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ガリレオ博士の天体観測図鑑

星空と風景を一緒に写す星景写真の第一人者、大西浩次さんが、美しい写真とともに、その季節にぴったりの星座や天体現象を解説します。

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ガリレオ博士の天体観測図鑑

ガリレオ博士の天体観測図鑑/83 夏休み中の星空 14日は「伝統的七夕」

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大西浩次(おおにしこうじ)さん撮影(さつえい)
大西浩次(おおにしこうじ)さん撮影(さつえい)

なつをめぐるほしたち】夏休なつやすちゅう星空ほしぞら


流星りゅうせいたのしめる好機こうき

 夏休なつやすちゅうたのしみな天体てんたい現象げんしょう紹介しょうかいしましょう。そのひとつは、ちょうどこの時期じき、ペルセウス方向ほうこうから出現しゅつげんするペルセウス座流星群ざりゅうせいぐんながぼしです。これはまいとし、スイフト・タットル彗星すいせい軌道きどう地球ちきゅうちかづく8がつ12にちから14ごろを中心ちゅうしんに、彗星すいせい軌道きどうらばっているながぼしのもとが地球ちきゅうんでくることできます。

 今年ことし月明つきあかりもなく、ペルセウスたかのぼる13にち夜明よあけが極大きょくだいかさなり、ちょう好条件こうじょうけんなのです。13にちがたには、くら場所ばしょならば1時間じかんたり50ちかながぼし観察かんさつできるでしょう。極大きょくだい前後ぜんごすうじつも、比較的ひかくてきおおくのながぼし観察かんさつできます。なつよるながぼしたのしむ好機こうきです。

 ふたは、14の「伝統的でんとうてき七夕たなばた」です。七夕たなばたは7がつ7(なの)よるひめぼし彦星ひこぼしねんいちのデートの。でも、日本にっぽん梅雨つゆ最中さいちゅうなので、仙台せんだい七夕たなばたまつりのように、月遅つきおくれの8がつ7(なの)ごろにおこな地方ちほうおおいですね。

 この七夕たなばた旧暦きゅうれき7がつ7(なの)行事ぎょうじでした。旧暦きゅうれきとはつきけでつくこよみです。たとえば、8がつ8(よう)新月しんげつ旧暦きゅうれきの7がつ1ついたちなので、旧暦きゅうれき7がつ7(なの)が8がつ14になります。今年ことしの「伝統的でんとうてき七夕たなばた」は、ペルセウス流星群りゅうせいぐん極大きょくだい直後ちょくごで、ながぼし一緒いっしょひめぼし彦星ひこぼしあまがわるチャンスです。


 8がつ 一晩中ひとばんじゅう天頂てんちょう深夜しんや)から西にし夜明よあけ)

なつ大三角だいさんかくひめぼし彦星ひこぼし)と流星りゅうせい

 よいはや時間じかんひがしから天頂てんちょう付近ふきんにあるみっつのあかるいぼしむすぶとなつだい三角形さんかくけいです。もっとあかるいことのベガがひめぼしあまがわはさんでみなみりのわしのアルタイルが彦星ひこぼしです。ペルセウス座流星群ざりゅうせいぐん深夜しんやから夜明よあけごろがもっともよくえます。


 ■ガリレオ博士はかせのひとこと

 夏休なつやすみの自由研究じゆうけんきゅうとして、つきけの観察かんさつはいかがでしょうか。8ようか新月しんげつ。11にちにはほそつき金星きんせい接近せっきんします。夕暮ゆうぐれの西にし低空ていくううつくしい姿すがたせるでしょう。14は「伝統的でんとうてき七夕たなばた」。16にち上弦じょうげんつき、さそりのアンタレスのちかくです。20はつかから21にちにかけて、土星どせい木星もくせい次々つぎつぎ接近せっきんします。22にち満月まんげつ。この2週間しゅうかんつきけとえる位置いち変化へんか観察かんさつできそうですね。


ガリレオ博士はかせ大西浩次おおにしこうじさん

 博士はくし理学りがく)。天文学者てんもんがくしゃで、星空ほしぞら風景ふうけい一緒いっしょうつ星景写真せいけいしゃしん第一人者だいいちにんしゃ国立長野高専教授こくりつながのこうせんきょうじゅ長野県在住ながのけんざいじゅう太陽以外たいよういがい恒星こうせいまわりの惑星わくせい系外惑星けいがいわくせい)をさが研究けんきゅうおこなっている。

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