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国会議員が委員会などの前に質問内容を政府に伝える「質問通告」が、中央省庁の官僚たちに重い超過勤務を強いている。国会では昨年、早期通告を目指すことで与野党が一致したが、なお長時間労働は改善されない。議員の質問権を制約しづらい事情がある一方、一般とかけ離れた労働環境は、国家公務員のイメージ悪化や意欲の低下につながる。日本政府の機能さえ後退しかねない深刻な現状に、打つ手はあるのか。【遠藤修平、藤渕志保】
不夜城の長時間労働 「質問通告」に奔走
「職員たちは徹夜で対応をしなくてはいけなくなった。質問していただくのは結構だが、(答弁の準備は)30分では終わらないですよ」
3月4日の衆院経済産業委員会で、萩生田光一経産相が質問の束を手に取り、立憲民主党の新人議員に苦言を呈した。その議員に割り当てられた30分の質問時間に比べて「多すぎる」質問通告が、官僚の疲弊を招くと指摘したのだ。
「不夜城」とも呼ばれる中央省庁の長時間労働の要因の一つが、閣僚の答弁書作りなどの国会対応だ。
国会担当の官僚が与野党議員からの通告をもとに質問の詳細を聞き取り、答弁を担当する部局が振り分けられて作業に入る。
まずは何が振り分けられるか分かるまで、ほぼ全員の官僚が待機しなければならない。資料を調べて答弁を…
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