スマートフォンの選び方
今や、生活に欠かせないアイテムとなっているスマートフォンですが、「機種や料金プランが多すぎて選べない!」とお困りの方も多いのでは? ここでは、OSやキャリアの違い、格安SIMの解説、主なメーカーと代表的なシリーズの紹介など、スマホ選びのポイントを解説します。
2024/3/4 更新
5Gとは、読み方は「ファイブジー」、「5th Generation」の略語で、「第5世代」の無線通信システムのことを指しています。アナログ携帯電話を第1世代として、スマートフォンが普及した第4世代の次の世代ということになります。5G通信システムの最大の利点は、「高速で大容量の通信が行える」「低遅延の通信が行える」「多数の機器に同時に接続できる」という点です。日本では、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルの4社が、2020年の春ごろからすでに提供を開始しています。使用可能なエリアは各社のホームページで確認することができますが、各社とも拡充中のため、現在は都市部が中心となっていて、4Gと同様に全国で使用できるようになるのは2025年前後との見方が多いようです。
iOSも、Androidも、ゲームやスケジュール管理、書類の作成・閲覧など、多数の魅力的なアプリを利用できるという点では共通しています。一部例外はありますが、大きな違いは、OSと端末を開発するメーカーが同じかどうか、また、それに伴うカスタマイズのしやすさなどが挙げられます。
iOSは、iPhoneのメーカーであるAppleが開発したOSです。iOSを搭載しているのは、Apple製品のみです。OSとハードのメーカーが同じであるため、最適な動作になるようにチューニングされているのが強みです。
Googleが開発したスマホ・タブレット向けのOSです。Androidは、メーカーの壁を越えて提供されており、世界中でAndroidを搭載したスマホが製造、販売されています。Google自体が発売しているスマホ「Pixel」シリーズもあります。
キャリアとは、携帯電話の通信サービスを提供する通信事業者のことです。自社のモバイル回線を所有する事業者のことで、日本では主にdocomo・au・SoftBank・楽天モバイルを指し、「MNO」と呼ばれることがあります。これに対して「MVNO」と呼ばれるのが、自社で回線を持たず「MNO」の回線を借りて通信サービスを行っている事業者です。キャリアを選択する際には、自分が使いたい端末を取り扱っているか、料金プランや通話エリアは自分のニーズに合っているかなどをポイントにしましょう。
MNO(Mobile Network Operator)は、日本語では「移動体通信事業者」。自社のモバイル回線を所有している事業者のことを指し、日本では主にドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイルを指します。つまり「キャリア」=MNOとなります。
MNOから選ぶ
格安SIMとは?
格安SIMとは、大手携帯電話会社よりも格安の料金で利用できる携帯電話サービスのことを指します。具体的には、格安SIMカードを提供する企業から、小さなICチップ「SIMカード」を購入し、それを手持ちのSIMフリーのスマートフォンに挿入することで、通信が開始されます。大手携帯電話会社で販売されているスマートフォンは「SIMロック」といって、その通信事業者を使用した通信しかできないようになっている場合もありますが、SIMフリーのスマートフォンであればSIMカードを差し替えて使用できます。
スマートフォンを選ぶ際に大きなポイントとなるのが、画面サイズではないでしょうか。現在のスマートフォンは、3×4インチまでの小型スマホと、5インチ以上の大型スマホに大別できます。最近は、文字が見やすく、動画や電子書籍・マンガなどが見やすいという理由で5インチ以上の大型スマホが主流になりつつありますが、大型なだけに衣類のポケットに入らない、片手で持つと不安定、といったデメリットもあります。一方、3×4インチ程度の小型スマホは、片手で持ちやすく、ポケットなどに入れて持ち歩けるというメリットから、用途が通話中心の人にとっては使い勝手がよいです。自分のスタイルに合ったサイズを選びましょう。
