「私たちには居場所がない」中国残留邦人2世がコロナ禍で苦境に

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街頭で支援を訴える中国残留邦人2世ら=福岡市中央区で2021年4月4日午後1時41分、飯田憲撮影
街頭で支援を訴える中国残留邦人2世ら=福岡市中央区で2021年4月4日午後1時41分、飯田憲撮影

 1980~90年代を中心に永住帰国した中国残留邦人の子の世代で、老いた親の面倒を見るため中国から来日した2世たちが生活苦にあえいでいる。日本語をあまり話せないため職種が限られ、アルバイトなどで生計を立てている人が多い中、新型コロナウイルスの感染拡大で働き口を失ったり収入が減ったりしているためだ。行政の支援もなく、2世たちは「厳しい生活実態を知って」と訴える。

 4月4日、2世でつくる「九州地区中国帰国者二世連絡会」(約300人)のメンバー約10人が福岡市の繁華街でビラを配り、1世などを支援する中国残留邦人等支援法を2世にも適用するよう訴えた。その中に会長の小島北天さん(73)=福岡県志免町=がいた。

 小島さんは1947年、旧満州(現中国東北部)で生まれた。母は家族と満州に移ったが終戦時の混乱のため日本に帰れず、中国人男性と結婚して小島さんを産んだ。96年に永住帰国。小島さんも翌97年、母の面倒を見るため49歳で来日した。

 中国で生まれ育った小島さんは来日してから日本語を勉強。職に就いても同僚とのコミュニケーションに苦労し、清掃や飲食店のアルバイトなどを転々とした。就労期間が短いため現在、年金額は月1万9000円ほど。「中国では…

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