美容師の社会的地位向上に必要なこと

美容師の社会的地位は、お世辞にも全体的に高いとはいえないのではないのでしょうか。

せっかく専門学校に行き国家資格を取得、何年もかけて技術を習得してもそもそも給料が低い、休みが少ない、過当競争で価格競争に巻き込まれる。これだとせっかく楽しい美容師という仕事だけどちょっと辛いですよね。

美容師の社会的地位向上は十分に可能だと私は思っています。

どうしたら世間一般的に美容師ってすごい!とか、なりたい!と憧れる職業になるのか。

美容師歴20年越えの私が美容師の社会的地位向上のための考えをまとめてみました。

-至田 健三(しだ けんぞう)-
・美容師歴24年/美容室2店舗の経営者
・10年連続グループ売上No.1
・最高月間指名売上200万円以上
・100名以上の美容師の育成に携わる

 

美容師の平均年収と日本の平均年収の違い

ここで言う社会的地位とは、収入と労働環境の良さを指します。

生活をするのにお金は必要です。野球選手やサッカー選手など、スポーツ選手の年俸が数億円と聞くと、やっぱり夢がありますよね。

そしてお休みも心身をリラックスさせたり、視野を広げるためにもとても重要です。

美容師も努力をして、自分の技術向上や人格形成のための勉強などをし、やっとの想いで一流になっていく。

なのにカット代などを安くしないとお客様が来ない、数をこなすために営業時間が増え、拘束時間も長くなるような悪循環があります。

過去の美容師の条件と今の比較

私が美容師の仕事を始めたのは2000年からで、当時は初任給16万円程度で社会保険はついていませんでした。

営業時間は10時間で休憩時間は30分、それも取れない日のほうが多く、営業後に2時間くらいの練習をこなして毎日帰りは23時くらいでした。お休みは月6日〜7日で有給はありません。

練習を見てくださっていた当時の先輩方にはただただ感謝の気持ちしかありません。

2023年現在は、当社の条件は初任給20万、完全週休2日、営業9時間、休憩1時間、有給休暇は法定通り。

初任給で比べてもこれだけの差があります。

条件はかなり良くなった!と言えますが、一般企業に比べるとまだまだ低い条件です。

過酷な労働環境からの脱却と技術習得

労働基準法内の働き方がだいぶできてきた2023年現在の美容業界。

そもそも労基法を守っていないマイナスな業界でしたので、当時の私の目標は「労務法律に乗っ取った健全なる経営をする」でした。

この目標はマイナスからプラスマイナス0にする目標です。

美容師は技術が1番大切で、時間を使って自分の手を動かして習得するしかありません。そのためには営業以外にレッスンが必要不可欠です。

サロンによっては暇な時間を使ってレッスンしたり、ある程度練習したら先輩のヘルプに入りながらすぐ実践し、習得していくことも可能です。

きちんと練習してからじゃないと入客させてもらえないサロンもあり、大型店(他店舗展開してるサロン)に多いかなと思います。

その点、小規模サロンはオーナーが普段からスタッフと一緒に仕事してる場合、オーナーの考え方にもよりますが、常にスタッフの技術を見れるので割とすぐ入客判断が下るケースもあり、私もこの考え方です。

当社では練習会は週4日の営業前1時間のみ、夜の練習は無しでも2年以内のスタイリストデビューが可能となっています。

ですがスタイリストになることがゴールではなく、デビューしてからが本当のスタートラインです。

デビューは早い方がより多くの経験をつめるのでいいと言えるでしょう。

美容業界の過酷な労働環境の1番の要因はこの練習会の時間、あり方が大きな問題でしたが、2023年現在はだいぶクリアされてきた感じはあります。

これを過酷と捉えるか、楽だと捉えるかは自分次第かなと思います。

練習をたくさんしたり、自分のお休みを使ってでもセミナーに参加したり、撮影をしたり、表参道などのエリアに出向いてファッションの勉強をしたり、美容のことを多く考えることができれば営業の結果、売上や指名数に直結するのは今も昔も変わりありません。

SNSなどで技術の勉強を自宅で見たりオンラインセミナーもとても良いですが、やはり生で見た方がリアルでとても勉強になります。

過酷な労働だと思うか思わないかは、美容師という職業へ自分がどう向き合うかで決まると思います。

ストイックに結果を出したい人や、大好きすぎて四六時中美容のことを考えたい人もいれば、プライベートを充実させて推し活や趣味に時間とお金を使いたい人もいます。

美容師としてのあり方や環境も選択肢が増えてきているのかなと思います。

ちなみに当社は「美容を通じて関わる人全ての人生を豊かにする」 をモットーにしていますので、本人の意向を最大限尊重しています。仕事にストイックなスタッフもいれば、プライベート重視で楽しんでいるスタッフも様々ですね。

