選び方・特集

「辛いスナック菓子」定番から新作まで10製品をプロが食べ比べ!

花椒や唐辛子を使った料理を食べる「マー活」がブームになるなど、辛い料理がトレンドとして定着する中、スナック菓子もその勢いを増しています。

そこで今回は、大定番のロングセラーから意欲的な新作まで、辛さをウリにするスナック菓子を10商品ピックアップ。実際に食べ比べて「辛さ」や「うまみ」など、5項目で採点するとともに、それぞれの味わいをレポートしていきます。

辛いスナック大集合! 全体的にパッケージは赤と黒が多いですね

辛いスナック大集合! 全体的にパッケージは赤と黒が多いですね

【1】湖池屋「カラムーチョチップス ホットチリ味」

まずは発売から35年、辛いスナック菓子の元祖とも言うべきロングセラー「カラムーチョチップス」から。日本産じゃがいもを100%使用し、チリ(唐辛子)を絶妙にきかせたポテトチップスです。

内容量:55g、エネルギー:308kcal

内容量:55g、エネルギー:308kcal

べースの味は、コンソメ系の正統派。ポテトチップスのウマさを引き立てつつ、辛さもしっかり。辛みの奥に適度な酸味&ニンニク感があって、ついつい手が伸びてしまう好循環サイクルが形成されます。辛さは中間からジワッと来ますが、絶妙なレベルで、やり過ぎていないのがナイス。

適度な辛さとパンチ力が好バランス。さすがのロングセラー

適度な辛さとパンチ力が好バランス。さすがのロングセラー

【2】湖池屋「スティックカラムーチョ ホットチリ味」

湖池屋「カラムーチョ」シリーズからもう1品。昔からのファンにはおなじみの、スティックタイプです。たび重なる研究・開発によって生まれた、肉、野菜、チリ(唐辛子)によるウマさと辛さがおいしいポテトスナックです。

内容量:100g、エネルギー:541kcal

内容量:100g、エネルギー:541kcal

スライスのチップスと味の方向性は同じですが、形が異なることで食感や味わいも違います。まず、サクサク&カリカリとしたクリスピーな食感。そして、ついつい何本も束でつまんでしまい、1度に口に入る量が多くなりがちなため、香ばしさも味の濃さ(1ピースとしての味の濃さは同じ)も食べ応えも自然とアップします。

厚みもあるので、じゃがいものうまみも強い印象。スライスタイプよりも手が汚れやすいのですが、お酒に合いますし、個人的にはこちらのほうが好みです。

ザクザクと食べやすく、おやつ以外のシーンでも活躍します

ザクザクと食べやすく、おやつ以外のシーンでも活躍します

【3】東ハト「暴君ハバネロ」

発売当時は、その辛さで「ギネス世界記録」に認定された「暴君ハバネロ」。オニオン、チキン、ガーリックの風味に、メキシコ原産の激辛唐辛子ハバネロのパウダーを追加し、ウマさと辛さの絶妙なバランスを実現しています。

内容量:56g、エネルギー:304kcal

内容量:56g、エネルギー:304kcal

辛さだけではなく、ベースの塩味もしっかり。とはいえ、辛さはそこから余韻としてグイグイ引っ張って、ジワジワ残ります。食感は硬めでカリカリ、適度な厚みでじゃがいものうまみも豊か。酸味は弱めで、この点もあって辛さによりフォーカスされています。

なお個人的な余談ですが、東ハトと言えば、かつて「カラプルコ」という「なげわ」を辛くしたようなスナックが大好きでした。しかし、「暴君ハバネロ」の人気に押されたのか、消えてしまったのが残念でなりません……。

辛みはもちろん強烈ですが、塩味やうまみもあってヤミツキになります

辛みはもちろん強烈ですが、塩味やうまみもあってヤミツキになります

【4】カルビー「カラビー 厚切り ホットチリ味」

ポテトチップスのメーカーといえば、やはりカルビーは外せません。適度な辛さ、ニンニクや香辛料の刺激の余韻がクセになる、“うま辛”なおいしさが楽しめます。また、厚切りの波型で食べごたえも十分。

