海外赴任者を成功に導く!本当に必要な赴任前の研修とは?
海外赴任者は新しい環境、言語、文化に加え、異なる業務や役職を担うことが求められます。そのため、サポートや効果的な赴任前研修が不可欠です。
本コラムでは海外赴任者研修の必要性、その内容や学ぶスキル、役割について詳しく紹介します。
さらに、経営シミュレーションを活用した、マネジメント層としての意思決定のトレーニング方法について、その具体的な内容と効果を解説します。
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目次[非表示]
- 1.海外赴任者に必要な研修内容
- 1.1.異文化理解
- 1.2.語学研修
- 1.3.ビジネスマナーの理解
- 1.4.ストレスマネジメント
- 1.5.自身の役割理解
- 2.海外赴任者研修を受ける人の役職や役割
- 2.1.海外子会社社長や経営者
- 2.2.地域責任者
- 2.3.プロジェクトマネジャーやスペシャリスト
- 3.海外赴任がうまくいかない要因
- 3.1.文化や言語的な適応不足
- 3.2.適切なサポートが得られない(会社・家族)
- 3.3.業務や責任、能力のミスマッチ
- 4.海外赴任者に本当に必要な研修
- 5.海外赴任者研修には「Biz-Ex」
- 6.海外赴任者が経営シミュレーション研修に効果を感じている点
- 7.まとめ
海外赴任者に必要な研修内容
海外赴任する方は日本で働くことから大きく環境が変わるため、赴任に備えて研修を受けることをおすすめします。研修に必要な内容は下記5点です。
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上記が要素として必要なのですが、本当に必要な研修は「4章:海外赴任者に本当に必要な研修」で解説しています。
異文化理解
海外赴任者に必要な研修内容の1つとして、異文化理解研修があります。
なぜなら、日本人にとって自国以外の国や地域で働くことには戸惑うこともたくさんあるからです。
異文化理解は、海外での生活や仕事に慣れるための第一歩です。勤務先の土地特有の言葉、習慣、食文化などがあります。
それらを理解することでその土地で暮らす人たちへ尊敬と理解を示し、相互のコミュニケーションを円滑にするための基盤を築くことができます。
異文化を理解し、尊重することで、新しい環境と人々に対応する能力が高まります。
また、その国の方々と共通の理解を持つことで、地球の反対側でもスムーズなコミュニケーションが可能になります。
語学研修
海外赴任者には、語学研修の実施が必須です。
英語だけでなく、赴任先の国の公用語も学ぶべきです。
母国語以外の言語でコミュニケーションを図るのは、思っている以上に困難です。
従って、赴任者は実際の現地のビジネスシーンで使うフレーズや日常会話の基本を学ぶことは必要です。
また、言葉には文化が反映されます。
そのため、赴任先の国の言語を学ぶことで、現地の人の考え方や価値観、文化を理解する一助となります。
ビジネスマナーの理解
研修内容に含めるべきもう1つの要素は、赴任先のビジネス習慣やビジネスマナーの理解です。
日本のビジネス環境と海外のビジネス環境は大きく異なるため、新しい環境での礼儀作法や慣習を事前に理解し、尊重することは、現地の同僚や取引先と建設的な関係を築くために不可欠です。
ストレスマネジメント
海外で働くときには、物理的、精神的なストレスが避けられません。
新しい環境への適応、仕事上の問題、人間関係などからのストレスがパフォーマンスに影響を及ぼす可能性があります。
そのため、研修でストレスマネジメントを学ぶことで、赴任者が未知の環境や課題に対する自己制御力を向上し、建設的に対処できるようになり、職場でのパフォーマンスを維持・向上させることが可能となります。
自身の役割理解
赴任者は、赴任先での自身の役割を明確に理解することはもちろん、その役割をどのように効果的に果たすかを理解する必要があります。
なぜなら、自分が赴任先の現場で何をすべきか、何を期待されているかが分からなければ、目標に向かって進むことが難しいからです。
海外赴任者研修では、赴任者が新しい役割について具体的かつ詳細に学び、自分のポジションを明確にすることで自身の業績向上につなげることができます。
海外赴任者研修を実施する場合、文化やビジネスマナー、商習慣などについては、実際に赴任する国での活動経験がある社内外の講師に依頼するのがポイントです。
リアルな経験談交えた研修は受講者に大きな貢献をもたらすでしょう。
海外赴任者研修を受ける人の役職や役割
