水道管、進む老朽化 全国で破損続出 全交換に140年

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地中から掘り出された古い水道管=大阪市中央区で2021年7月13日、柳楽未来撮影
地中から掘り出された古い水道管=大阪市中央区で2021年7月13日、柳楽未来撮影

 水道インフラの老朽化が全国で深刻な問題になっている。和歌山市では3日、紀の川に架かる水管橋が崩落して市民生活に大きな影響が生じ、生活インフラの大切さと維持の難しさが改めて浮き彫りとなった。いち早く都市基盤の整備が進み、水道管の老朽化率全国ワーストの大阪市の現場を訪ねた。

 水道管は地下に張り巡らされ、浄水場でつくった水を各家庭に届けている。しかし老朽化により腐食すると、断水や漏水の原因となる。厚生労働省によると、全国の水道管の総延長は約72万キロ。法定耐用年数の40年を超えた割合(老朽化率)は、2006年度末時点で6%だったが、年々増え続け、18年度末には17・6%にまでアップした。逆に、その年に更新された水道管の割合(更新率)は06年度が0・97%だったが、18年度は0・68%に低下した。毎年約5000キロが更新されているが、現在のペースでは全てを交換するのに約140年かかる。

 大阪市では、総延長計約5200キロのうち、老朽化率は49・2%(19年度末)で、全国の主要都市で最悪だ。市内には1955年以前に敷設された水道管が少なくない。この現場では、直径15センチの水道管を取り出すため、水道管の方向に沿って幅約80センチの穴を成人の背丈ほどの深さまで掘り進めていた。最後は作業員が穴の中に入ってスコップで掘り出した。作業員らは新しい管を地中に埋め込んで、上から土をかぶせた。

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