内容量:55g、エネルギー:304kcal

内容量:55g、エネルギー:304kcal

辛さは、「カラムーチョ」と同じく、バランスのよいタイプ。特徴のひとつが厚いギザギザのカットで、シャープなクリスピー食感がいいですね。味わいの奥には甘みもあり、焼肉のタレを辛くしたようなニュアンスがあります。

辛さをそんなに強くせず、うまみを重視しています

辛さをそんなに強くせず、うまみを重視しています

【5】カルビー「デリッシュタイム スパイシーチリ味」

まるで料理のような発想で、贅沢な味付けにこだわり抜いたという「デリッシュタイム」シリーズのひとつ。唐辛子の辛みを強調しつつも、ハチミツ、シナモン、リンゴなどを隠し味として使用しており、複雑でコクのある味わいが楽しめます。

内容量:50g、エネルギー:275kcal

内容量:50g、エネルギー:275kcal

新しい可能性を感じる辛さで、シナモンのフレーバーや、ポテトの薄いスライス感も、何となくオシャレ。“辛い”と言うよりは“スパイシー”な方向性で、赤ワインやサングリアがよく合いそうです。

全体的にオシャレな新感覚の辛いスナックです

全体的にオシャレな新感覚の辛いスナックです

【6】リスカ「ハートチップル」

「うまい棒」の製造でおなじみのリスカが、1973年に発売したロングセラー商品「ハートチップル」。じゃがいもではなく、国産のうるち米を使用した、ニンニクフレーバーがたっぷりきいたスナック菓子です。

内容量:63g、エネルギー:351kcal

内容量:63g、エネルギー:351kcal

久しぶりに食べてみて、辛さというよりはニンニク風味を感じましたが、それ以上にやっぱりウマい! 辛さはほんのりで、嫌みにならないニンニクのフレーバー。サクサクだけどフンワリとしているメリハリのある食感もいいですね。素材がお米というのも高ポイント。

また、味付けがしっかりしていて、香ばしさも秀逸。お酒にとても合うスナックだと感じました。生地は、軽やかながらしっかりとしたテイストで完成度が高く、ロングセラーになるのも納得です。

サクッと軽い食感と、ニンニクの香りで、おつまみにもぴったり

サクッと軽い食感と、ニンニクの香りで、おつまみにもぴったり

【7】ブルボン「辛烈(しんれつ)のポテルカ辛口麻辣仕立て」

ジワジワと来る辛みがクセになる、ブルボンの期間限定商品です。ベースの唐辛子に、黒胡椒や国産の和山椒によるシビれる辛みや、ニンニクや粉末味噌によるコクをプラス。食べ進めるごとに辛さが蓄積していくため、炭酸飲料やお酒との相性も抜群です。

内容量:75g、エネルギー:396kcal

内容量:75g、エネルギー:396kcal

「チップスター」に代表される、フレークを固める系のポテチならではの厚み、そしてじゃがいものうまみの凝縮感はさすがです。今回の10製品の中では、意外にも辛みが最大級。シビレはそんなにないので麻婆感も控えめですが、余韻としての辛さがずっしり。辛さにおいては、“パワフルなポテチ”だと言えます。

今回の商品の中で最も辛かったのがこれ。飲み物が欲しくなります

今回の商品の中で最も辛かったのがこれ。飲み物が欲しくなります

【8】湖池屋「ドンタコス チリタコス味」

「ドンタコス」シリーズは、湖池屋の定番トルティーヤチップス。とうもろこしを石臼で挽いて使った生地を「焼いて揚げる」ことで、焼いた香ばしさと揚げたサクサク感を両立させています。今回セレクトしたのは、野菜のうまみとスパイスが香る「チリタコス味」です。

内容量:58g、エネルギー:291kcal

内容量:58g、エネルギー:291kcal

サルサソースの奥にハラペーニョ的なピリ辛ニュアンスをプラスしたような、ラテンのノリを感じるアッパーなテイスト。改めて食べると、スナック自体のおいしさに感心させられます。

