自民、政治刷新本部発足へ 岸田首相「政治への信頼回復が最優先課題」

政治への信頼回復が最優先、来週に政治刷新本部を発足=岸田首相
 1月4日、岸田文雄首相は4日の年頭会見で、政治への信頼回復こそが最大かつ最優先の課題だとの認識を示し、自民党内に政治刷新本部(仮称)を来週にも立ち上げると表明した。代表撮影(2024年 ロイター)
[東京 4日 ロイター] - 岸田文雄首相は4日の年頭会見で、日本が直面している状況を考えれば「政治への信頼回復こそ最大かつ最優先の課題だ」との認識を示し、来週にも自民党内に政治刷新本部(仮称)を立ち上げると表明した。党執行部、若手議員に外部有識者も加わり、政治資金の透明性確保や政策集団のあり方に関するルール作りを進める。
自民党の政策集団(派閥)の政治資金問題で、当局が国会議員の事務所などへ強制捜査に入ったり、複数の安倍派幹部を任意聴取したことを受け、会見では政治資金問題への対応に関する質問が相次いだ。
首相は、自民党の政治活動に厳しい目が向けられていることや、国民から疑念を持たれる事態を招いていることを「極めて遺憾に思い、心からおわびを申し上げなければならない」と述べ、改めて自身が先頭に立って信頼回復に努める考えを示した。
首相は、新設する刷新本部において、党として自主的に取り組むべき内容と、政治資金規正法などの法改正を必要とする内容を峻別して議論すると説明。1月中に中間的な取りまとめを行い、党のガバナンス強化に反映するとともに「必要があれば関連法案を提出する」と語った。
首相は、そもそも自民党の政策集団は政策を研鑽し、若手を育成することを目的としていたものだったが、「本来の目的から外れてカネやポストを求める場になっていたのではないか、こういった国民の疑念があることは深刻に受け止めなければならない」と述べた。
自身の自民党総裁選の出馬可能性に関する質問には、まずは政治の信頼回復に全力を尽くし、その上で物価対策をはじめとする先送りできない課題に一意専心で取り組むと説明。「現状において、それ以外、それ以降のことは何も考えていない」と語った。

杉山健太郎 編集:宮崎亜巳

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