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東日本大震災の発生直後、広島からも大勢が緊急救援活動で被災地に向かった。広島市消防局総務課長補佐の中井英視さん(46)は10年前、緊急消防援助隊第1次派遣隊の副隊長。自らの経験と教訓を後輩に伝えている。【山本尚美】
2011年3月11日は非番で自宅にいた。落ち着かない気持ちで床に就いた午前0時過ぎ、職場から電話が入った。「消防庁から派遣要請があった。明朝6時には出てくるように」
12日、わずかな装備を積み広島を出発した。指示は「東に向かえ」だけ。13日朝に「宮城県名取市で救助に当たるように」と行き先を告げられた。東北自動車道は夜通しの復旧作業で緊急車両には通行許可が出たが、徐行が原則。はがゆい気持ちを抑え、唯一の情報源であるラジオに耳を澄ませた。夜、光の消えた名取市に到着し情報収集を始めた。地元の人は「閖上(ゆりあげ)地区が町ごと流された」と話した。
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