スマホを世界に定着させた立役者ともいえる存在。「iPhone 15」「iPhone 15 Pro」「iPhone 15 Pro Max」「iPhone 15 Plus」など、サイズや仕様の異なるモデルが複数ラインアップされ、自分に合った製品を選びやすい点が魅力です。なお、「iPhone 15」シリーズでは、外部接続ポート兼充電端子を独自の「Lightning端子」から「USB Type-C」に変更されています。
Androidを開発・提供するGoogle製のスマートフォン。AI機能を駆使したカメラ性能のほか、最新のAndroid OSをいち早く搭載している点も注目です。新OSへのアップデート保証期間も長く、手持ちのスマホを最新OSで長期間使えます。Google Pixel史上最も明るい画面で、4台の高性能カメラも全面的にアップグレードされた最新モデル「Google Pixel 8 Pro」が人気です。
Androidスマートフォンとして日本でも長く親しまれ、世界的にも知名度の高い「Galaxy」シリーズ。フラッグシップモデルだけでなく低価格帯の製品においてもカメラとディスプレイの性能に定評があります。約5,000万画素の広角カメラと、暗い場所での写真や動画も明るく色彩豊かに再現するナイトグラフィーカメラを搭載した「Galaxy S23」が人気です。
コストパフォーマンスにすぐれたスマートフォンとして注目されている「Xiaomi(シャオミ) 」。日本ではフラッグシップ機種の「Xiaomi」、Xiaomiの廉価機種「Redmi」、ゲーミングスマホの「POCO」の3シリーズを展開しています。最短19分でフル充電可能な「Xiaomi 13T Pro」が人気です。
FCNT株式会社(旧:富士通コネクテッドテクノロジーズ株式会社)が展開する「arrows」は、日本国内の自社工場で製造されている国産スマートフォン。割れにくいディスプレイ、防水・防じん性能の高さ、ハンドソープで洗える機能など、安心して使うことができるシリーズといえるでしょう。
高性能なSIMフリースマホとして知られる「ZenFone」シリーズ。電動駆動式のフリップカメラを搭載したフラッグシップモデルや、長時間バッテリーを搭載しゲームプレイにも適した製品など、ASUSならではの独創的なラインアップが特徴です。手に馴染むサイズと軽さが特徴の5.9型5G対応スマートフォン「Zenfone 10」が人気です。
スマホは搭載しているバッテリーの容量により、一度の充電で連続使用できる時間が異なります。現在、一般的なバッテリー容量は3,000〜3,500mAh程度で、4,000mAh以上のバッテリーは大容量といってよいでしょう。一度の充電で長時間使用したい人は大容量のバッテリーを搭載した製品を選びましょう。
バッテリー容量から製品を探す
スマホに掛かっているロック(キャリアや機種ごとの制限)が解除されている端末のこと。端末を購入した会社のSIMカードだけでなく、割安なMVNO事業者のSIMカードを挿入して利用できます。
スマホに内蔵された本体一体型のSIM機能のこと。遠隔操作で契約情報を書き換えられるようになっているため、設定が書き込まれたSIMカードが届くのを待ったり、扱いにくい小さなSIMカードを差し替えたりする必要がありません。
「無線LAN」とも呼ばれ、家庭やオフィス、公共機関に設置された無線LANブロードバンドルーターを経由してインターネットに接続できる機能です。ほぼすべてのスマホがWi-Fiに対応しています。
ヘッドセットやイヤホン、キーボードなどをワイヤレスで利用するための通信規格で、ほぼすべてのスマホに搭載されています。接続が簡単で、消費電力も小さく、手軽に利用できるのが特徴です。
スマホをかざすことでデータを通信するための機能です。現在は、無線LANブロードバンドルーターの設定や、写真などのデータ交換などの用途で使われています。
スマホの通信回線を利用し、ノートパソコンやタブレット端末などをインターネットに接続する機能です。外出先でWi-Fi環境にないときなど、ポケットWi-Fiなどのモバイルルーター代わりにスマホを利用できるので、便利です。
