残業30時間は多い方？少ない方？残業代はどのくらい？

1ヶ月残業時間が30時間は、サラリーマンの間では最も多い層になっているようですが、果たして残業30時間は多いのでしょうか?、それとも少ないのでしょうか? 今回は残業月30時間である場合において、残業代の目安やその使い方、残業すると得になる月・損になる月など、さまざまな角度からご紹介していきたいと思います。

• 残業に関する法規制
• 残業代の目安
• 残業30時間でも多いと感じる場合には→転職サイトおよび転職エージェントの活用

残業に関する法規制

労働基準法32条は、「使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について400時間を超えて労働させてはならない。
Ⅱ 使用者は一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について8時間を超えて労働させてはならない。」と規定しています。
これを法定労働時間といい、法が適法と認める労働時間です。

しかしながら、会社側としてはそれ以上の労働(残業)をしてもらいたい場合もあるため、その場合は労働基準法36条に基づいて、会社側と労働者側とで協定(三六協定)を取り結び労働基準監督署に届出ることで、定められた時間内での残業を合法化しているのです。ただし、三六協定を結んでいるからといって無制限にさせることができるようになるわけではなく、1ヶ月に許される残業時間の上限は45時間、1年間に許される残業時間の上限は360時間と定められています。

1年間でこの時間を守ろうとした場合には、1ヶ月当たりの残業時間は30時間に抑える必要が出てくるため、1ヶ月30時間残業する労働者が多くなるわけです。これを1日に換算すると、1ヶ月20日働いたとして、1日当たり2時間15分の残高をしているという計算になります。

ただ、それ以外の残業をさせることが必ずしも違法であるわけではなく、「特別条項」というものを付けていれば、その制限を超える残業をさせることが可能になりますが、これは一時的な特別の事情がある場合に限られているため、毎年可能になるものではありませんから、本来は年間360時間を守っていくことがノーマルで正しいスタンスであるということができます。

残業代の目安

残業代の計算方法は、時間当たりの基準賃金×1,25×残業時間となります。
基準賃金というのは、基本給のみならず、定常的に支払われる手当(家族手当や職務手当、資格手当など)も含まれます。基準手当から除外してもよい手当は、家族手当・通勤手当・別居手当・子女教育手当・住宅手当・残業手当などの変動する手当に限られます。

たとえば毎月の基準賃金か、20万円、残業を除いた労働時間が8時間、1ヶ月の労働日数が22日であるとすると、1時間当たりの賃金は1,136円になります。これに法律で義務付けられた割増賃金1,25倍が1時間当たりの残業代となり、残業時間が30時間の場合においては残業代は42,500円になります。残業時間1,35倍としてくれることもあり、その場合においてはその分増えることになります。1,25倍の場合であれば、基本給+手当が20万円の場合は、総支給額が24万円で手取りが20万円程度、30万円の場合は総支給額が36万円で手取りが30万円、40万円の場合は総支給額が48万円で手取り39万円程度になります。

ただし割増賃金の支払が義務付けられているのは、あくまでも法定労働時間を超える場合に限られることに注意を要します。すなわち労働基準法では週40時間の法定労働時間が定められており、たとえば勤務時間が１日8時間で週5日勤務の場合は残業代のすべてが1,25倍以上の割増賃金となります。しかしながら、祝日などで週4日勤務となった場合においては、1週間の勤務時間が32時間となるために、残業したとしても、1日の労働時間が8時間になるまでは割増賃金を支払わなくても良いことになります。

残業30時間でも多いと感じる場合には→転職サイトおよび転職エージェントの活用

残業30時間というのは、法定労働時間とも関係して、妥当な労働時間であると言えます。しかしながら、人によっては多いと感じる方もおられることと思います。サービス残業は問題外であるとしても、残業代をもらうよりも早く帰宅したいと考える人も決して少なくないことでしょう。

正社員ならそれくらい我慢するのが当然だと考える人もいるかもしれませんが、決してそんなことはありません。働き方は自分で選ぶものです。残業が20時間以下で、定時で帰宅することができる会社は一定数あり、転職しようと思えば十分可能です。無論給与面では譲歩を余儀なくされるとしても、総合的に検討していことが重要になります。ただし求人票を信じることは危険です。

残業10時間程度と表示しながら実際には40時間以上というような場合もあるし、残業代が出るのは10時間程度であとはすべてサービス残業というような会社もあります。転職する場合には応募する企業がそのような会社でないかどうかしっかりと見抜く必要があります。そのためにも転職サイトのみならず、あらゆる面から転職をサポートしてくれる転職エージェントを活用することが必須のこととなります。

転職エージェントにおいては、企業の内部事情を教えてくれる場合もありますし、そもそもあまりにもひどいブラック企業を排除してくれているのです。それ以外にもキャリアの相談に乗ってくれたり、履歴書の作成補助、面接の練習などといったものをしてくれますし、何よりも自分に適した仕事・希望している仕事を多数紹介してくれるのです。

もちろん、それとは別に転職サイトをも有効活用していく必要があります。転職サイトは求人を探すだけではなく、自分の強みや市場価値の診断をすることができたり、またスカウトサービスを使って好条件の非公開求人からオファーをもらうことができたり、さらに場合によっては書類選考や1次面接が免除されることもあります。転職エージェントとの面接は土曜日・日曜日であっても可能であることから、働きながら転職活動を進めていく場合においても柔軟に対応してくれるので
働きながら転職活動を進める場合であっても柔軟に対応してくれます。