煎茶
100 gあたりの栄養価 | |
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エネルギー | 8 kJ (1.9 kcal) |
0.2 g | |
0.2 g | |
ビタミン | |
リボフラビン (B2) |
(4%) 0.05 mg |
ナイアシン (B3) |
(1%) 0.2 mg |
パントテン酸 (B5) |
(1%) 0.04 mg |
ビタミンB6 |
(1%) 0.01 mg |
葉酸 (B9) |
(4%) 16 µg |
ビタミンC |
(7%) 6 mg |
ミネラル | |
ナトリウム |
(0%) 3 mg |
カリウム |
(1%) 27 mg |
カルシウム |
(0%) 3 mg |
マグネシウム |
(1%) 2 mg |
リン |
(0%) 2 mg |
鉄分 |
(2%) 0.2 mg |
銅 |
(1%) 0.01 mg |
他の成分 | |
水分 | 99.4 g |
ビオチン(B7) | 0.8 µg |
カフェイン | 0.02 g |
タンニン | 0.07 g |
浸出法:茶 10 g/90 °C 430 mL、1分 | |
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%はアメリカ合衆国における 成人栄養摂取目標 (RDI) の割合。 |
煎茶(せんちゃ)は、日本で作られる緑茶の製法の1つ[2]。広義には深蒸し煎茶を含み[3]、深蒸し煎茶を含まない狭義の煎茶を区別のため普通煎茶と呼ぶ事もある[3]。
煎茶は中国の同種の茶種が江戸時代前期に明から日本に伝わって発展したものである。
日本の煎茶と中国緑茶は茶葉の発酵を止める(殺青)方法が異なり、日本では蒸熱(蒸す事)により茶葉の酵素を失活させて製造するのに対し、中国では釜で炒って加熱する方法が一般に用いられる。
なお少数ではあるが日本にも釜炒り茶が存在し、釜炒り製玉緑茶がこれに相当する。
定義[編集]
公益社団法人日本茶業中央会は以下のように煎茶を定義している:
茶葉を蒸熱、揉捻、乾燥して製造したもの[4]
一方、深蒸し煎茶は下記のように定義されているため、深蒸し煎茶は煎茶に含まれない:
煎茶と同様な製造で、茶葉の蒸し時間を煎茶の 2 倍以上の時間で製造したもの[5]
消費者庁の食品表示企画課による食品表示基準Q&Aにおいても、上記と同一の分類が採用されている[6]。
それに対し全国茶生産団体連合会・全国茶主産府県農協連連絡協議会の説明[3]では深蒸し煎茶も煎茶の一種としており、深蒸し煎茶を含まない狭義の煎茶を普通煎茶と呼んでいる[3]。
茶業以外ではさらに広義に煎茶に玉露も含める場合もある[7]。
名称の由来[編集]
最初に茶が日本に伝わった平安初期には茶葉を煮出して飲む「煎茶法」(せんちゃほう)で茶を飲むのが一般的で[8]、「煎茶」の名称はこの手法による[8]。
しかし今日では煎茶はその名に反し、茶葉を湯に浸してそのエキスを飲む「淹茶法」(えんちゃほう)で飲むのが一般的である[8]。この方法は江戸時代前期に明から伝わったものである[8]。
歴史[編集]
当初の「煎茶」は文字通り「煎じる茶」の意味で、茶葉を湯で煮出すことによって成分を抽出するため今日のように急須で手軽に淹れられるものではなかった。中世以降の日本における茶の服用方法には「煎じ茶」と茶葉を臼ですりつぶした「挽茶」があり、当初は摘んだ茶葉を蒸すか湯がくかして酸化酵素の働きを止め日光と焙炉(ほいろ)により乾燥させるものだったが、近世には「揉み」の行程が入るようになっていった。永谷宗円が青製煎茶製法を開発したことにより現在の煎茶の製法が確立・普及し、山本嘉兵衛(山本山の創業者)が江戸で煎茶の商業的成功に至ったことにより、急須で出せる茶(「だし茶」)は現在の日本茶の主流となっている。
明治時代以降、手揉みにかわる能率的な機械製法が考案され、現在では蒸熱、粗揉、揉捻、中揉、精揉、乾燥の6工程で製造されている。品質としては形状が細く針状のものを良とし、香気は特に一番茶新芽の新鮮な香りを保持したものが良い。また、滋味には特有の旨味と適度な渋みのバランスが重要である。このような品質上の特性を重視することから、その製造工程においては茶葉の短時間の蒸熱とそれに続く低温乾燥というきめ細かな注意が払われている。
淹れ方・飲み方[編集]
急須に一人当たり2 - 3グラムの茶葉を入れ、お湯を注ぐ。上級の煎茶で70℃、中級煎茶で80 - 90℃が適している。30秒から2分待ち、茶碗に少しずつ順番に注ぐ[9]。
水出し緑茶(冷茶)は、急須に茶葉を多めに入れ、冷水を注いで5分待つ。専用のティーバッグを使う、お湯で淹れて氷に注ぐ方法もある[10]。
脚注[編集]
- ^ 文部科学省 「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
- ^ “煎茶と緑茶の違いとは?用語の意味を知ってお茶をさらに楽しむ”. 煎茶堂東京. 2021年6月5日閲覧。
- ^ a b c d “茶ガイド-全国茶生産団体連合会・全国茶主産府県農協連連絡協議会”. www.zennoh.or.jp. 2024年3月26日閲覧。
- ^ “緑茶の表示基準”. 公益社団法人日本茶業中央会. p. 21. 2024年3月19日閲覧。
- ^ “緑茶の表示基準”. 公益社団法人日本茶業中央会. p. 21. 2024年3月19日閲覧。
- ^ 消費者庁 食品表示企画課 (平成27年3月(最終改正 令和3年3月17日消食表第115号)). “食品表示基準Q&A”. p. 24. 2024年3月20日閲覧。
- ^ “玉露(ギョクロ)とは? 意味や使い方”. コトバンク. 2024年4月30日閲覧。
- ^ a b c d #橋本 p.12.
- ^ “日本茶の淹れ方”. NPO法人日本茶インストラクター協会. 2017年4月24日閲覧。
- ^ “おいしい冷茶のつくり方 4つの方法”. All About. 2017年4月24日閲覧。
出典[編集]
- 橋本素子『日本茶の歴史』淡交社、2016年7月6日。ISBN 978-4473041449。