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頭部の画像診断

視野障害・複視の画像診断

2013/07/11
藤澤一朗(市立岸和田市民病院放射線科)

 ※この記事は「臨床研修プラクティス」(文光堂)2008年12月号の特集を転載したものです。

 視力障害・複視の原因は多様である。網膜から後頭葉に至る視路の障害により視野障害が起こる。視路の障害部位により、様々なタイプの特徴的な視野欠損が起こる。複視は、両眼の運動に共同性が失われることによって生じる。外眼筋を支配する動眼・滑車・外転神経の障害が原因となる。

1.視野障害

 視路とは視覚情報の伝わる経路のことであり、網膜→視神経・視交叉・視索(第2脳神経)→外側膝状体→視放線→視中枢(後頭葉)という解剖学的構造をいう(図1a)。視神経─視交叉─視索と連続する神経経路は特殊な構造をしている。鼻側網膜からの神経線維は視交叉で交叉し、反対側の耳側網膜からの線維(非交叉性)と合流して視索となる。視放線は外側膝状体から後頭葉の視中枢に向かうが、側頭葉─頭頂葉に広がっている。

 視路の障害により視野障害(視野欠損)が生じるが、その症状は障害の部位により様々である(図1b)。

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