縁故採用とは?企業側のメリット・デメリットや、応募する場合の注意点を解説

2023年5月12日

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Izul広報チーム

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縁故採用は一般的な採用方法とは異なり、友人や知人から紹介を受けた企業に採用されます。似た言葉にリファラル採用がありますが、縁故採用とはいくつかの相違点があることをご存じでしょうか。また、縁故採用を提案された場合は、注意点を踏まえて検討することも大切です。本記事では、縁故採用の概要やリファラル採用との違い、企業側のメリット・デメリット、応募する際の注意点について詳しく解説します。

縁故採用とは

縁故採用とは、縁によるつながりによって採用されることです。社員や役員の知人や友人を誘う形での採用に至った場合は、縁故採用と判断してよいでしょう。ただ、近年では縁故採用を禁止する企業もみられます。
リファラル採用やアルムナイ採用など、縁故採用と混同されやすい採用方法との違いから縁故採用を禁止する理由まで詳しく解説します。

リファラル採用との違い

リファラル採用は、縁故採用と同じく社員が自身の会社に人材を紹介する採用方法です。知人や友人を紹介する点は縁故採用と共通しています。リファラル採用と縁故採用の大きな違いは、通常の採用フローをたどるかどうかです。
リファラル採用は、採用する人材の候補者との接点を作るものであり、通常の採用フローをたどります。一方、縁故採用には裏口入社のような側面があり、選考フローをたどらない・1回の面接で採用が決まる・条件を満たさなくても採用する、などの特徴があります。
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アルムナイ採用との違い

アルムナイ採用とは、企業の退職者を再雇用する採用方法です。退職した人物とつながりがある現職の社員を介して再就職を促します。通常の採用フローをたどらないのであれば、縁故採用の意味も含みます。
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縁故採用を禁止する企業も増えている

縁故採用を禁止する企業が増えているのは、現職の社員が不平等に感じる恐れがあるためです。苦労して入社した会社に、コネだけで入社した人物がいると仕事のモチベーションが下がったり、キャリアアップへの関心が薄れたりします。
また、縁故採用が多い場合、企業が活性化せず組織が安定しません。簡単に入社した人物がキャリアアップを目指して努力するケースは少ないため、企業の成長や安定を考えるのであれば最小限に留めるか禁止した方がよいと考えられている場合もあります。
そして、入社した人物からしても、縁故採用された恩があることで退職しづらくなります。縁故採用は、企業側と入社者のどちらにもデメリットが大きいため、禁止する企業も少なくありません。

縁故採用を行う企業の特徴

縁故採用は、優秀な人材を確保するというよりは、人材確保や採用コストなどの問題を解消するために行われます。縁故採用を行う企業の特徴について詳しく解説します。

募集しても応募がこない

募集しても応募がない場合、縁故採用による人材確保が検討されます。募集しても応募がない主な理由は、以下の通りです。

  • 業務内容に対して報酬が低い
  • 競合他社よりも待遇が悪い
  • アクセスが悪い
  • ニッチなジャンルで適任者が少ない

縁故採用を提案された場合は、待遇や所在地などの情報を十分に確認しましょう。

社員の定着率が低い

ある程度の人材は確保できているものの、定着率が低くて頻繁に人材を募集している企業は、縁故採用を行う傾向があります。縁故採用された人物は退職しづらいことを狙っていると考えられます。

採用コストを下げたい

人材の採用には、求人サイトでの募集や転職エージェントとの連携などに数十万円~数百万円ものコストがかかります。縁故採用であればコストはほとんどかかりません。そのため、採用コストを下げたい企業は縁故採用を行うことが多いでしょう。

縁故採用を導入する企業側のメリット・デメリット

縁故採用を禁止している企業がある一方で、縁故採用を積極的に行っている企業も少なくありません。これは、縁故採用にメリットがあるためです。縁故採用を導入する企業側のメリットとデメリットについて詳しく見ていきましょう。

縁故採用を導入するメリット

縁故採用を導入するメリットは、採用コストを削減できることと、選考辞退・早期退職のリスクが低いことです。また、紹介者から自社の現状を伝え、双方同意のもとで採用できるため、ミスマッチのリスクも低いでしょう。

縁故採用を導入するデメリット

縁故採用は、自社が求める条件を満たさない人材や企業風土とマッチしない人材でも採用せざるを得ないケースがあります。そのような人材を採用すると、業務に支障をきたして他の従業員の負担が大きくなり、退職者が増える可能性も否定できません。そのため、企業の成長や安定を目的とするならば、縁故採用はベストな採用方法とはいえないでしょう。

縁故採用に応募する際に押さえたいポイントと注意点

縁故採用は、求職者にとっては楽な選択と思えるかもしれません。しかし、ミスマッチによって早期退職することになれば、その後の転職活動に影響が及びます。そのため、縁故採用に応募する際は次のポイントを押さえておくことが大切です。

通常の選考よりも不採用のリスクが少ない

縁故採用は通常の選考よりも不採用になりにくいため、他の企業に関心がある状態で安易に選考を受けるべきではありません。また、企業は縁故採用でほぼ確実に人材を確保できると考えているため、入社の気持ちがない場合は選考を受けない方がよいでしょう。

社風・働き方・配属先は徹底的にリサーチする

縁故採用がどれだけ楽な選択肢だと思っても、入社するかどうかを安易に決めてはいけません。早期に退職すれば自身のキャリアに影響が及ぶだけではなく、企業側にも迷惑がかかります。やむを得ない事情により退職する場合は仕方がないとしても、調査不足によるミスマッチに気づけず入社する事態は避けましょう。

在籍社員から不公平感を抱かれる可能性がある

縁故採用は、通常の採用フローではなく、1回のみの面接や面接なしで入社が決まることが多い傾向にあります。そのため、現職の社員から不満の声が出る可能性があります。周りの社員に受け入れてもらえず、働きづらさを感じるかもしれません。

入社後の紹介者との関係には注意が必要

入社後、紹介者と採用された側で上下関係ができる可能性があります。縁故採用を提案した側は、採用された側に恩を売ったと考えているかもしれません。縁故採用は、双方にメリットがある手法のため、どちらかが優位な立場になるものではありません。縁故採用の選考を進める場合は、知り合いだからこそ今後の関係も踏まえて慎重に進めるべきです。

まとめ

縁故採用は、現職の社員や役員などの紹介によって人材を採用する方法です。早期に人材を確保できる可能性があるものの、ミスマッチのリスクも高い傾向にあります。そのため、人材側としても企業風土や経営方針などをチェックして、自身に合う企業かどうかを十分に確認する必要があります。縁故採用を提案された場合は、今回解説した内容を参考に提案を受けるかどうかを検討しましょう。

監修者・續 慶一

續 慶一

同志社大学を卒業後、教員兼某大学サッカー部監督を経て、大手外資系金融機関へ転職。その後、国内大手人材会社の人事を経て、起業。現在は人事コンサルティング、採用コンサルティングを自身が経営する会社で行いつつ、株式会社Izulには1人目の社員として入社し、現在は執行役員として従事。また九州大学の起業部にて事務局長を務める。
現在は、急成長のベンチャー企業、第二創業期に入っている企業など、様々な企業の役員や人事責任者とやりとりを行いコネクションを築いており、また自らキャリアセミナーや人事交流会などを積極的に開催しております。

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株式会社Izulの広報チームが運用。20代〜30代の若手ハイクラス層から、圧倒的支持を獲得中。働き方や転職のコツなど、キャリアに役立つ情報を発信していきます。

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