お金を渡すときのマナーを解説!結婚式や歓送迎会など、よくあるシーン別に紹介

お金を渡す時にはマナーがあります。結婚式のご祝儀や香典はもちろん、月謝や宴会代の支払いなど、日常生活にお金を渡す機会がたくさんあります。お金を渡すときは、渡す相手に敬意の気持ちを示すことが大切です。この記事ではシーン別のお金の渡し方のマナーや注意すべきポイントをご紹介します。

お金を渡すときのマナーを解説!結婚式や歓送迎会など、よくあるシーン別に紹介

お金を渡すときの基本的なマナー

お金を渡すときの基本的なマナー

お金を渡す時にはさまざまなマナーがあり、冠婚葬祭などフォーマルなシーンはもちろん、日常でも気をつけるべきことがあります。間違った渡し方をすると相手に失礼となりかねません。まずは、お金を渡す時の基本的なポイントをいくつかみていきましょう。

裸で渡さない

裸で渡さない

親しい仲間内でのやり取りであったとしても、お金をむき出しで渡すのは美しくありません。ものを包んで渡すという行為は、相手に対する敬意を表します。お金をやり取りする時は、封筒や懐紙で包みましょう。裸のままで渡すよりずっとよい印象を与えることができます。急に渡す必要ができたときなど、どうしても包むものが用意できない場合は、一言「裸で失礼しますが」と添えて渡すとよいでしょう。

入れる袋は場面に合わせて選ぶ

入れる袋は場面に合わせて選ぶ

水引や大きさなど、お金を入れる袋にはいくつかの種類があります。いつどれを使ってもよいというわけではなく、それぞれに使うべきシーンが決まっています。例えば、同じ慶事でも結婚式と出産祝いで袋を変えなければなりません。使い方を誤らないよう十分に注意しましょう。

お札の未使用・使用済や入れ方に気を付ける

冠婚葬祭のような改まったシーンで渡すお札は「新札」ばかりではありません。弔事ではしわや折り目がついたお札を使います。お札を入れる向きも異なるため、正しく入れる方法を知っておきましょう。

適切なタイミングで渡す

正しいタイミングでお金を渡すことも大切です。例えば、身内や知人の子供にお年玉をあげるとして、親の見ていないところで渡すのは避けましょう。こそこそとしたお金のやり取りはよくありません。渡す相手、渡す時のシチュエーションやその周囲の人に配慮したタイミングを心がけます。

シーン別に知っておきたいお金の渡し方のマナー

シーン別に知っておきたいお金の渡し方のマナー

お金に関する決め事はたくさんあります。ここからは具体的なシーンに分けて、大人として知っておきたいお金の渡し方をご紹介します。

結婚式のご祝儀

結婚式で渡すご祝儀は、水引がついた「祝儀袋」に入れます。水引の種類は「結び切り」(「一度きり」の意)や「あわじ結び」(「結んだらほどけない」の意)を選びましょう。蝶結びの水引は「何度もあっても良い」お祝いに使うもので、結婚式にはふさわしくありません。表書きには「寿(壽)」や「御結婚御祝」と書き、下に自分のフルネームを書きます。

ご祝儀には新札を使います。新札を用意することで「新しい門出をお祝いする」という気持ちを表すことができます。お札は中袋に入れますが、この時「お札の表側」と「中袋の表側」を合わせ、全てのお札の向きを揃えます。お札の表側とは、肖像画が書かれている面のことです。弔事の「不祝儀」以外はこの向きでお札を入れましょう。
結婚式で包む金額は、昔から「奇数」が良いと言われています。頭の数字で判断するため、3万円、5万円、10万円などが良いでしょう。2で割り切れる偶数は「割れる」や「別れる」という印象を与えるため、慶事では避けられます。ただし、9は「苦」を連想させてしまうため奇数であっても避けるほうが無難です。8は偶数でも末広がりのイメージがあるため、例外として受け入れられる風潮にあります。

包む金額によって袋を使い分けることも大切です。高額になればなるほどサイズが大きく、水引も豪華なものを使います。お店で売られている祝儀袋には金額の目安が書かれているため、わからなければ参考にしましょう。