結婚してはいけない3Bと言われた過去とこれから

私が20代の頃、結婚してはいけないと言われていた3Bというものがありました。

美容師、バンドマン、バーテンダーです。

バーテンダーは夜の仕事で、すれ違いの生活になりがち。バンドマンは売れなければお金がない。美容師は朝から晩まで忙しいので帰りが遅く、家庭を犠牲にするし、給料も少ない。

こういったイメージの為、結婚してはいけない3Bと言われていました。

私は結婚して、今は3人の子供がいますが、問題なく結婚生活を過ごせていて、家族でディズニーランドに行くこともできています。

私は美容師歴20年以上のキャリアの中で、指名売上、店販売上が当社グループでNo1を10年以上続けています。そして売上のあるお店を買い取るという選択肢をいただきました。

お客様にもスタッフにも恵まれ、真剣に美容師と向き合ってきたからこそ、美容師を続けながらも今の生活を確保することができました。

美容師もやり方次第では、家庭と仕事を十分に両立出来ると思います。平日のイベント、子供の運動会や入学式の行事に参加するのも可能です。

美容師がお金を稼ぐには

社会的地位向上に、お金はとても大切です。

美容師がお金を稼ぐには、まずは売上をあげることが重要です。

個人の売上では指名をつけることが最重要と言えるでしょう。

また、管理職になればお店の売上をあげることにより、自分の評価をあげることができます。

オーナーになってもそれらは同じことです。

美容師としての魅力をあげるためには、技術力、人間性、コミニケーション力など様々な要素が必要です。

なんといっても経験の大きさがとても大切ですが、経験がなくても今すぐに売り上げを上げる土台を作ることができます。

それは「考え方」をプラスにすることです。

美容師は人と触れ合うことが必要不可欠です。

技術習得には時間がかかりますが、考え方はすぐにでも変わることができます。

生活に余裕が出ると社会貢献の気持ちが高まる

たくさんのお客様から支持をいただければ、売上が上がり、収入が増えるのが美容師の仕事です。

そして自分が満足できるくらいの収入、生活レベルになってくると社会貢献の気持ちが高まってくるものです。

心に余裕ができれば、人や社会に優しい気持ちを持てます。

困ってる人が目の前にいるときに、優しく手を差し伸べることができる、美容師ってそういう人が多いよね、って言われることが社会的地位を向上させることのひとつではないでしょうか。

でもそのためには自分の生活に余裕がないとできません。

いつも焦ってる人は、きっと目の前に困ってる人がいても気づかないで素通りしてしまうでしょう。

自分に余裕がなければ常に自分のことしか考えることができないのは当然ですからね。

身も心も豊かになるには、仕事での結果が必要不可欠です。

考え方をプラスに保ち、何事にも(お金や時間)余裕のある生活を目指したいものですね。

まとめ

社会的地位向上は決して簡単なことではありません。

他業種の方にうらやましがられる職業とは、そして子供達や若い世代の人たちからあこがれられる職業とは、「かっこいい」とか「キラキラしてる」とかそういった感情的に見られることもとても大切です。

ですがそのためにはお金と時間もそれなりに必要です。

私は18歳からこの業界にたずさわり、美容師が社会的地位向上をするにはどうしたら良いかを考え、美容師っていいよね!って業界全体で言われたいという思いが大きくなっていきました。

真剣に美容師という職業と向き合い、大切なお客様にヘアーを通じてハッピーをお届けする。素敵なヘアースタイルを作ることによってそのお客様の人生をかえる力が美容師にはあります。

私も実際に担当したお客様が、面接うまくいったよ、とか彼氏彼女ができた!などすごく嬉しいご報告を聞いたことも多々あります。

ほんとに嬉しかったです。

日々練習を頑張っている美容師さんがたくさんのお客様を笑顔にして売上をたくさん上げ、収入とお休みがさらに増えていき、心も身体も豊かになり、社会貢献ができる業界になるために、これからも真剣に取り組んでいきたいですね。

その為のアクションとして、是非皆さんも明日から考え方をプラスにして、結果を残せる美容師を目指して頑張りましょう!!

求人に関するお問い合わせはお気軽にLINEにて^^

友だち追加