<ヒヨコの質問に記者が答える>
◆答え 投げずに四球与える 国際ルールに合わせて導入
プロ野球で今シーズンから、投げなくても投げたことになる制度が導入されたって聞いたけど、どういうこと?
申告敬遠のことですね。投手が打者にストライクではない球を4回投げることを四球(フォアボール)と言います。四球が与えられた打者は一塁に進む権利を得ます。ヒットやホームランをたくさん打つ強打者に打順が回ったときに、投手が勝負を避けて、わざと四球を与えることを「敬遠」といいます。守備側の監督が審判に申告すれば、投手が投げずに敬遠できる、それが申告敬遠です。今まで通り4球投げて敬遠することもできます。
もう使われた?
3月30日のDeNA-ヤクルト戦、三回2死三塁でDeNAが初めて使いました。
なんで導入したのかな。
2020年の東京オリンピックで野球を実施するために、国際的なルールに合わせることになりました。申告した後の球は投げずにすむので、投手の負担を減らしたり、時間を短縮したりできるとも言われています。社会人、大学野球も導入を決め、高校野球は現在、検討中です。
アメリカの大リーグは?
昨季から時間短縮を目的に採用しました。しかし、アメリカの報道機関の調べでは、昨季の敬遠四球の数は16年に比べ、38個増えて970個になりましたが、約2・5試合に1個で、申告敬遠1回で短縮できた時間は1~2分。効果を疑問に思う人もいます。
導入にみんなが賛成しているわけではないってこと?
強打者は敬遠されることが多く、敬遠のために投げられた球を打って勝負を決めたり、あえて空振りをして抗議の姿勢を示したりした選手もいます。敬遠球が暴投になり、得点を許してしまった投手もいます。申告敬遠ができるようになると、こうした「4球をめぐるドラマ」は見られなくなるかもしれません。