Q 「消費期限」と「賞味期限」ってどう違うの?(千葉県、小3、伊藤由理さん)
消費期限は「安全に」 賞味期限は「おいしく」
A 消費期限と賞味期限を同じような意味だと思っていませんか? 店で買った食品には、安全においしく食べられる期間が法律で決められていて、袋や容器には「消費期限」か「賞味期限」のどちらかが表示されています。
まず、消費期限の方です。これは、袋や容器を開けないまま正しく保存した場合、「この日までは安全に食べられる期限」を意味します。お弁当やおかず、サンドイッチ、肉、生麺類、ケーキなど、日持ちのしない、いたみやすい食品に表示されています。
一方、賞味期限は、袋や容器を開けないまま書かれた保存方法を守っていた場合に、「この日までは品質が変わらずおいしく食べられる期限」のことです。缶詰やペットボトル飲料、スナック菓子、カップ麺など、常温で保存できる、いたみにくい食品に表示されています。
消費期限と賞味期限は、国が決めた基準をもとに、食品メーカーや輸入業者などそれぞれが、科学的な検査をして期限を決めています。まず、食中毒の原因となる菌がいないかを調べる微生物試験をします。さらに、酸化していないか、栄養成分などがなくなっていないか、また「おいしさ」を調べたり、見た目の変化やにおいなどを確認したりします。それらの検査が終わると、試験で確認された期限よりも短い日数を消費期限・賞味期限にして、より安全性が保たれるようにしています。
消費期限は、表示されている日時までに食べないと腐るおそれがあり、期限が過ぎたら食べない方が良いとされています。
これに対して賞味期限は、書いてある期限が過ぎていても、すぐに食べられなくなるわけではありません。味が落ちるかもしれませんが、安全性に問題はありません。
ただ、いずれの場合も袋や容器を開けてしまった場合は、なるべく早く食べるのが良いとされています。
ところで、食品には賞味期限がないものもあります。腐らない食べ物は、賞味期限が基本的にありません。適切に保存された状態であれば、ほぼ無期限で保存が可能です。はちみつ、塩、砂糖、白米(精米)、梅干し、インスタントコーヒー、アイスクリーム、酒類などが代表例です。
また、乾パンやレトルト食品などの非常食も、袋や箱が壊れたり破れたりせず保存状態が良ければ、品質が悪くならずに長期間保存できます。
そして、最も長く保存できるのが缶詰です。中の食品は、缶詰を作る工程での加熱殺菌で、成分が悪くなる原因となる微生物がほぼ取り除かれています。乾燥している野菜類も、適切に保存されていれば長期間劣化せず、必要なときに調理して食べることができます。
家に備蓄しておく非常食などは、長期保存が可能だとしても、時期を決めて、古くなりすぎないように定期的に新しいものと入れ替えておくことも必要です。【木谷朋子】<え・内山大助>
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