海外赴任者がどのような役割で赴任するのかは、企業の規模、業界、赴任目的、および個々の経験や能力によって大きく異なります。一般的な海外赴任者の役職や役割について紹介します。
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海外子会社社長や経営者
グローバルカンパニーなど大企業の場合、海外子会社の社長やCEOに任じられることがあります。
社長やCEOとしての役割は、子会社全体の業績責任を負い、戦略の策定と実行、チームマネジメント、予算管理など、広範な業務を含みます。
地域責任者
特定地域の業務全体を監督する役割。これには、営業、マーケティング、財務、人事など、さまざまな機能が含まれることがあります。
プロジェクトマネジャーやスペシャリスト
特定のプロジェクトを率いる役割。これは新製品の開発、新市場の立ち上げ、新たなパートナーシップの確立など、具体的な目標を持つプロジェクトに関連しています。
また、特別な技術や知識を持つ社員が、その専門能力を生かして海外の部署やプロジェクトに参加する役割。
以上のように、赴任者が海外で担う役職は多岐に亘ります。多くの場合は、日本国内での役職よりも高く、責任も大きくなります。
日本では身近に相談できる相手がいても、赴任先には相談相手が不在という場合もあり、自ら意思決定していく必要があります。
例えば、日本国内においては本社の課長級ポジションですが、海外現地法人の社長として赴任するというような場合があります。
海外赴任には責任と挑戦を伴い、赴任者はキャリアにおいてはとても貴重な経験を得ることができます。
しかしながら、赴任が決定してから現地で活動するまで、経営者の視点までビューポイントを高めていくための能力開発が不足しているという現実があります。
海外赴任者が期待されている役割を全うするために、短期間で現地法人のトップとして意思決定できるスキル・マインドを身に付ける必要があります。
海外赴任がうまくいかない要因
海外赴任は簡単なことではありません。うまくいかないことも多いです。うまくいかない要因3つについて紹介します。
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文化や言語的な適応不足
異なる文化環境に適応できなかった場合、コミュニケーションや人間関係に問題が生じ、業績に影響を与えることがあります。
仕事を円滑に進めるためには、現地の言語を理解し、それなりに会話できることが重要です。
言語の壁があると、業務効率が下がり、誤解を招くことがあります。
適切なサポートが得られない(会社・家族)
会社側からのサポートが不十分な場合、赴任者が新しい環境での生活や仕事に苦労することがあります。
会社側のサポートは、研修・教育機会の提供、住宅の手配、子どもの教育環境の用意などが含まれます。
家族を帯同する場合、家族が新しい生活に適応できないと、赴任者自身の精神的な負担が増え、業務に支障を来すことがあります。
業務や責任、能力のミスマッチ
海外赴任時、赴任者の責任が、日本国内にいるときよりも大きくなることが一般的です。
これまで培ってきた能力や経験と業務内容や担う責任が合っていないと、赴任者が期待される役割を発揮できず、ストレスが増えることもあります。
海外赴任者に本当に必要な研修
海外赴任者に本当に必要な研修 = 経営者の視点までビューポイントを高める『経営シミュレーション研修』 |
海外赴任者が期待される役割を発揮するためには、求められる能力を身に付けるためのトレーニングが必要です。
トレーニングの1種として、経営シミュレーションをおすすめします。経営シミュレーションとは、企業の経営状況や事業展開を模擬的に体験する手法のことです。
経営シミュレーションでは、事業の戦略立案から財務管理、マーケティングなど、企業経営に必要なさまざまな要素をシミュレートする最新のプログラムが使われます。
また、競争環境下での意思決定やチームでの課題解決なども行う場合もあります。
経営シミュレーションは、社員の経営視点の育成やリーダーシップ育成、意思決定能力の向上などを目的として用いられることが多いです。
シミュレーションであるため、大きなリスクを負うことなく、さまざまな策略や経営判断の結果を体験することができ、実際のビジネスシーンでの意思決定に役立ちます。
この経営判断力を学ぶことが本当に必要な研修なのです。
例えば、日本国内において課長級である社員が、海外現地法人のトップとして赴任する場合、経営全般について意思決定する訓練が不足しています。
しかし、赴任が決まるまで、本人には経営全般の意思決定についての学習ニーズがないため、ほとんどの場合、そのような学習が行われません。
