データ項目は,システム開発の情報の基本単位となる情報といえます。データ項目は,データ項目同士に継承や結合関係を定義することで階層化できます。
次にデータ項目の階層化について説明します。継承関係による階層化では,データ中心アプローチで提唱されているドメインの概念を辞書に採用できます。重複する内容をその度に定義する必要がないため,定義作業の効率化を図れます。データ項目の継承関係および結合関係は,相互に組み合わせることもできます。
- データ項目の継承
継承とは,共通の性質を持つ上位に位置づけられたデータ項目から,下位に位置づけられた複数のデータ項目にその性質やデータの表現形式を引き継ぐことです。例えば,日付を表すデータ項目「年月日」のように,システムで共通の性質と形式を持つデータ項目をグルーピングして,継承関係の上位のデータ項目(これがドメインに相当します)として定義します。そして,「営業日」,「受注日」および「発注日」を,同じ日付の性質を持つデータ項目として,下位のデータ項目に定義します。
この継承の例を,図1-3に示します。
図1-3 データ項目の継承の例
- データ項目の結合
結合とは,複数のデータ項目を連結して定義し,そのデータ項目の集まりを一つのデータ項目として扱うことです。COBOLの集団項目,C言語の構造体の考え方に相当します。例えば,商品を識別するためのデータ項目「商品コード」では,まず,「商品大区分」,「商品区分」および「色区分」を定義したあと,これらのデータ項目を結合して定義します。
この結合の例を,図1-4に示します。この例の「商品コード」のように,複数のデータ項目で構成されるデータ項目を「結合項目」といいます。また,結合項目の構成要素となるデータ項目を「構成項目」といいます。
図1-4 データ項目の結合の例
なお,レコード構造は,SEWB+/RECORD DEFINERでも定義できます。
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