その生命保険は本当に「終身保険」? アカウント型の落とし穴
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終身保険に加入したつもりが、保険料のほとんどは掛け捨てだった――。2000年代に生命保険業界の主力商品だった「アカウント型保険」の契約者からそんな不満が相次いでいる。現在も保有契約が500万件を超えるアカウント型とは、どんな保険なのか。なぜ不満が生じているのか。情報提供窓口「つながる毎日新聞」に寄せられた投稿を基に、実情を取材した。
死亡保障は300万円のはずだった
「死亡保険金は10万円」。西日本に住む男性(81)は、20年前に契約した生命保険の保険料払込期間が満了した2022年、大手保険会社から送られてきた通知を見てがくぜんとした。
男性の契約では、保険料の払込期間中に死亡した場合は、保険金の受取人である妻に300万円と積立金を上乗せした額が支払われることになっていた。
男性が加入していたのは生命保険の一種「利率変動型積み立て終身保険」。男性は、保険の名称に「終身保険」とあることから、300万円の死亡保障が一生涯続くと信じ込んでいた。
しかし、契約書類を確認すると、払込期間満了後に死亡した場合は10万円程度しか支払いがないと記載されていた。
生命保険には、契約後は保障が生涯にわたって続く「終身保険」と、一定期間のみを保障する「定期保険」がある。男性の300万円の死亡保障は、実は掛け捨ての定期保険で、払込期間の満了時点で300万円の死亡保障期間が終了していたのだ。
男性が契約していた保険は一般的に「アカウント型保険」と呼ばれる。どんな保険なのだろうか。
アカウント型保険の仕組みとは
「貯蓄も保障もできる」「自由に保障の見直しが可能」。こんなうたい文句で販売されていたアカウント型保険は、00年に大手生命保険会社が販売を開始して以降、各社が取り扱いを始めた。
この保険は、貯蓄部分(アカウント)と保…
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