赴任が決まると、経営全般について学習するニーズが発生しますが、赴任までに文化理解や言語習得に学習時間が当てられることが多く、経営視点での意思決定力の啓発までは手が回っていないケースが多いです。
そのため本当に必要な研修の機会が不足しているのです。
▼経営シミュレーション研修については下記で詳しく解説しています。
⇒経営シミュレーションとは?人材育成の新手法・研修について解説
海外赴任者研修には「Biz-Ex」
経営シミュレーションで経営全般の意思決定力を啓発するには「Biz-Ex」がおススメです。
Biz-Exは、高品質なビジネスエクスペリエンスを提供する経営シミュレーションプログラムです。
受講者は代表取締役社長となり、企業全体を見渡しつつ、6期間の経営活動を自分の意思決定によって進めます。
このプログラムの強みは、不確実性の高い時代でも市場拡大の見込みを図りつつ、SDGs対応、人的資本管理などの新たな経営視点を体感し、学習できることです。
Biz-Exを始めると、受講者はまず、現在の財務状況の理解とステークホルダーからの情報をヒアリングし、ビジネス環境を分析します。
引き継いだ会社の概要をつかんだ上で、経営方針や中期経営計画を策定します。
その後、策定した方針や中期経営計画に従って、経営の全領域にわたる意思決定を行います。事業の戦略立案から財務管理、マーケティングなど、さまざまな観点から企業経営をシミュレーションします。
そして、その結果としての経営成果が示されます。意思決定次第で売り上げは増減します。場合によっては資金がショートすることもあります。
受講者は、競争環境にあるマーケットの中で自分の意思決定はどのような傾向があるのか、業績は上げられるのか、利益は出せるのか、倒産しないかなど、リスクのない状況で体験することが可能です。
進め方はwebでのコーチングとセットで展開していきます。コーチからのガイドやアドバイスに沿って、意思決定をし経営活動を行っていきます。
webでのコーチングなので、スタート時は日本国内で受講を開始し、後半は赴任国で受講を続けるということも可能です。
海外赴任者が経営シミュレーション研修に効果を感じている点
Biz-Exを実際に受講し、その後海外に赴任した方(赴任前から赴任後にかけて受講した方含む)から寄せられた、Biz-Exを受講して効果を感じた点について、共通している下記3つを紹介します。
Biz-Exを受講して
- 意思決定スピードと質が高まった
- 戦略とファイナンスの学習ができた
- 現地配属前に短期間で経営の全体像の学習ができた
Biz-Exで社長の立場で意思決定の訓練を受けておくことによって、意思決定の際に何を確認すれば良いかについて体験的に理解できたため、現地での意思決定のスピードと質を高めることができたという声があります。
また、決裁権限規定により現地法人に大きな決裁権限が与えられていたとしても、社長がこれまで大きな決裁権を行使したことがないと決裁権を使わずに過ごしてしまうこともあります。
Biz-Exにより短期間で企業経営の全体像と意思決定の訓練をしておいたことで、現地で自信を持って決裁権を行使しながら活動ができたという受講者もいます。
▼ 海外赴任者の活用事例についてはこちらをご覧ください。
⇒海外赴任前から経営トレーニング~時間をかけずに経営力を身に付ける経営疑似体験~
まとめ
海外赴任者を成功に導く!本当に必要な「研修」について解説してきました。
海外赴任自体が大きな挑戦であることは間違いありませんが、適切な研修により成功に導くことができます。
異文化理解、言語、ビジネスマナーの理解、ストレスマネジメント、自身の役割理解を含む研修だけでなく、経営シミュレーションを通じた企業経営の全体像と意思決定の訓練をしておくことで、現地で役割発揮に必要な練習をすることができます。
大事な役割を担うにも関わらず、練習なしで実践することには高いリスクが伴います。
ぜひ経営シミュレーションを活用して個人の成長と組織の成果につなげ、海外赴任を成功に導きましょう。
LDcubeでは、これまでの集合研修をベースとした学びだけでなく、経営シミュレーションを取り入れた新時代の学びがもたらす可能性などを追求しています。
経営シミュレーション「Biz-Ex」のデモ体験などもご案内しています。お気軽にお問い合わせください。
▼関連資料はこちらからダウンロードできます。
▼ Biz-Exについての詳細資料はこちらからダウンロードできます(所要時間1分)
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