ロシア最高峰マリインスキーで踊る永久メイさん バレエに懸ける思い

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演目「海賊」で奴隷として売られた少女役を踊る永久メイさん=ロシア北西部サンクトペテルブルクの国立マリインスキー劇場で、撮影日時不明。Photo by Natasha Razina © Mariinsky Theatre
演目「海賊」で奴隷として売られた少女役を踊る永久メイさん=ロシア北西部サンクトペテルブルクの国立マリインスキー劇場で、撮影日時不明。Photo by Natasha Razina © Mariinsky Theatre

 ロシア国内でも一、二を争う名門劇場で、日本人バレリーナの永久(ながひさ)メイさん(23)が数々の名作で主役を踊っている。意外にもロシアバレエに本格的に取り組んだのは、10代後半になってから。習ってきたスタイルの違いにもかかわらず、バレエの本場で活躍を続けている。その歩みをたどった。

 前編はこちらからご覧ください

「彼女は劇場が誇るスター」

 ロシア北西部のサンクトペテルブルクにある国立マリインスキー劇場は1783年に創建され、240年の歴史を誇る。今年6月前半、古典バレエの人気作品「海賊」が上演された。海賊の一群が奴隷に身を落とした女性たちを助けるという筋書きだ。

 この日の公演ではファーストソリストの肩書を持つ、永久さんが準主役となる奴隷の少女役を演じた。美しい容貌が故に他人に売られてしまう。第1幕では悲しみを漂わせた舞を披露した。「素晴らしい踊りでした。彼女は劇場が誇るスターといえるでしょう」。観客の一人、アレクサンドラさん(48)は絶賛した。

世界一流のマリインスキーの舞台に

 実は永久さんは2017年に研修生としてマリインスキーに来るまで、ロシアバレエにはほとんど接していなかった。モナコのバレエ学校に所属していた15年、マリインスキーのユーリー・ファテーエフ監督(58…

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