連絡先など、テキスト中心の軽量なデータをスマホ同士でやり取りするための通信機能です。フィーチャーフォン(ガラケー)時代は一般的な機能で、現在も国内メーカーのスマホを中心に赤外線通信機能が搭載されています。
スマホをタッチすることで、買い物の支払いをしたり、駅の改札を通過したりすることができる機能です。国内メーカーだけでなく、AppleもiPhone 7/7 Plusより対応し、広く普及しています。
Apple独自の決済サービスです。iPhoneなどの端末をお財布代わりにして支払いが可能。「Suica」や「PASMO」などの交通系ICにも対応しており、交通機関の利用も可能。そのほか、「iD」、「QUICPay」などにも対応しています。
※PASMOは、iPhone8以降対応
水にぬれても故障せずに使用できる機能です。雨や水滴に耐える生活防水から、水没した状態でも利用できる完全防水まで、製品によって耐久性に差があるので、購入時に確認しましょう。ホコリに強い防じん性能を備えたモデルもあります。
GPS衛星を利用して、スマホの現在位置情報を取得するための機能です。目的地までのルートをナビゲーションする場合などに有効な機能で、現在、ほぼすべてのスマホに搭載されています。
イヤホンのケーブルを差し込む端子のこと。ワイヤレスイヤホンの普及により、イヤホンジャックを搭載していないスマホが増えています。有線イヤホンを使用している人はスマホ購入時に注意が必要です。
フルハイビジョン(フルHD)の約4倍の情報量を持つ、高精細な映像を撮影可能です。なお、フルハイビジョンの解像度が1,920×1,080ドットなのに対し、4Kは3,840×2,160ドットです。カメラの性能を重視する人はチェックしておくとよいでしょう。
スマホでテレビ放送を受信できる機能です。「フルセグ」の最大解像度が1920×1080であるのに対し、「ワンセグ」の最大解像度は320×240です。そのため、携帯電話(ガラケー)であれば、ワンセグの画質で十分でしたが、大型のスマホではワンセグでは画像が粗くなってしまいます。スマホで高画質の放送を楽しみたい人はフルセグ対応のスマホを選ぶとよいでしょう。
高解像度を意味する「ハイレゾリューション」の略。ハイレゾ音源はCDよりも音の情報量が豊富で、より原音に近い音を楽しむことができます。スマホで頻繁に音楽を聴く人や音質を重視したい人に最適な機能です。
主に2016年モデル以前のAndroidスマホの充電口に使用されている端子です。コネクタは「台形状」で、この形に合わせるよう上下を合わせて差し込みます。スマホ以外にも、デジタルカメラやモバイルルーター、モバイルバッテリーなど、幅広く使用されています。
iPhoneやiPadなどのiOSデバイスで使われている端子。Apple独自の端子として開発され、iPhoneやiPad、Apple Watchの充電や同期に使用されています。「平たい楕円形の形状」が特徴で、表裏の区別がありません。なお、「iPhone 15シリーズ」の充電端子は、汎用規格である「USB Type-C」が採用されています。
2015年ごろに登場した、上下左右を対称の形にしたUSBコネクタ。端子の上下を問わずに挿入可能で、最新のAndroid端末などに採用されています。なお、USB Type-C規格に対応しているPCや周辺機器は両端が同一の形状の製品が多いため、この規格で統一できるようになったことが大きな特徴です。
スマホを充電器に置くだけで充電することができる機能のこと。充電のたびにコネクタを抜き差しする手間がなく、コネクタの接触不良を回避できるほか、複数のワイヤレス充電対応機器を1つの充電器で充電できます。
スマホの画面をテレビやディスプレイに出力するための端子です。
HDMIと同じく、スマホの画面をテレビやディスプレイに出力するための端子です。microUSB端子と機能を兼ね、コンパクトな設計が可能です。
どのような種類のゲームをプレイするかにもよりますが、スマホでゲームを快適にプレイできるか否かは、「大容量ストレージ」「高性能CPU」「高いリフレッシュレート」を搭載しているかどうかで決まります。スマホでゲームを楽しむことを重視する人は、下記のスペックなどを参考に、プレイしたいゲームに適したスペックを備えたスマホを選びましょう。また、メーカーによっては、ゲームアプリの処理に特化した「ゲーミングスマホ」も発売されています。
