【夏をめぐる星たち】夏休み中の星空
流星も楽しめる好機
夏休み中の楽しみな天体現象を紹介しましょう。その一つは、ちょうどこの時期、ペルセウス座の方向から出現するペルセウス座流星群の流れ星です。これは毎年、スイフト・タットル彗星の軌道に地球が近づく8月12日から14日ごろを中心に、彗星の軌道に散らばっている流れ星のもとが地球に飛び込んでくることで起きます。
今年は月明かりもなく、ペルセウス座が高く昇る13日の夜明けが極大と重なり、超好条件なのです。13日明け方には、暗い場所ならば1時間当たり50個近い流れ星が観察できるでしょう。極大前後の数日も、比較的多くの流れ星が観察できます。夏の夜は流れ星を楽しむ好機です。
二つ目は、14日の「伝統的七夕」です。七夕は7月7(なの)日の夜、織り姫星と彦星の年に一度のデートの日。でも、日本は梅雨の最中なので、仙台七夕まつりのように、月遅れの8月7(なの)日ごろに行う地方も多いですね。
この七夕は旧暦7月7(なの)日の行事でした。旧暦とは月の満ち欠けで作る暦です。例えば、8月8(よう)日の新月の日が旧暦の7月1日なので、旧暦7月7(なの)日が8月14日になります。今年の「伝統的七夕」は、ペルセウス座流星群の極大直後で、流れ星と一緒に織り姫星や彦星、天の川を見るチャンスです。
8月 一晩中天頂(深夜)から西(夜明け)
夏の大三角(織り姫星、彦星)と流星
宵の早い時間、東から天頂付近にある三つの明るい星を結ぶと夏の大三角形です。最も明るいこと座のベガが織り姫星、天の川を挟んで南寄りのわし座のアルタイルが彦星です。ペルセウス座流星群は深夜から夜明けごろが最もよく見えます。
■ガリレオ博士のひとこと
夏休みの自由研究として、月の満ち欠けの観察はいかがでしょうか。8日は新月。11日には細い月と金星が接近します。夕暮れの西の低空で美しい姿を見せるでしょう。14日は「伝統的七夕」。16日は上弦の月、さそり座のアンタレスの近くです。20日から21日にかけて、土星と木星に次々接近します。22日は満月。この2週間で月の満ち欠けと見える位置の変化が観察できそうですね。
ガリレオ博士・大西浩次さん
博士(理学)。天文学者で、星空と風景を一緒に写す星景写真の第一人者。国立長野高専教授。長野県在住。太陽以外の恒星の周りの惑星(系外惑星)を探す研究を行っている。