

もし公式を忘れても
『%(パーセント)は製剤量1g(水剤の場合は1mL)中に含まれる原薬量(㎎)の割合いである』を理解していれば簡単に導き出せます。

次に、秤取量(製剤量)から原薬量を導く公式が出来るまでを見てみましょう!

原薬量(成分量)の求め方

小学校の割合の計算だね♪
変に難しく考えすぎてたかも♪

では、以下より本当に理解できたかのテストをしてみましょう!

3.実際に力価計算の問題を解いてみよう

実際に例題を解いてみよう

では、ここからは実際に臨床現場で使用する力価計算問題を解いてみましょう!
これがすべてできるようになれば、あなたも力価計算マスターです!

問題1

セフジニル細粒小児用10% 1回40㎎(1日120㎎)【原薬量】
毎食後 7日分の全秤量数を求めよ。

120÷(10×10)=1.2g(製剤量)/日
1.2×7日分=8.4g

問題2

アセトアミノフェン細粒20% 1回0.5g 
1日3回まで使用可 7回分の全秤量数を求めよ。

※今回1回0.5gは製剤量であることに注意!通常、処方箋はg表記の場合は製剤量とみなすので注意してください!

0.5×7回分=3.5g

問題3

アスピリン原末 1回0.5g
1日3回毎食後 10日分の全秤量数を求めよ。

今回は原末です。原末はすべて有効成分のため、製剤量=原薬量となります。

0.5g×3回分×10日分=15g

問題4

メプチンドライシロップ0.005% 1日50㎍ 【原薬量】
1日2回 朝食後・就寝前 10日分の全秤量数を求めよ。

※今回は原薬量が㎍であることに注意。一度、㎎に変換する必要があるため

50㎍÷1000=0.05㎎(原薬量)
0.05㎎÷(0.005×10)=1g/日
1g×10日分=10g

問題5

カルボシステインシロップ小児用5% 1日300㎎ 【原薬量】
1日3回 毎食後 10日分の全秤量数を求めよ。

300㎎÷(5×10)=6mL/日
6mL×10日分=60mL

問題6

カルボシステインシロップ小児用5% 1日6mL
1日3回 毎食後 10日分の全秤量数を求めよ。

※今回は1回量がmL表記のため、製剤量である。

6mL×10日分=60mL

問題7

アセトアミノフェン錠200㎎ 3錠 3×毎食後 10日分の処方があった。
しかし、出荷調整のため錠剤が手に入らず、自店舗にあるのはアセトアミノフェン細粒20%ならある。
どうにか疑義紹介をして細粒に変更したいと考えている。
20%細粒に変更するためにはどう処方変更を提案し、全秤量数はいくら必要になるか?

①まずは、1日の原薬量を求めよう
⇒200㎎×3=600㎎(1日の原薬量)

②次に、1日の原薬量は20%散で換算すると何gの製剤量が必要なのか求める
(今までの力価計算と一緒)
⇒600㎎÷(20×10)=3g/日

つまり、アセトアミノフェン細粒20% 3g 3×毎食後 10日分に変更してもらえばOK
全量は3g×10=30g必要

問題8

体重10㎏の小児に以下の処方があった。

カルボシステインシロップ小児用5% 1日12mL 3×毎食後が処方されていた。
カルボシステインは通常体重1㎏あたりカルボシステイン(原薬量)として30㎎が有効成分量であるため、体重10㎏だと適正量は300㎎であることが分かっている。

この時、1日12mLが適正量か求めよ。

※今回は製剤量から原薬量を求め、適正量かどうかを確認してみる。

5%は1mL中に50㎎の原薬量が含まれている(5×10=50㎎/mL)。
そのため、12mLでは600㎎/日(50×12)の原薬量が含まれている。

つまり、適正量の2倍の量が含まれていることが分かるため、疑義紹介が必要。

(別解)臨床現場ではこちらがオススメです!

30(㎎/㎏の原薬量)÷(5×10)=0.6mL/㎏

つまり、カルボシステインシロップにおいては体重1㎏につき0.6mL必要と分かる。
これを覚えておけば『0.6×体重=カルボシステインシロップの製剤量』の公式が出来る!
※これは、他のシロップ剤は散剤でも作れる公式なので、現場で良く処方される薬剤は体重あたりの製剤量を覚えておくことですぐに適正量が算出できます。

問題9

ベポタスチンシロップ0.05% 1回1.25㎎ 【原薬量】
1日2回 朝食後就寝前 5日分
1回量が整数値となるように単シロップで賦形したい。
単シロップは全量で何mL加える必要があるか?

※1日の製剤量を出して、2で割れるか確認しよう

1.25㎎÷(0.05×10)=2.5mL/回
2.5mL×2=5mL
つまり、1日1mLの単シロップを加えればOK
よって、1mL×5日分=5mL(全量の単シロップ)

問題10(難問)

グルコン酸カリウム錠5mEq 6錠3×毎食後 10日分で処方があった。
しかし、出荷調整のためグルコン酸カリウム錠5mEqの在庫がなかった。

そこで、自店舗にあるアスパラカリウム錠300㎎(1錠あたりK値 1.8mEq)に変更できないか疑義紹介したい。
アスパラカリウム錠300㎎は1日何錠で処方提案すれば良いか?

グルコン酸KのK値は1日5mEq×6=30mEq
アスパラK300㎎1錠中のK値は1.8mEqのため
30÷1.8=16.6…≒17錠 ←誤りです!
※上記は大きな誤りのため注意しましょう!!

☞理由はカリウムは各製剤間で『生体利用率』が異なるからです。

アスパラカリウムとのK量の常用量上限比 1:0.4
アスパラカリウムへの換算式(目安の初回)グルコン酸KのmEq量×0.4=アスパラカリウムのmEq量

【正解】
グルコン酸KのK値
⇒1日5mEq×6=30mEq(グルコン酸Kの場合の1日におけるK値)
アスパラKはグルコン酸Kを1とした場合、0.4(40%)で同等の生体利用率がある。

そのため、上記をアスパラカリウムへの換算係数である0.4を掛けると
⇒30mEq×0.4=12mEq(アスパラカリウムで必要なK量)
12mEq÷1.8mEq/錠=6.6…≒7錠/日(アスパラカリウム300㎎の錠数)

カリウム値は生体利用率が異なるため、他のカリウム製剤から切り替える場合は注意しましょう!

\\参考リンクはこちら//

まとめ:公式を理解して臨床現場でもサクッと計算しよう!

公式を理解して臨床現場でもサクッと計算しよう!

今回紹介した公式を使用すれば簡単な力価計算であれば3秒以下でも解けるはずです!

最後に、今回の内容をおさらいしましょう!

公式

【公式】製剤量=原薬量(成分量)÷(パーセントの数×10)

公式を覚えるのではなく、本質を理解することが大切です。

臨床現場では素早く正確に計算する必要があるのでまだ苦手意識がある方は、このページをブックマークしておくか、画像をダウンロードしておき繰り返し練習してみましょう!

どうしても計算が苦手!という方は薬剤師電卓という選択肢があります。

私も持っていますが、力価計算が出来るだけでなく、体表面積や腎機能、余り計算や日数計算など11種類の計算がこの1台で迅速かつ正確に行うことが出来ます。

詳しくは以下の記事にて解説してますので、時間がある方はこちらの記事もどうぞ♪

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