祝儀袋は「袱紗(ふくさ)」に入れて持ち歩きます。裸のままでカバンに入れるのはマナー違反であり、袋の端が折れてしまう可能性もあります。慶事では赤やピンクなど暖色系の袱紗を使用します。紫の袱紗は慶弔どちらでも使えるため、ひとつ持っておくと便利でしょう。

葬儀の香典

葬儀の香典

お通夜や葬儀で渡す香典は「不祝儀袋」に入れます。包む金額が5,000円以下であれば、水引が印刷された簡易的な袋で構いません。それ以上の金額を包む場合は、本物の水引が付いた高級感のある袋に入れましょう。水引の色は黒白が一般的ですが、関西地方などでは黄白のものを使う地域もあります。表書きには「御霊前」や「御仏前」と書き、下に自分のフルネームを書きます。

ご祝儀とは異なり、香典には「新札」を使いません。新札を使うと「不幸を予期してあらかじめ準備しておいた」ような印象を与えるためです。ただしあまりにも使い古されたお札では見苦しいため、シワや折り目などがある程度のお札を選ぶようにしましょう。新札を用意してしまった場合は、軽く折り目を付けておきます。入れる金額は1万円、3万円、10万円あたりが一般的です。「お札の表側」と「中袋の裏側」を合わせるようにしましょう。ご祝儀とは逆の入れ方です。

ご祝儀と同じように、香典も袱紗に入れて持ち歩きましょう。弔事では紺やグレーなど寒色系の袱紗を使用します。すでに書いたように、紫の袱紗は弔事でも使えます。

お見舞金

身近な人をお見舞いする時に渡すお見舞金は「紅白の結び切りの水引がついた袋」に入れます。表書きには「御見舞」と書き、下に自分のフルネームを書きます。
新札は避けた方が無難で、お札の向きはご祝儀と同じようにします。包む金額は相手との関係性によって変わりますが、一般的には3,000円、5,000円、1万円など切りのよい数字が望ましいといわれています。4、6、9は「死」「無」「苦」を連想させるため避けましょう。

歓送迎会の寸志

寸志とは「わずかばかりの志」を示す言葉で、目上の人が下の人に渡すときに用います。歓送迎会などを開いてもらったときに、会を開いてもらった側が感謝の気持ちとして寸志を包みます。

寸志は「水引無しの熨斗袋」に入れます。表書きには「寸志」や「御礼」と記入します。会費よりも少し多目で、5,000円や1万円など切りのよい数字を選びましょう。幹事に渡すタイミングは歓迎会が始まる前が一般的です。

その他日常的に渡すお金

最後に、日常生活でお金を渡すシーンを見てみましょう。例えば、習い事の月謝を納める場合はお札を白の無地封筒に入れ、表書きには「月謝」の文字と自分のフルネームを書きます。ご祝儀のときと同じように、「お札の表側」と「中袋の表側」を揃えましょう。

また忘年会や新年会などの会費を払う時も、本来はきちんと封筒に入れて渡すべきです。フォーマルなシーンではないため細かい決まりはありませんが、お金の向きを揃えたり、封筒に名前や金額を明記したりと、幹事に対する感謝の気持ちをこめて渡しましょう。

まとめ

お金を渡すときはシーンによってさまざまな決まりごとがあります。いずれも大人の常識として覚えておくに越したことはありません。日常のちょっとしたお金のやり取りでも、少しの心遣いで相手からの印象が変わります。基本的なことをしっかりと理解して、渡す方も渡される方も気持ちよくやり取りできるようにしましょう。

ご留意事項
  • 本稿に掲載の情報は、ライフプランや資産形成等に関する情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の取得・勧誘を目的としたものではありません。
  • 本稿に掲載の情報は、執筆者の個人的見解であり、三菱UFJ信託銀行の見解を示すものではありません。
  • 本稿に掲載の情報は執筆時点のものです。また、本稿は執筆者が各種の信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性・完全性について執筆者及び三菱UFJ信託銀行が保証するものではありません。
  • 本稿に掲載の情報を利用したことにより発生するいかなる費用または損害等について、三菱UFJ信託銀行は一切責任を負いません。
  • 本稿に掲載の情報に関するご質問には執筆者及び三菱UFJ信託銀行はお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

RANKING

この記事もおすすめ