ソースの味も良好ながら、ベースのコーンのうまみも強く、何よりコーン独特のカリカリとした香ばしさがたまりません。トマトのうまみと酸味のバランスもよく、適度に甘みもあって完成度はピカイチです。

生地は香ばしく、辛・酸・甘のバランスが絶妙。完成度の高さが光ります

生地は香ばしく、辛・酸・甘のバランスが絶妙。完成度の高さが光ります

【9】おやつカンパニー「サクサクチー ホットチリチーズ味」

「ベビースター」で知られるおやつカンパニーからは、サクッと濃厚な「サクサクチー」シリーズをピックアップ。ノンフライで軽い食感に仕上げたチーズ風味のパフ生地の中から、スパイシーなチーズクリームが出てくる、新感覚のスナックです。

内容量:40g、エネルギー:194kcal

内容量:40g、エネルギー:194kcal

クリームチーズに甘みがあり、それが全体のイメージを決定づけている印象。辛さはチーズ感や甘みとは対照的に控えめですが、それがどっこい、かなりおいしい。サクサクに仕上げられた生地と、内部のトロトロチーズとの圧倒的な落差は何とも魅力的。このコントラストはもっと評価されていいし、白・赤どちらのワインにもすごく合うスナックだと思います。

辛さは控えめ。唯一無二のサクッ、トロッな食感が面白い!

辛さは控えめ。唯一無二のサクッ、トロッな食感が面白い!

【10】山芳製菓「ポテトチップス 男気七味マヨビーフ」

山芳製菓と言えば、まず思い浮かぶのが、大ヒット商品「わさビーフ」。「ポテトチップス 男気七味マヨビーフ」はその流れをくむビーフの風味に、七味唐辛子の辛みをプラスした、和のスナックです。ピリッと辛い濃厚なマヨネーズの味わいは、お酒のおつまみにぴったりです。

内容量:90g、エネルギー:476kcal

内容量:90g、エネルギー:476kcal

「わさビーフ」のツンとした辛さのニュアンスを、唐辛子のピリピリに置き換えた感じです。ただし、辛さはやさしめで、酸味も控えめ。これはマヨネーズによって中和されているからでしょう。ビーフのうまみや、さまざまな調味料の香りが強く、さらにマヨのパンチもあってジャンク感はなかなかです。

パッケージのイラストのとおり、ビールに合いそうな味わいです

パッケージのイラストのとおり、ビールに合いそうな味わいです

【まとめ】筆者的No.1はこれ!

今回は定番品から新顔まで、辛いスナック10品を食べ比べてみました。

どの商品もただ辛いだけではなく、その中に独自の食感やうまみが表現されていて、各メーカーの努力がうかがえます。その中から、筆者の個人的なNo.1スナックをいくつか紹介します。

●個人的オススメNo.1!
「スティックカラムーチョ ホットチリ味」
●辛さNo.1!
「辛烈のポテルカ辛口麻辣仕立て」
●意外性No.1!
「サクサクチー ホットチリチーズ味」
●もっと評価されていいNo.1!
「ハートチップル」

商品ごとに方向性はさまざま。皆さんがハマるのは、どの辛さでしょうか?

商品ごとに方向性はさまざま。皆さんがハマるのは、どの辛さでしょうか?

ちょっぴり刺激的なおやつに。お酒のおつまみに。はたまた料理のアクセントとして。辛い食べ物ブームを受けて、辛いスナック市場もますます盛り上がっていくでしょう。皆さんも本稿を参考に、お気に入りの1品を見つけてください!

中山秀明
Writer
中山秀明
食の分野に詳しいライター兼フードアナリスト。雑誌とWebメディアを中心に編集と撮影をともなう取材執筆を行うほか、TVや大手企業サイトのコメンテーターなど幅広く活動中。
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牧野裕幸(編集部)
Editor
牧野裕幸(編集部)
アイテム情報誌「GetNavi」や映画雑誌の編集者を経て「価格.comマガジン」へ。電動シェーバーやロボット掃除機といった白物家電のほか、加熱式タバコやホビー、フード、文房具、スポーツ、ファッションを担当しています。
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