参考スペック iPhoneの場合
参考スペック Andoroid端末の場合
携帯電話番号ポータビリティ制度を利用すれば可能です。
現在使用している電話番号のままで他社に乗り換えることができるサービス「MNP」(携帯電話番号ポータビリティ)を利用します。現在利用している通信事業者からMNP番号を入手し、それを新たに使う通信事業者に伝えることで、電話番号を変えずに利用できます。
場所(エリア)や時間帯などで速度差が出る可能性はあります。
各MVNOはデータ通信時の通信速度を公開していますので、参考にするとよいでしょう。ただし、格安SIM事業者であるMVNOは、大手キャリアMNOから回線を借りて運用しているため、混雑しやすい場所・時間帯などでは大手キャリアと速度差が出る可能性があります。
手続き次第では、使用できない期間が発生する可能性もあります。
MNP転出手続きを行ってから新しいSIMカードが手元に届くまでの間、使用できない期間が発生する可能性もあります。それが困る場合は新しい格安SIMが到着してから切り替えができる「即日MNP」が可能な事業者を選択するとよいでしょう。
1GBで通信できる目安を参考にしましょう。
スマートフォンを使用して1GBで通信できる目安を紹介します。Webページなら「Yahoo!」のトップページを3,000回程度、動画なら「YouTube」で4分40秒の動画を約86回、インターネット電話なら「Skype音声テストサービス」を約18時間利用できます。これらの数値を把握したうえで、自分の動画視聴時間、Webページの閲覧時間(回数)などから判断しましょう。
可能です。
1回の使用時間が購入直後の半分程度になったら、電池の寿命が近づいている証拠です。大手キャリアの製品はもちろん、格安スマホなどでも交換が可能です。有償交換のほか、メーカー保証の適用条件に当てはまっていれば無償で交換できる場合もあります。
できます。
割れてしまったスマホの画面を直すには、①スマホのメーカーに持っていく、②契約している携帯電話会社に持っていく、③修理専門のショップに持っていくというの3つの方法があります。なお、メーカーの有料保証プランに加入している場合は、無料で修理ができます。
内蔵ストレージ自体を増やすことはできません。
パソコンのように内蔵ストレージ自体を増やすことはできませんが、microSDカードを挿入し、写真や動画の保存先をmicroSDカードに設定しておく、既存の写真や動画をmicroSDカードに移動させる、などの方法は可能です。
できます。
最近は大手キャリア各社でも端末の購入や修理依頼などは電話・オンラインでの手続きが可能になっています。ただし、回線の解約や名義変更、契約者の氏名変更など、店頭でしかできない手続きもあります。また、オンラインでの契約しかできないサービス会社もあります。
国際ローミング
「Roam」とは「歩き回る、放浪する」の意味で、国内で契約をしている携帯電話などを海外でも利用できるようにすることを「国際ローミング」といいます。
速度制限
通信事業者の契約プランごとに定められているデータ通信量の上限を超えて通信を行うと、通信速度を低速に制限されることをいいます。
App Store
Apple社が運営するiPhone/iPod touch/iPad向けアプリケーションのダウンロードサービス。ゲームや音楽、映画、書籍など多数のアプリケーションをダウンロードできます。
Google Play
Googleが提供するコンテンツ配信サービス。Google Playストアにアクセスすれば、Androidスマートフォン/タブレットで使えるアプリや動画、音楽、電子書籍などを入手することができます。
MNP
MNP(携帯電話番号ポータビリティ)とは、今の電話番号そのままで他社に乗り換えることができるサービスのことです。
SMS
ショートメッセージサービスの頭文字を取ったもので、携帯端末間でテキストをやり取りできる仕組みのこと。国際規格のため専用のアプリなどを必要とせず、基本的に世界中の携帯端末同士で送受信できます。